AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します

山田 武

偽善者と称号確認



夢現空間 自室


 残す強者もあと二人。
 それだけ、この島での偽善活動も進んでいた……が、今の俺だと本気にならないと勝てないと言われてしまっていたよ。
 偽善者としては、あまりギリギリな闘いは好まないのだ。
 胡散臭い感じで、相手より上な雰囲気を漂わせて勝つ……まあ、俺Tueee的なことがしたいんだよな。

 だからこそ、俺には新たな力が必要となっていた。
 なので――


《お待たせしました。新スキル、開発終了となりました》

「待ってましたよこの時を!」


 アンからの報告を聞き、ベットから飛び降りて喜びを踊りを舞っていく。

 ……だいぶ前から注文はしていたが、細かい微調整が多かったため、作業はかなり難航していたとのことだ。
 まあ一番の理由としては、昔殴った時に解析した俺の偽者が該当するんだけどな。

 運営神によって面白いスキルが満載であったため、一度創り上げられたスキルも、それらを再現したスキルと合成したりしていたのでとても完成までに時間が掛かったのだ。


《……メルス様、先に称号の方から確認した方が宜しいかと思われます》

「ん? そういや、全然見ていない気がするな……ま、見てみるか」


 アンに言われるがまま、俺は称号リストを確認する――


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
戦闘系
『モノスレイヤー』:(猿殺し)→【魔者殺し】
『モノスレイヤー・ソロ』:(魔猿殺し)→【魔者殺し】
『プラントスレイヤー』:(植物殺し)→【魔者殺し】
『プラントスレイヤー・ソロ』:(魔樹殺し)→【魔者殺し】
『スピリットスレイヤー』:(精霊殺し)→【魔者殺し】
『スピリットスレイヤー・ソロ』:(霊魂殺し)→【魔者殺し】
『慈悲無き惨殺』:恐怖を感じた敵対者の魂を掌握可能
連打の達人コンボマスター(〃Lv1)』:一定時間内に攻撃を連続して放つことで、回数ごとに威力が上昇する
『英霊殺し』:(英勇脆弱)→{夢現反転}
『劉帝殺し』:(龍殺し)→【劉殺し】→【魔者殺し】
『使徒殺し』:(英雄脆弱)→{夢現反転}
『厄災殺し』:【救世主】転職可(一部制限)
『機兵の天敵(〃Lv-)』:機械族の相手と敵対時、相手の能力値を激減させる
『神舞闘者』:【神舞闘者】転職可(一部制限)
武具の起動句を使用する時、消費を軽減する

生産
『異界生産師』:異界◯◯生産時、品質が一段階上昇する

その他
『最弱の最強札親』:札を扱う行動時、確率を無視した現象が起こりやすくなる
『GMの使役者』:特に無し?
『法則破壊者』:ルールを無視した行動時、成功率が上がる
『下級神』→『中級神』:信仰により神格上昇・権能スキルの一部開放
また、神氣生産量増加
『命導士』:他者を回復系職業に導きやすくなる(一部魔法に派生追加)
『救導士』:他者を蘇生系職業に導きやすくなる(一部魔法に派生追加)
『反逆導士』:他者を復讐系職業に導きやすくなる(一部魔法に派生追加)
『電脳素人』:プログラムへの理解が深まる
『魔導到達者』:【賢者】転職可
『世界を欺きし者』:【悪戯神】転職可(一部制限)
『加留多士の餌付け人』:DEX×2 繃子系スキルに補正が入る
『レイの守護』→『レイの寵愛』:LUC×3 光属性との適合率が激増
『シンクの守護』→『シンクの寵愛』:STR×3 火属性との適合率が激増
『アオイの守護』→『アオイの寵愛』:DEX×3 水属性との適合率が激増
『異端魔機の競者』:STR・DEX×1.1 解析・模倣能力強化
『覇導劉帝の導き手』:HP・MP・AP×1.3 戦闘系スキル強化
『武具聖霊の契約者』:DEX×3
『吸血龍姫の到達点』:HP・MP・AP×1.2 光の元にいると強化
『天空王女の憧れ』:MP×1.2 解析能力強化〔・魂の質が上昇〕
『極塔主の親友』:MP×1.2 ダンジョンコアへの供給効率UP〔・魂の質が上昇〕
『迷宮核の恩人』:MP×2.5

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ……増えすぎだろ。確かに全然確認してなかったけどさ~。
 ツッコミどころが多過ぎて、ツッコめないじゃないか。


「アン、いちおう訊いとくが【魔者殺し】ってどんなスキルだ?」


 それでも最初の方だったから、とりあえずツッコんでおこう。
 (◯◯殺し)が全部そっちへと統合されてるし、魔物じゃなくて魔者になっている……最初はこれだよな。


《はい、【魔者殺し】は魔に属する者へのATKが上昇するスキルです。魔力さえ持っていれば対象に入れることができますので、基本的には万物に影響力がありますよ》

「……怖すぎだろ。前に取った(魔族耐性)みたいなものか?」

《端的に申しますと、そうですね》


 便利過ぎるよ。
 魔抜けなんて希少価値MAXなレア者だろうから、会ったら会ったで[眷軍強化]でMPが手に入るか試したくなるな。


「なら次、魔導到達って……一体いつ到達したと思う?」

《恐らく、"失墜の天空都市"での戦闘が影響したかと思われます。あそこでのメルス様は"器想纏概"や<虚無魔法>等の危険度が極めて高い技をお使いになられましたので……どちらかが魔導に当て嵌まったのかと》

「魔導って、何なんだろうな」

《そちらもまた、絶賛解析中です。既にリュシル様の資料にそれらしい物が幾つかありましたので、そこから情報を集めております》

「転職できたなら、【賢者】になってすぐ分かったんだろうけどな」

《そうですね》


 未だに転職はできず、俺はずっと無職のままである。
 ……悲しいかな、その内強制的に『紐』にでもなるんじゃないかな?
 最近、よくそう思っているよ。



コメント

コメントを書く

「SF」の人気作品

書籍化作品