AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します
偽善者とスキル確認 中篇
『――なるほどね、いつの間にそんな技術を会得していたの』
……うん、すぐバレたな。
そうだよ、やり方はさっき言った通りだ。
しかしまさか、俺の意識の希薄さでそれを見分けるとわ……。
ティルは俺のこと、良く見てるんだな。
『ななっ、何を言ってるのよ! わ、私はただ、メルスの返事が適当になったと思って、少し鎌をかけた……そ、それだけよ!』
うぉっと、危ないぞ。
……まぁ、俺もティルにバレたくない思考が欲しかったんだよ。
例えば……そうだなー、こんなことをする為にな……(イメージ中)。
『え、えぇ!! メ、メルスは、わ、私にこんなことを、し、しようとしていたの!?』
……駄目か?
ティルもこの島から出られるようになったら、やってみようと思ったんだけど……中止かな?
『ううん、良いの。どんどんやって!!』
即答だな……。
あ、さっきまでの訓練で分かったんだが、意識を沈めてる方が修業になるみたいだ。
俺の馬鹿な思考が入らない分、ティルの動きが体に浸み込んでいくように感じられる。
だから、もう一度スキルの考察でもしながら潜って来るわ。
俺の体のこと、頼んだぞ。
『わ、分かったわ。しっかりと体に叩き込んでおくわ(どうしよう、頼まれちゃった。叩き込むってことは、手取り足取り教えなきゃいけないわよね。ってことはもしかして、腰も取らないと……)』
おう、任せたぞ。
そう言って俺は、再び意識を別の場所へと移していった。
特殊思考内
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
俺の思考はやっぱりバレる運命なんだな。
基本的に俺は物事を考える時、思考速度をできるだけ高めている……んだけど、眷属たちって、素の思考能力で俺に追いついているからな。
モブと天才の違いを身近で感じている。
あと、意識の話なんだが……俺、意識を分裂させるのが苦手なんだよ。
全にして個、個にして全というものの意味が理解できないししたくもない。
俺は俺であって俺でしかないんだ。
モブという存在は幾らでもいるが、俺というモブは俺しかいない。
自分の仕事を他人が行うのは良いが、俺の役割を誰かが代わりに行うのは許さない。
だって、それが無ければ俺の存在価値が無くなってしまうから。
人生を歯車に例えたヤツがあったな。
アレに例えたら、俺は間違いなく代替えが可能な歯車だろう。
だけど使用されている間は、間違いなくその部分は俺によって動いているんだ。
俺以外でも可能だとしても、ちゃんと回れている。
だからこそ、俺以外の俺なんて創りたくないし考えたくもない。
――俺以外の俺が眷属を愛でるなんて、絶対に嫌だからな(本音)!
ま、分裂は無理だが、代わりに別人格の形成にはある程度成功した。
自分と同一の存在は無理でも、それ以外なら可能だった……だけど、それによって生まれた人格は、色々とクセのある奴らだったからあんまり活躍することが無い。
一応脳内会議によって{多重存在}に登録だけは義務付けたので、呼び出すことは可能だが、全員が全員条件を満たさないと呼びかけに答えないと言ってやがる……何様なんだろうか……俺様か。
さて、そろそろスキルの考察に移るとしようか。
まずはこちら――
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技能:(精密解析Lv1)
説明:より詳しい解析が行える
鑑定したものに表記される単語を更に鑑定することも可能
Lv10につき1つ、奥の情報を詳細を解析可能
〔文字化けしているものは鑑定できない〕
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――(瞬脚)の時に少しだけ出たスキルだ。
どこを鑑定したいかをラインマーカーを引くように指定すると、その部分が新しく鑑定されて表示される。
これで(瞬脚)の隠し欄の部分を鑑定したワケだな。
文字化けが鑑定できないのは仕方が無い。
エラーが出ているものに無茶をやっても、起こるのは予想外の事態だけだ。
俺のスキルが持つ文字化けはいつか解き明かすつもりだが、文字化けさせた張本人(?) 達に会いに行けば良い話だしな。
そうすれば、治るだろう。
さぁ、今度は耐性を見てみるか――
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耐性:(人族耐性Lv1)
説明:人に属する種族から受ける攻撃へ耐性を持てる
Lv1につき、0.1%ダメージを軽減する
〔別の耐性スキルと効果を重複できる〕
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耐性:(魔族耐性Lv1)
説明:魔に属する種族から受ける攻撃へ耐性を持てる
Lv1につき、0.1%ダメージを軽減する
〔別の耐性スキルと効果を重複できる〕
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対人・魔用のスキルだな。
Lvが最大になると今度は半減、次は激減、そして最後は無効になのが普通の耐性系のスキルだ(その点、昔持っていた(異常耐性)は、称号の影響を受けて一気に無効まで到達してた……凄いな)。
種族間戦争でもした時は、ぜひ重用させて頂こう。
そして、欲しかった限界突破スキル――
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特殊:(装備限界突破Lv-)
説明:装備する武具やアクセサリーに制限がなくなる
また発動時、装備の本来の力を引き出すことができる……ただし、デメリット有り
使えば使う程使える時間は増え、デメリットは緩和される
〔通常時デメリット:同時に装備する程、装備による能力値の補正が減少する
発動時デメリット:発動後、使用した武具の耐久度が激減する〕
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――これで、聖・魔武具や神器を全部装備できる。
気分はさながら歩く戦車だ。
アクティブスキルとして使った場合は、耐久値を消費して武具の力を高めるようだが、俺の武具の大半が耐久値:∞だし、そうでなくても最近は耐久値を回復するスキルを持たせている……全然デメリットにならないな。
通常時のデメリットもまた、意味を成さないと思う。
だって、神器や聖・魔武具って、基本的に武具に似合う程の補正値が付かないから。
それらの武具は、強力なスキルを持つ代わりに補正値を削ったようみたいなのだ。
俺としては全然問題無いし、誰もクレームは付けないだろう……装備スキルの一つ一つが強過ぎて、言う気にならないの方が正しい気もするが。
……というワケで、ティルと訓練を始める前に、俺は自分の持つ神器の大半や聖・魔武具を装備して訓練に臨んだ。
チート武具が持つ効果は、意識が希薄な俺でもティルと打ち合えている理由の一つであろう。
そろそろ意識を戻して、ティルとのトークに戻るかな?
ティルって俺の意識を読んでくれるから、会話が弾むんだよ。
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