AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します
01-20 初めてのポーション作り
冒険者ギルドにある生産スペース。
ギルドの土地内とはいえ建物の外にあるそこには、鍛冶用の炉や木工用の材木、ファンタジー感のある物で例えるのならば、魔方陣の描かれた鍋や釜が置かれている。
……逆に、現実っぽいものを上げるなら、たぶん(耕作)用の土壌が用意されているぞ。
使用料一時間五〇〇Y。
公共施設のため、いろいろなプレイヤーが各々選択した生産スキルのレベリング活動を頑張っている。
……鎧を着けた男性が必死に裁縫をしているシーンは、なかなかにシュールだが。
今回、俺もそうした目的のためにこの場に金を払ってやって来た。
生産に関する職人さんとのコネを持っているなら別だが、ほぼすべてのプレイヤーがここに来ているけどな。
錬金士は錬金、調合士は調合に関する生産活動を行うことでレベルが上がる。
それぞれの生産活動に必要そうな物を東と北のエリアから集めて来ているので、それが尽きるまでは生産をする気だ。
お蔭様で(中級採取)のレベルが鰻登り。
レア素材で生産職のレベルアップも間違いなしだ。
「ま、それは置いておくとして、さっそく生産をしようか」
今回使うスキルはこれ――
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武術
【武芸百般Lv1】
魔法
【統属魔法Lv1】
身体
(冥想Lv40)(精密操作Lv45)
技能
(錬金Lv2)(調合Lv2)(二刀流Lv45)
(上級鑑定Lv1)(上級隠蔽Lv1)
特殊
(錬金の心得Lv1)(調合の心得Lv1){感情Lv5}
(思われし者Lv20)(全武術適正・微Lv20)
(全魔法適正・微Lv20)(全身体適正・微Lv20)
(全技能適正・微Lv20)(初心者の可能性Lv-)
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専用の枠は変更できないので、武術は防衛用に入れておいた。
欲深に詰め込み過ぎたせいか、他にも入れておきたかったスキルが入らなくなったんだが……まあ、気にしない。
それから錬金に関するアイテムが置かれた場所に向かい、まず錬金士のレベルを上げ初めていった。
それから数十分後、用意された生産用の道具の中でも最も小さい物を借りパクして大量にアイテムを生み出していた。
ほとんどのプレイヤーは、失敗を厭わずに経験値の入りやすいアイテムを大量に作ろうとしているので、俺のような奴はこの場でも極少数。
入れ代わり立ち代わりが激しいので、誰も俺に注目はしていないだろう。
「……これで百個。だいぶ溜まったな」
出来上がったアイテムを、“空間収納”で生み出した穴の中に入れておく。
インベントリの中だと死に戻った際、アイテムが消失する可能性があると聞いたことがあるのでこっちに仕舞うようにした。
「さて、それじゃあまた最初から作るか」
その生産に対応するスキルを持つ者は、頭の中にレシピのイメージが浮かぶ。
レベルが高ければ高いほど、高難易度のレシピが浮かぶようになる。
中でも、もっとも簡単に作れるアイテムの作り方……それがこれだ――
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錬金編 魔力水(魔力が大量に含まれた水)
1:釜に水を入れる
2:釜に刻まれた魔方陣に魔力を籠める
3:魔力水の完成
調合編 傷薬(塗るとHP回復・擦り傷治癒)
1:すり鉢に薬草を入れる
2:ペースト状になるまですり潰す
3:傷薬の完成
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どうだ、適当だろ?
