自称偽善者は電脳異世界に揺蕩う(旧:AFO ~(自称)偽善者のVRMMO(?)記~)

山田 武

偽善者と撲滅イベント その06



イベントエリア 平原


 移動したその先は、まさに戦場である。
 リア充と非リア充、持つ者と持たざる者。
 そんな相反する者達が鎬を削っていた。
 飛び交う魔法、ぶつかり合う武具、時々光るスキルエフェクト――お蔭様で模倣し放題ですよ。
  勿論、そんなことを考えてボーっとしていれば、ケチをつけてくる奴もいる訳で――


『死ねーーリアじゅーーーーう!!』


 男が必死の形相で剣を振り回して襲って来た。だが、当然俺にその攻撃は届かない――


『主様には指一本触れさせない!』


 ――レミルが全部防ぐのだから。
 レミルは、男の剣を盾で流すと、そのまま向かって来た所を剣で刺していた(勿論、武技を使わずにだぞ)。
 剣で刺された男は、当然HPが0になり消えていった。


『大丈夫ですか主様』

「あぁ、レミルが守ってくれたからな」


 現在、レミルが俺のことを"メルス様"と言わないのは、そう指示をしたからだ。
 現在の俺は(変身魔法)で姿を変え、(実力偽装)でステータスを隠している。そんな俺がメルスだとバレたくなかったので呼び方を変えて貰ったという訳だ。


 しっかし、レミルは凄いよなー。俺が渡したばかりの"神聖剣"を、こうも簡単に使うとは……ちょっと気になってどのスキルを共有しているか鑑定してみると、(全武具適性)と(一途な心)であった。
 ……あれ? 【固有】は駄目なんじゃ……と思い調べて視ると、20%に至った時に、種族・職業の中に含まれるスキルから、それぞれ1つ共有できるという記載を見つけた。

 ……成程。鑑定を(神氣)を使いながら行うと、より詳細な情報が現れる。
 面倒だし、鑑定画面を見て貰おう――


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[眷軍強化20%]:"スキル共有"

説明:スキルを眷属と共有できる能力
<伝説>以上のスキルは共有できない


0%:  一定距離の者のみ・【固有】以上不可

10%:【固有】以上不可

20%:【固有】(種族・職業のみ)解放・共有数2個

(以降鑑定眼により開示)

30%:【固有】全開放(スキル側が拒否する場合有)

40%: <伝説>(種族・職業)解放・共有数3個

50%: <伝説>全開放(スキル側が拒否する場合有)

60%: {夢幻}(種族・職業)解放・共有数4個

70%: {夢幻}全開放(スキル側が拒否する場合有)

80%: スキル共有時、スキル適性率の向上

90%: スキル共有時、行動の補助

100%:スキル共有時、スキルの習得補助・共有数5個

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 色々と書かれていたが、成長すれば{感情}全てを一度に共有なんてこともできるのだろうか。
 今回は時間が無かったので、[スキル共有]しか確認できなかったが、[眷軍強化]そのものにも変化があるのだろう……というか、新しい能力でも習得しているだろう(称号もそうだが、どうやら個有スキルも自分で見なければ分からない仕様らしい)。


閑話休題今までが本題だった?


 レミルが共有したスキル。
 (全武具適性)で"神聖剣"を扱い、(一途な心)で行動の成功率を上げる……良い選択だな。俺に30秒で倒された時とは全然違うようだ。
 ――等と考えている間も非リア共は俺に攻撃をしていたのか、俺の周りはプレイヤーのHPが0になった時のエフェクトで覆いつくされている。
 ……一体何人が犠牲になったんだろう。
 そっと目を伏せ、念仏を唱えていると、レミルがこちらを見ながら念話を送ってくる。


(「どうした、レミル?」)

《いえ、メルス様の[スキル共有]のお蔭で、上手くやれてはいるんですが……》

(「……ん? はっきり言ってくれ。よく分からない」)

《相手の方達、あまり強くないのですか?》


 違うんだ。彼らは必死にやってるんだ。
 だが、俺の補助(強化魔法)とレミルの実力が凄すぎたんだ。
 どう誤魔化すべきか……。


(「それはな、お前が共有している(一途な心)の仕業だ。
 そのスキルは知っていると思うが、純粋な感情を籠めて動作を行えば成功率が上がるというスキルだ。
 ――つまりなレミル、今のお前は俺の為に行動するなら、どんなことでも成功できる状態にあるんだ。
 自分の思いがどれだけ凄いか考えてみろ」)

《……私の思い……》


 まぁ、最初にあった時は機械みたいだったし、今もレ○プ目だし、感情というものが希薄だったのかもしれない。
 そこに(レンに何をされたか知らないが)、感情が突然芽生えれば、困惑もするだろう。
 でも、(一途な思い)が発動するぐらいの純粋な感情があったんだ。どんな思いであれ、それはレミルにとって大切なものだな。


《メルス様……私は一体、どうすれば良いのでしょうか》

(「さぁな、自分の思いのままにやってみれば良いんじゃないか? それなら、どんな結果であれ後悔はしないだろ」)

《……そうですね、分かりました》


 どうやらわかってくれtフニョン……。


「な、なぁレミル」

『どうしましたか?』

「な、何で、く、くっついていらっしゃるんですか?!」


 そう、今俺は背中にレミルがくっついている状態で会話をしている。レミルのあれの感触が伝わってきて、少ししどろもどろになってしまう。


『だって主様が言ったのではないですか。自分の思いのままにやってみれば良いと。
 ですから私は、そうしているのです』

「い、いや……だから、何でそうなった?!」

『まぁまぁ良いじゃないですか』

「良くなーい!」


 この甘い時間は、次の非リアが来るまで続いていた(つまりすぐ終わった)。



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