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山田 武

偽善者とバグ 後篇



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その他: :開封LvEX:

説明:新たに創りだされたスキル
一度入手したスキルを何度でも復元できる
また、所持者の成長速度を極限まで高くし、状態異常にとても罹り辛くなる

内包スキル
(開封LvEX):習得して一般スキルを復元可能にする

【開封LvEX】:習得して固有スキルを復元可能にする

<開封LvEX>:習得して伝説スキルを復元可能にする(未開放)

{開封LvEX}:習得して夢幻スキルを復元可能にする(未開放)

{成長促進・極}:成長率が8倍となる

{耐性強壮化}:耐性の効果がLv×8倍となる

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 こりゃあまぁ凄くなったな。まさか、ここまでチートスキルになるとは思わなかった。


《さすがメルス様ですね。あのゴミスキルがここまでの変貌を遂げることを予測しているとは……わたし、感激です》

(「あ、あははは、ま、まあな」)


 ――スキルに偽善をしていたら、チートになった件について。急に軽い小説のタイトルみたいな言葉が浮かんできたな。
 ただでさえ使わなくなったSPは更に影を薄くし、成長速度は化物級、耐性はもう二度と状態異常を見なくなるのでは? という感じになってしまったよ。


(「アン、今更なんだが【異常反転】ってなんだ? :開封:のインパクトがデカすぎて、正直忘れていた」)

《一度視てしまわれた方が、早いかと》


 と、いう訳でチェック――


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身体:【異常反転Lv1】

説明:己が受けた状態異常やデバフを反転させて自身に付与できる

〔成功確率はLv×LUC×0.0001%
 維持時間は元の状態異常やデバフのものを用いるものとする〕

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 ――確立低ッ! だが、効果は凄いものだ。
 これがあれば相手がデバフ特化の場合、俺にはただ相手を親切な辻バフラーと思えちゃうぞ。
 ハッハッハ―、相手を弱らせるつもりが、逆に強くしちゃう気持ちはどんなものか!


《この【異常反転】で:封印:を反転させて、反転した物をそのまま定着させる予定でしたが、固有スキルでは完全に反転させることができず、:封印:を弱体化させるのが精いっぱいでした。ですので、事前に解析してあった【封印】の修正案を元に、スキル:開封:が誕生しました》


(「……で、その後に残ってたスキルを全て復元したと」)


《……本来なら、メルス様用の改良スキルを沢山創りたかったのですが、皆様より色々な案が……あっ》


 みんなグルだったのか。……まぁ、みんなが俺の為にやってくれることなら、良いんだけどさ。


《他のスキルは、メルス様の指示された(技能者の指先)以外、通常進化を行いました。必要になれば復元が可能ですので、それが一番無難かと思いまして》


 理に適った意見だな……というか、本当に強すぎないか? 俺のSP1000を超えてるんだぞ? 俺のスキルの進化に必要なSPは5か10。10の進化だけを行っても、100個の新規スキルが手に入る。それをまた成長させることでSPが増える、インフレスパイラルだな……うん。


(「よし、なら今度みんなで話し合って、俺の新しいスキルを創ってくれ」)

《……宜しいのですか?》

(「……? 良いに決まってるだろ。スキルは完全に戻ったけど、結局今の俺は弱いままだ。みんななら、そんな俺がこの終焉の島で生き残れるようなスキルを創ってくれるだろう……それとも、無理だったか?」)

《ッ!? い、いえ、任せてください。直ぐに全員を招集して製作を始めさせていただきます!!》

(「そ、そうか。期待してるぞ」)


 アンはもう一度、任せてくださいっ! と伝えて来てから俺との連絡を切って行った……この後どうしようかな~。
 とりあえずは{多重存在}でレベリングに行くとするかな。


(「――エナ、ディオ。と、いう訳だが……行けるか?」)

《《はいっ!》》


 二人の名前は、ギリシャ語の1と2から取ったものだ。そんな二人に、再び狩りに行くことを命じて、俺は生産に取り組んでいく……そろそろ職業を取り戻さないとな(無職っていうのも、そろそろ寂しくなってきたし)。


暫らくして
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《メルス様、創造作業が完了しました》

《《メルス様、終了し(終わり)ました!》》


 3人同時に作業終了報告が届いた(ちなみにだが、エナとディオにとって、作業終了とはフィールドの殲滅のことだ)。


(「おっ、みんなご苦労様。お礼として指輪をプレゼントするから、後で来てくれ。アンはちゃんと他の皆にも伝えてくれよ)

《《《はいっ!》》》


 何故指輪かというと、どういうことかみんな欲しい物を聞くと指輪と答えるのだ(ユラルだけは、もう十分貰ったよと言っていた)。
 何故そんなに指輪が欲しいのだろうか。別に服や料理、スキル結晶でも良いと思うんだが……。


 ま、今は置いておくとするか。とりあえずは、二人の戦闘結果を見てみるとしよう。
 俺はログを開いて、彼女らの習得したスキルを見てみた。


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種族スキル(高速治癒)を限定習得しました
→【自己再成】に統合されました

(鬼火)を習得しました←(鬼氣)で火を創った

(鬼才)を習得しました

(鬼角生成)を習得しました

一定以上の経験量を確認

種族スキル【鬼人王】の作成を試みます

……成功しました

(人化)は【鬼人王】に統合されます

(鬼化)は【鬼人王】に統合されます

(鬼氣)は【鬼人王】に統合されます

(剛力)は【鬼人王】に統合されます

(金剛)は【鬼人王】に統合されます

(鬼人王の咆哮)は【鬼人王】に統合されます

(鬼人王の威圧)は【鬼人王】に統合されます

(鬼火)は【鬼人王】に統合されます

(鬼才)は【鬼人王】に統合されます

(鬼角生成)は【鬼人王】に統合されます

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種族スキル(高速再生)を限定習得しました
→【自己再成】に統合されました

種族スキル(紅蓮魔法)を限定習得しました
→(紅蓮魔法)に統合されました

種族スキル(飛翔)を限定習得しました
→(飛翔)に統合されました


(炎熱同化)を習得しました

(詩的言動)を習得しました

(癒しの涙)を習得しました

(再生炎翼生成)を習得しました

一定以上の経験量を確認

種族スキル(フェニックス)の作成を試みます

……成功しました

(人化)は(フェニックス)に統合されます

(再生の焔)は(フェニックス)に統合されます

(遠視)は(フェニックス)に統合されます

(嘴撃)は(フェニックス)に統合されます

(炎熱同化)は(フェニックス)に統合されます

(詩的言動)は(フェニックス)に統合されます

(癒しの涙)は(フェニックス)に統合されます

(再生炎翼生成)は(フェニックス)に統合されます


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 今回は、リョクとフェニの因子を使わせて貰った。そして今回注目するのは、フェニックスのスキル(再生の焔)だ。
 死ねば死ぬ程強くなるこのスキルは、発動条件がHPが0になったときというものだ。
 なので、ある程度条件を満たせば死ななくても使えるという緩い仕様だ。……まぁ、普通プレイヤーが持つスキルじゃないもんな、うん。


 さて、今度はステータスの確認だ。
 どれだけLvが上がって、どんなスキルを入手しているのか……。俺は"みんなのかんがえたさいきょうすきる"を期待してステータスを確認してみる――



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