これはあくまで、アイテムとして成立する作り方。
高品質の物を作りたければ、より丁寧な作業が必要となるから注意が必要だ。
そしてこれらもまた、高難易度のアイテムの素材となっていくのだ。
だいぶレベルも上がり、そうしたレシピも大量に浮かぶ。
工夫も何もない、ただ基本中の基本しか分からないレシピだが……まあ、適当にやってみれば何かできるか。
◆ □ ◆ □ ◆
なんてことはない。
それは、ただ顔を隠したプレイヤーがポーションを作っているだけの光景だ。
だがそれらを鑑定してみると――その異常性がすぐに理解させられる。
プレイヤーたちの(鑑定)はまだあまりLvが高くなかったため、製作者は確認できなかったが……それでも、ポーションのランクは確認できた。
初めのうちに作られた物は、自分たちより低いランクであった。
このときはまだ、初心者が行う普通の生産である。
二つ目に作られた物は、自分たちの作った物と同等のランクであった。
これを視て、そのプレイヤー達は若干の違和感を感じる。
三つ目に作られた物は、明らかにランクの高い、それも店売りのされていないような代物であった……何もしていないはずである。
それは作業工程を見ていた彼ら自身がよく知っていた。
よくある主人公のような一手間を加えられた様子は無い。
なのに、その者によって次々と作られていくポーションは、着々と品質を上げ……ついにはランクAへと到達する。
それは、まだプレイヤーの中では誰も見たことのなかったランクだ。
知識では知っていたが、実物を拝んだことはなかった。
ランクが高いものになっていくと、出来上がる確率は低くなっていく。
ランクAともなると、人生の大半をその生産活動へと費やした職人が、生涯に十回出せるかどうかというほどの代物だ。
もちろん、それを今のプレイヤーたちはまだ知る由はない。
その真実を知るのは……かなり先の話である。
◆ □ ◆ □ ◆
俺は主人公のような一工夫は入れられないため、こういった物しか作れなかった――
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HPポーション 製作者:メルス
ランク:A
説明:HPを90程回復する
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説明文に『程』と書かれているのは……たぶん、個人差だろうな。
魔力水と傷薬を合わせ、生み出すことに成功したこの『HPポーション』だが……まさかのランクAである。
どうやら、{感情}は生産にも効果があったみたいだ……というわけではなく、単純にレベルが上がりすぎた弊害である。
魔力水や傷薬なども安定して高品質が出せるようになったので、高すぎる生産補正がこのような結果を生み出したのだろう。
あと、このポーションの回復量は――(素のポーションの回復量)+(ランクボーナス)計算される。
ランクボーナスはそれぞれ――
S →100%
A+→90%
A →80%
A-→75%
B+→70%
B →65%
B-→60%
C+→55%
C →50%
C-→45%
D+→40%
D →35%
D-→30%
E+→25%
E →20%
E-→15%
F+→10%
F →5%
F-→0%
となっている。
……最後ら辺だけ10%刻みに変更されているんだが、そこにはツッコむべきなんだろうか。
つまり今回は、(50)+(40)で90という数値が算出されるのだ。
補正値が半端ないと思うが、どれだけ素材の品質を保てているか……などと考えれば強ち間違ってないのかもな。
閑話休題
さて、問題はそこじゃない。
今までの経験から分かると思うが、今回もまたレベルMAXだ。
生産活動でも経験値が手に入り、種族の方までレベルアップするとは驚きだ。
……後で考えてみれば、そうしないと生産職の奴が進化できなくなると納得したけど。
「しかも、格納されるから枠が二つ空く。こういう地味な部分も、意外と壊れてるな」
毒ポーション(毒発生率80%)を口に含みながら……呟く。
生産職専用の枠に、今回『錬金士』と『調合士』を格納した結果【初心者】を入れれるようになる。
これで俺は枠すべてに、戦闘職を入れることが可能になったわけだ。
そして今、北の素材で生み出した状態異常ポーションもAランク級になったので、飲みまくって後から(異常激減)のレベリングの最中である。
{感情}の影響ですぐに治ってしまうが、それでもレベルを上げれているから、まあよしとしよう。
「……またいろいろと作ったなー」
そろそろ時間も終わるし、今日はこの辺で止めるか。
そう思って生産スペースから出た俺は、ログアウトを押して現実へと帰還した。
◆ □ ◆ □ ◆
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ステータス
名前:メルス (男)
種族:【天魔】Lv24
職業:【初心者】Lv24・召喚士Lv15・剣士Lv1・錬金士Lv30 MAX・調合士Lv30 MAX
HP:740→800
MP:800
AP:790→800
ATK:103→105
VIT:100→105
AGI:98→105
DEX:103→105
LUC:98→111
BP:0→36→0
スキルリスト
武術
変化なし
魔法
【元素魔法Lv4】
身体
(精密操作Lv50)(異常激減Lv18)
技能
(中級採取Lv20)(上級鑑定Lv8)(上級隠蔽Lv8)
NEW
(錬金Lv30)→(中級錬金Lv1:8[10-2])
(調合Lv30)→(中級調合Lv1:8[10-2])
(二刀流Lv50)→(並列行動Lv1:8[10-2])
特殊
(思われし者Lv24){感情Lv6}
(全武器適正・微Lv24)(全魔法適正・微Lv24)
(全身体適正・微Lv24)(全技能適正・微Lv24)
(初心者の可能性Lv-)
\(錬金の心得Lv30)MAX(調合の心得Lv30)MAX
SP:129
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