自称偽善者は電脳異世界に揺蕩う(旧:AFO ~(自称)偽善者のVRMMO(?)記~)

山田 武

偽善者とエンヴィーサーペント戦 その05



 雲一つない壮大な青空に、翼を広げて俺は飛翔した。
 取り巻きを全て倒された大将、エンヴィーサーペントは元々緑だった体をより緑にしてこちらをじっと見つめていた。
 前回、ラースボアと戦ったのだが、取り巻きを倒されたラースボアも体を燃えるような赤に染めて、暴走を始めてのだ。
 そして俺は考えたのだ。あ、取り巻きを全部倒すと、レアボス達は強くなるんだ、と。
 そしてその予想は当たり、エンヴィーサーペントは、取り巻きを倒された妬みを糧に、Lvを10程上昇させていた。
 やっぱりこうでないと。別に、俺は戦闘狂と言う訳では無いが、相手が弱すぎるというのもどうかと思っている。……というか、俺は見てみたいんだ。経験値チートの限りを尽くした俺を倒す、そんな奴を。
 まぁ、その話はまた別の時に、今は目の前の相手のことだけを考えるとしよう。


(――"鬼人王の威圧""闘王の覇気")

 …………

 やっぱり効かないか。恐らく、大罪を名に持つレアボス達は、それぞれの<大罪>の能力の一部を使用可能なんだろう。ラースボアが怒った時の能力は、【憤怒】の持つ能力"義憤超化"通称クリ○ンのことかー!に似たことをやっていたし、今エンヴィーサーペントに威圧と覇気が効かなかったのも、【嫉妬】の持つ能力、"臨機応変"通称同じ技は通用しない!が使えているからだろう。
 "臨機応変"はその名通称が表すように、一度喰らった技に対する耐性をその戦闘中のみ習得できる。
 斬撃を喰らえば"斬撃耐性"を、○魔法を喰らえば"○魔法耐性"と"○耐性"、そして――威圧を受ければ"威圧耐性"を習得できる。
 今回エンヴィーサーペントは、取り巻きの経験を何らかの方法で引き継ぐことでそれを行ったのだろう。
 ま、自分が持っていれば便利だと思うが、相手が持つとなると……実に厄介な能力だ。
 だが、相手にとって不足無し。本当に困ったら"イニジオン"を使えば一撃だしな。
 ま、やるだけやってみるか。


("合氣闘法"+"神氣"=神氣闘法)

("疾如風、徐如林、侵掠如火、難知如陰、不動如山、動如雷霆")

("空間把握/物理加速/行動予測/領域支配")

("気配知覚/弱点看破・改/魔力化・雪")


 まぁ、これぐらい使えば行けるかな?
 (魔力化)を(雪魔法)にしたのは、蛇の持つというピット器官を誤魔化す為だ。確か、温度で獲物を探しているんだよな?


SHUUUUUUUU

 お、本当に気付かなくなってみたいだな。
 それでも、その内"臨機応変"擬きが発動してバレるだろう。その前に近くに行くか――


("隠纏""忍び足""空歩""肉体制御""追跡")


 隠れながら移動する能力を同時に発動し、エンヴィースネークの元に向かう。

 そして、蛇の元までやって来た。蛇は俺に気付くことなく、遠くの方にいる民達を見ていた(今更だが説明する。民達には事前に連絡して、遠くに下がって貰っているぞ)。

 さて、どうやって攻撃するか……よし、アレに決めた!
 俺は刺突短剣を構えて蛇に放つ――


("アサシネイト""ペネトレイト")


 攻撃に即死効果を付与する"アサシネイト"と攻撃に貫通効果を付与する"ペネトレイト"
の二つを発動させて一撃を狙うが……


 …………?

「……あれ?」


 蛇が死ぬことは無かった。


(まさか、皆の攻撃が強すぎて即死耐性まで収得したのか?)


 本来、みんあの……特に眷属達の攻撃に即死効果を持つ物は無かった。だがもし、あまりに強すぎて即死攻撃として判定されていたのなら――可能性は0では無い。
 ……面白いじゃないか。ならば、その可能性を俺に見せてくれ!
 俺は武器を太郎太刀に切り替えて蛇へと向かって行く。

 その時の俺の目の色は、銀色に輝いていたという――


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

その頃の眷属達誰のセリフか当てよう


『あれ? メルス様の目の色が……』

『……銀色?』

『おぉ、そちらは知らななかったのか。
 ご主人は感情が高まると目の色が変わるらしいのだ』

『そういえば、メルス様の目の色が紫になっているのを見たことが……』

『うむ、我も見たな』

『我も全部は知らないのだが……確か、銀色だと【傲慢】、金色だと【強欲】、白色だと【怠惰】が色濃く出ると言っておった』

『紫色だと?』

『……【色欲】だな』

『『//////ω/////(ボフンッ)』』

『良いなぁ~』

『……羨ましい』

『と、とにかく、今のメルス様は【傲慢】が前に出ているということですか?』

『う、うむ、そういうことだ』

『あ、メルス様が!』

『……武器や魔法がいっぱい』

『あれは……もう、勝負は決まったな』

『えぇ、終わりましたね』

『さて、ならば迎えに行くとするか』

『はい!』『……うん』『はい』『うむ』


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


≪ランディア平野の"エンヴィーサーペント"が討伐されました≫
≪ただいま、ランディア平野のエリアボスが討伐されました。これにより、これからランディア平野に出てくるエリアボスの強さは、通常通りとなります皆様ふるってご参加ください≫

《初討伐称号『サーペントスレイヤー』を入手しました》
《ソロ初討伐称号『サーペントスレイヤー・ソロ』を入手しました》
《初討伐報酬"隠形蛇眼鏡"を入手しました》
《ソロ初討伐報酬"白蛇の水筒"を入手しました》


 ふぅ~、長い戦いだった。俺が攻撃をすれば、奴は耐性を収得する。別の攻撃に変えればそれの耐性を収得し、ならばとより強力な攻撃にしても更なる耐性を収得する。まさに千日手とも言える戦いだった。最後には、奴のHPが尽きて終わったのだが、"百花繚乱"ともう一つ、【元素魔法】の魔法を使わされたので、勝負に勝って試合に負けた気分だ。
 ……レアボス達は、いつも俺をこの気分にさせる。さすが俺と同じ<大罪>を持つ者だ。


 ちなみに、従魔であるフェニ達や民であるフーラやフーリがいるのに何故ソロなのかというと、運営側が転移門による移動を考えていなかったからだ。(召喚魔法)による移動をした場合、俺のパーティー欄に召喚された者達の名前が記載されて、ソロ討伐とは認定されなかっただろう。だが、転移門による召喚ならば、俺が召喚をした訳では無く、彼らが移動した先に魔物がいたので対処したと言うことになる。俺とのパーティーは無い為、ソロ討伐として認定されたと言うことだ。
 ……ん? 経験値はどうなるかって? ちゃんと入るらしいよ。昔試してみたんだが、現地人が戦闘に参加しても、プレイヤー達とは別で経験値が入るらしい。勿論、パーティーを組めば分配式になるのだが、乱入というか、参戦(?)をした時は、そうなるらしい(現地人とパーティーを組むクエストや依頼を見たことがある)。


 さて、解体だ。何が手に入るかな~。



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