AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します

山田 武

偽善者とユニーク その06



第四世界 天魔迷宮 第三層 闘技場


 前回までのあらすじ
 ユウちゃんとアルカちゃんと戦闘中のメルス様。ユウちゃんの放った斬撃を避ける為、メルス様は(妖精魔法)を使用しました。しかし、その魔法は1時間もショタ化する魔法だった。果たして、メルス様はショタ化したままどうやって二人と戦うのか!
 ……こんな感じで、どうでしょうか?』

『うむ、大体あっておるな。にしてもご主人のあの姿、偶にならやって貰いたいな』


 フェニがそう言うのなら、少し考えておこう。俺はユウと近接戦闘を行いながらそんなことを考える。


『何、で、銃で、近接戦が、行えるのさ!』

「うーん、スキル補正かな」


 強ち間違って無いとも思うぞ。俺は全武器のスキルを、対応する武器以外で使用することが可能だ。即ち、パッシブスキルによる補正も同様に使用可能なのだ。
 実際、こんな風に使えるしな。


「言葉で何を使うか教えてるんだから、しっかり避けてくれよ――"回転突き"」

『なんで、銃から槍の武技が出るのさ!』

「だから、スキルの補正なんだって」


 セイとグラから放つ弾丸は、飛んでいる最中に形を槍に変えてユウへと向かって行く。 ユウは慌てて回避をするも、回転する槍の穂が掠っていた。


『もう! なら、こっちからも行くよ――"バーニングスラッシュ・魔法剣ver極光"!』


 ユウの剣が太陽の様な輝きを纏いながら、赤い残像と共に襲い掛かる。


「だが、甘い! ――"海纏"か~ら~の"パワーショット・魔法銃ver大海"!」


 俺の放った弾丸は、海の力を借りて灼熱の斬撃を受け止める。


ジュワー!!

『ユウちゃんの攻撃をメルス様が相殺! 舞台は再び白の世界に包まれます』

『太陽を海で消す……さすが主様だ』

『しかし、また見えなくなってしまったな』



 この間に少し時間を貰うか。


(――"隠蔽"+(神氣)+"インビジブル"="隠纏")


 "インビジブル"は(暗殺術)で習得した武技だ。これに(超級隠蔽)と(神氣)を合成することで、2.0で出てきたマントのように隠れられる(死の秘宝の方が分かりやすいか)。

 っと、考えてる暇は無いな。何とかしなければ……どうするべきかな~~。
 そんなことを考えていた俺に、あるものからの声が聞こえた――


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


『さて、蒸気は消えたものの、メルス様が消えておりました。ゲストのお二方が存在を確証していますので、試合は続いております。 果たして、メルス様は何処にいるのか!』

『おっと、あの杖を持ったアルカとやらが魔法を使うぞ』


 フェニの解説の言う通り、アルカが遂に魔法を発動させた。


『何処にいるか知らないけど、炙り出してあげるわ!』


 前と同じく数百の――しかし先程以上の威力を秘めた魔法達が降り注ぐ。その威力は推定でも、一つ一つがユウの光の柱と同じぐらいだと分かる程だった。
 ……だが、今の俺の相手ではない。


(「――頼むぜ。セイ、グラ!」)

《分かってます》《任せてー》

(――"時弾生成・一""魔喰弾生成")


 時弾とは、第三の精霊さんが使っていた弾のパクリだ。使える弾は彼女より少ないが、それでも、リスクを限り無く0に近づけてある……死にたくないしな。効果は想像通り、加速の弾だぞ。
 魔喰弾は、字の通り、魔を喰らう弾だ。
 二人が覚醒したことで、新たな弾が生成可能となった。まさか、このタイミングで覚醒するとは……これが、ご都合主義か!
 っと、考えてる場合じゃないな、今はこの状態を何とかする時間か。一の弾を自分の打ち込んだ俺は、セイを魔弾に切り替えてアルカの魔法を打ち抜いていく。


(――"空間把握""物理加速""気配知覚""魔弾生成・混沌")


 周りを把握し、肉体を加速させながら的確に魔法を消していく。360°、あらゆる方向に弾を放ち、遂には――



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