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山田 武

偽善者と草原フィールド



第四世界 迷宮都市"ラントス"


 おっちゃんスピッドの所で買った焼き串を偶に食べたりしながら、俺は都市の中を歩いていた。
 しかし、色々な店ができてるな~。

 ……だが海産物が足りない。

 現在迷宮都市と繋がっているのは第一世界"リーン"と第三世界"ルーン"であるが、どちらにも海水魚が存在しない(リーンに海はあるのだが、あくまでリゾート地として創り上げたものなので、魚は創れなかった。てか、当時は生物を創れなかったんだよ)。
 なので、都市で販売されているのは、みたいな魚みたいな魚などの川魚みたいな奴ばかりである。
 このままでは、海の魚介類を楽しむことができない! どうにかせねばなー。

 そんなことを考えていると、とりあえずの目的地に着いた。


 目の前には大きな門が聳え立ち、視界の左右は門から続く壁で見えない。
 ――ここは、迷宮への入り口。レンが考えた実力調べの門である。
 門の近くには一つの施設が存在しており、そこで手続きをしてから、本来はダンジョン最初のフィールドである"草原フィールド"に入場するのである。
 ……偶に眷属やその主が転移で侵入してくるらしいが、それは放置されている。

 まぁ、そんなダンジョンの入り口の施設に立ち寄って、許可証と指輪を貰ってから、門の方へと進んでいった(今回はノゾムとして手続きをしたからバレなかったぞ)。


 ちなみに、許可証にはダンジョン内で倒した魔物が記録されて、その質と量によってPが手に入る。そのPを先程の施設にある機械に通すことで、様々な特典と交換することが可能だ。武具やアイテム、スキル結晶など、俺の作った中でも配っても良い物や、ダンジョン内で入手できるアイテム等が特典にはある。


 指輪の方には、一度限りの蘇生&緊急転移機能が内蔵されている。指輪は1DPで創れる超便利な魔道具で、客呼びの為に創られたと俺は思っている。
 問題があるとすれば緊急転移される際は、その身一つで移動させられる……つまり裸なのだ。
 まぁ、男女別の場所に転移されるように設定を変えた(+1DP消費)ので、クレームは無いと思う。
 この現象については説明してあるし、YやPさえあれば、装備品ごと転移できる指輪も入手できるので、初心者はまずやることは、その指輪を入手するために頑張ってYやPを稼ぐことなのである。


閑話休題必要なことだった?


 門の近くに行ってみると、多種多様な人々が、力を合わせて門を押している。
 ――そう、この門はHUNTER×2の殺し屋一家の所にある、試しの門的な機能を持っている為、最低でも合計STRが300無いと開けられない仕組みとなっている。
 ……ちなみにこの門には解析機能も付いているので、彼らの頑張りは、ダンジョンへスキルのプレゼントとして役に立っている(そうしてレンが(保護)を解析した結果、(強奪無効)をダンジョンモンスター達に付けられるようになったので、昔流行った強奪系主人公も俺のダンジョンでは意味を成さないぞ)。


 門を開けた時の話は割愛するが、皆頑張っていたぞ。ゴブリン族や人族、ほかの種族達が力を合わせて、簡単に開く門を精一杯の力で開けている姿はなんとも微笑ましいものであった。時間も掛かりそうだったので、最後ら辺は、透明な状態で隠れながら手伝うことにした。ゆっくり押したので少し軽くなった(?)ぐらいに思っただろう。
 さて、草原フィールドに向かうとしよう。


ダッダッダッダNowLoading


 と、言う訳でやって来ました草原フィールド。いやーなにも無いですねー。見渡す限り草原、俺が最初に設定した通りなら、これが2kmぐらい続きます。

 まぁ、最初の500mぐらいは、さっき言った初心者用のエリアなので、あんまり強い魔物は出ませんけどね。
 ……と早速魔物が現れましたが、近くにいたパーティーが向かって行きました。
 パーティー全員がゴブリン族。しかもスキルに(信仰:メルス)が存在しています。そのスキルは信仰度合によって信仰対象の能力の一部が使えるというスキルなのですが、俺の場合は一体どんな効果が出るんでしょうね……少なくとも【生産神】は所持しているので、生産系の能力は使えると思うのですが、その他にも(神眼)とか権能系スキルがあるから、良く分かりません。

 おっと、戦闘が始まりました。ちなみに、相手はグレイウルフだ。おっちゃんもここのグレイウルフを焼いてるんだろうな~。
 ゴブリン達は、武器を構えてグレイウルフに向かって行く! おっとー、よく見るとゴブリン達の武器に魔力が籠められている。しかも、(天魔魔法)の反応があるぞー。
 分かるように説明するならば、ゴブリン達が持っている武器――剣や盾、弓や槍――に(天魔魔法)のイメージカラーでもある、渦巻く黒白が纏わり着いているのだ。
 そんな魔法武具で攻撃をされたグレイウルフは一撃で倒されて、ドロップアイテムでもある"灰狼の肉"や"灰狼の毛皮"などのアイテムを落としていった。

 だが、グレイウルフは当然というかなんというか、一体では無く複数であった為、まだまだ戦いは続いていく……が、それも先程の繰り返しであった。

 剣で裂かれ盾で飛ばされ、弓で穿たれ、槍で抉られる。そんなことをしていると、彼らの周りには当然ドロップアイテムの山が存在していくぞ。


 俺は彼らがドロップアイテムを回収している姿を眺めつつ、次のフィールドを目指して歩き続けて行った。



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