我が家の床下で築くハーレム王国

りょう

第85話家族と(自主規制)な本

 それから数時間後、気持ちをようやく落ち着かせる事ができた俺は改めてハナティアと一緒に両親に挨拶する事にした。

「翔平、ごめんね。私達も決してあなたを騙したいとかそんなつもりはなかったの」

「もういいよ母さん。俺だっていつまでも子供じゃないから、気持ちの整理くらいはできてるよ。まあ、まだ少しだけ受け入れられてないけど」

 叶さんとの話もあったせいか、色々な情報が混同していてまだ少しだけ混乱はしている。だけど、それをいつまでもウジウジしているほど俺も子供ではない。

「父さん、俺はやっぱりハナティアと結婚する以外に考えられないんだ。まだ父さんの言う覚悟ができたとはハッキリとは言えないけど、それでも俺は決めたんだ。ハナティアと一緒に人生を共にするって」

「翔平君を私にください!」

 俺の言葉に続けてハナティアが言う。こういうのはやはり俺が言うべきセリフなのだけど、いつかその機会が来ればいいかなとは思っている。

「翔平、お前のその言葉に嘘はないのか?」

「ない! 俺の父さんと母さんのような事がこの先起きたとしても、俺は絶対にこの国を、ハナティアを守るって決めたんだ」

「まだその言葉に少し本気が伝わらないが、その本気が今後伝わってくるのを願うよ」

「え? ……じゃあ」

「どうせ反対し続けても諦めるつもりなんてなかったんだろ? だからあの話も聞こうとした。そうじゃないのか?」

「まあそうだけど」

「なら、それでいい」

 父さんはその言葉だけ残して自室へと向かってしまった。結局父さんが何を言ったのか理解はできなかったが、俺とハナティアの結婚を承諾してくれたらしい。

「よかったわね二人共。しばらく会えないのは寂しいけど、いつでも家に帰ってきなさいよ」

「母さん……。分かってるよ」

「次翔平が帰ってくる時は、私が翔平を国を追い出した時になるよねきっと」

「なんでそういう事を言うかなお前は!」

「本当仲良しなのね、二人共」

 こうして我が家での一つの事件は幕を閉じた。

 地上を離れるまで残り一週間。

 俺にとってとても貴重な七日間が、いよいよ始まる。

 ■□■□■□
 翌日、トリナディアへと戻ってきた俺は、朝から色々と忙しかった。

「もう、どれだけ荷物持ってくるのよ」

「仕方ないだろ。どれも貴重なものばかりなんだから」

「じゃあこのピーな本も?」

「待った! どこからそれ見つけた」

「ベッドの下から。本当分かりやすよね翔平って」

 理由は俺の家の家具類をトリナディアの自室へ移動するため。以前は勝手にサクヤが引っ越しさせていたが、ほとんどの物を一度家に奪還したので、改めて一からの引越し作業となった。
 その途中でハナティアが勝手に、(自主規制)な本を見つけたのである。

「へえ、翔平ってこんな女の子とかに興味あるんだ」

 しかも勝手に読んでいるし。

「ち、違う、そうじゃないんだ! 俺は決して」

「私もいつかは頑張れば」

「え?」

「え?」

 ハナティアさん、それは少々難しいかと。主に首から下にある部位とかで。

 ビリビリ

「わー、待った! 俺が悪かった! 俺が悪かったから無言で破らないでくれ! それすごい怖いから!」

 結局俺のお宝達は、ハナティア様の手によって灰と化したのでした。


 午前中から始めた引越し作業も、夕方になる頃に大体のものの引越しが終わり、あとは残りの日数を過ごせる分の簡単なものしか置いていいない。

「俺のお宝ぁ」

「いつまで嘆いているのよ馬鹿!」

「だって、全部燃やすことないだろ」

「隠しているから悪いのよ! 今度それ見つけたら、浮気とみなすからね!」

「見つけるも何も、もうどこにも残ってないぞ」

「あ、本じゃなくてもビデオとか」

「マジで勘弁してください!」

 無事(?)引越し作業も終わり、残された時間は残り五日。本当は色々出かけたい場所があったけど、もう時間もないだろうし難しい。

「なら明後日から一泊二日でお二人で旅行に行かれてはどうですか?」

 その事をサクヤに話すと、意外な答えが返ってきた。

「え? でも明後日からだと残された時間も少ないだろうし、準備とかもあるんじゃないのか?」

「ハナティア様にとってある意味では地上での最後の思い出になります。是非連れて行ってもらえないでしょうか?」

「そこまで頼まれたら……」

 前に約束もしていたし、最後の思い出としてはいいかもしれない。正志達には少し申し訳ないけど、二人がかりでの約束でもあるからこれは果たしたい。

「旅行? 明後日から?」

「サクヤが提案してくれてさ。折角だから泊まりで二人きりでどこかへ行かないか?

「でもいいの? 翔平お金とかは」

「心配するなって。お金はコツコツ貯金してきたし、地下に行ったらまず使う機会が減るしさ。それでどこへ行ってみたい?」

「うーん……。私が行きたいのは」

 しばらく考え込むハナティア。そしてしばらくした後に彼女が出した答えは、

「海!」

「海?!」

 この九月も半分経とうとしているこの時期にか?


 二日後、

「わーい、海だ!」

「あまりはしゃいで怪我とかするなよな」

 ハナティアと二人きりで、地上での最後の旅行が始まった。
 この二日間は、俺にとっている忘れられない旅行になる事になる。

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