東方魔人黙示録外伝【異世界のドッペルゲンガー】

怠惰のあるま

一日目その三・・・入学式

自分のクラスに着いたアルマは知り合いが結構いることに気付いた。

「知り合いがいるだけましかな・・・」
「そうだぜ?知り合いがいるだけましだ」
「私は知り合いじゃなくてもっと親しい仲になりたいなぁ?」

突然、後ろから声をかけられ振り向き、そこにいた人物の顔を見て俺はため息をする。

「はぁぁ...何言ってるの?勇儀さん」

この人は明星勇儀ーー幻想郷の星熊勇儀のドッペルゲンガーであるーーこの学校の三年生のはずである。
空手部の主将。ものすごく強い。この前、ナンパされたところを見たけど
「強くなってから来な!」
と言って追い返してた。怖い。

「何故いるの?」
「アルマが入学したって聞いたから会いに来た」
「帰れ」
「先輩への礼儀がわからないのかしら?」

勇儀が笑いながら指を鳴らした。

「勇儀先輩と会えて嬉しいですが入学式始まるから帰った方がいいと思ったんです!!」
「あら、嬉しいねえ?そうか。入学式もうすぐか。じゃあ、戻るかね。また後でな」

そう言って教室から出て行った。
こんなに疲労がたまる場所で五年過ごせと?死ねるね。

「はぁぁ...」
「相変わらずモテるのね?」
「ああ.........幽香さんじゃないか」
「あんたのどこがいいのかしら?」
「知らねえよ」

この毒舌少女は風見幽香ーー幻想郷の風見幽香のドッペルゲンガーであるーー毒舌すぎて悲しいです。めちゃくちゃ美人なのに。
意外に純情なところがある乙女でもある。

「あれ?いつ来たんだ幽香」
「さっき来たところよ」
「ん?リグルは一緒じゃないのか?」
「三日前に風邪を引いたから今日は休みよ」
「そうなのか。じゃあ、後でお見舞い行こうっと...」

リグルと言うのは風見リグルーー幻想郷のリグル・ナイトバクのドッペルゲンガーであるーー幽香の妹で同い年だが幽香より後に生まれたのである。幽香よりも幼い感じだが可愛い。
けれど、ボーイッシュなため女の子らしい格好をしない。中学の時も男物の制服を着用していた。あの時は違和感がなくて驚いたよ。

「でも、今はだいぶ元気よ?今日だって朝ご飯作ってたし。一応休ませたけど」
「......え?リグル作ってるの?」
「今週はね?一週間ずつ交代で当番を変えてるの」
「へぇ...リグルにあとで作って貰おう」
「私が作ってもいいのよ?」
「リグルのが食いたい」

その後、何故かリグルが大怪我をして学院に来たのはまだ先の話。

△▼△

入学式の時間となり体育館に入場した俺たちは八雲校長の祝辞を聞いている。

「えぇ...今年も春がうんたらかんたら」
(なんで、校長の話ってこんなに長いんだろう......)
(さあ?)

しかし、長ったらしい話は嫌いなので真後ろに座っている魔理沙と小声で話している。

(そういえば、校長の話の後って生徒会長の話だっけ?)
(確かそうだったはずだぜ)

ちなみに隣は幽香に座っている。しかも、熟睡中です。
アルマに寄りかかりながら眠る彼女は起きる気配がない。
あと並びは特に関係ないらしい校長は適当である。

「スー・・・スー・・・」
(何故こいつは堂々と寝れるのだろう)
(幽香だから仕方ないぜ)
「ので、元気に生活できること願ってます。では終わります」

紫校長の話が終わり。生徒会長の話が始まったのだが...

「みなさんこんにちは。私は三年の博麗霊夢です」
(博麗霊夢って、確か博麗神社の巫女だっけ?)
(そうだぜ、すっごいボロいけど)

幻想郷同様博麗霊夢は、神社の巫女であった。相変わらず神社もボロいらしい。

「知っての通り私は神社の巫女をしています。故に一年生のみなさん......博麗神社にお賽銭を入れなさい!!」
(金の亡者かよ...)
「博麗会長?こっちに来なさい」

紫校長に博麗会長は連れてかれて入学式中に戻ってくることはなかった......
なんやかんやで、入学式は何事もなく?終わった。

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