殺人鬼の3怪人と不思議な少女
お昼の珍事
私は腹に繋がったチェーンを片手にアイスを舐める少女…捕獲対象の異常脳力者である『白緑』とテーブル席に座っている。
『もしもこのお姉さんが変な事をしたらこれを引っ張るんだよ?』
そう言って渡された黒田に渡されたチェーンを握る白緑。
私はそれがある限り能力も逃げることもできない。
捕獲対象者の手に掛かっているわけだ。
「…にしても、あの3人遅いわね。飲み物買うとか言って行ってから10分は掛かっているわよ」
「……」
「あーアイスも食べきっちゃうし、こりゃ探しに行ったほうがいいかもね」
「……」
「ところでー…びゃくろく?ちゃん、組織には戻ろうとは思わな…」
「や!」
何に言っても反応しないのに、拒絶だけは語気と表情を変え、強く意思表示を示す。
白緑の顔を見てフーッと溜め息を吐きながら、アイスの上の部分を食べきってコーンだけになったアイスをバリバリと食べる。
上手くいかない。
「おーい、買ってきたけど炭酸系で良かったよな?」
と、悩んでいた私の耳にあのバカの声が聞こえた。
見ると3人の男が紙コップに入ったジュースを両手に持って戻ってきた。
「炭酸好きだから良いよ」
そう言って彼らからジュースを貰って私はストローに口をつける。
私が先に飲むのが気に入らなかったのか葛原という男が睨みをきかせてくる。
が、他の2人は気にせずにテーブル席に座る。
さて、ここで黙々とジュースを飲んでいる私だが、やはり落ち着かない。
さっきから、いや朝の珍事から私に対する扱いは人質というよりただの友人のような接し方だ。
それよりも驚くのは、私や組織についての質問は朝以降は何も無しで、お昼ですら適当に好きなものを黙々と食べておしまいということだ。
と、私が腑に落ちずに悩みながらジュースを飲んでいると図体のでかい男、葉隠が私に聞いてきた。
「お前さん、あんまり素っ気ない態度を取らないでくれ。誰か1人がそういった態度を取るとさっきみたいに飯が喉を通りにくくなる」
「…日本語を聞き間違えたのかしら。今のは腹に異物つけられた人質に言うセリフじゃないけど、あなた頭おかしいんじゃないの?」
「ほら、そういった態度はやめてもらえるか。子供もいるんだからもう少しテンションを上げて…」
むかつく。
このなんでもなさそうな顔で諭されるとか本当に腹がたつ。
だから私はジュースをテーブルに置いて葉隠に向けて言った。
「だったら早くこの子渡しなさいよ。そうすれば私も笑顔になって本隊に帰れるんだし」
「…はぁ、しょうがない」
と、椅子に座っていた葉隠が立ち上がる。
黒田も葛原も、白緑もその身に纏う威圧感に気づいて顔を向けた。
私は、座ってただ縮こまっていた。
怖い。
私は最強のはずなのに、怖くて仕方ない。
目を逸らすこともできず、ただゴクリと生唾を飲んで何をされるかわからない恐怖に怯える。
と、そんな私の怯える姿に気にすることもなく彼は人差し指を上に向けた。
は?と思いながら私はその指の方向に顔を動かす。
天井。
何もない、照明があるだけだ。
他の三人も同じように天井を見ていた。
あの黒田と葛原でも分からない。
何を意味した行為な…。
「ここの三階にはゲームセンターがある。しかもいろんなゲーム台が置いてあって場所に似合わずデカイ」
「「「…は?」」」
「人質とかそういった緊張感を解す為にこのショッピングセンターの三階にあるゲーセンでみんなで遊ぶぞ」
「…いや何言ってんのお前?対人会話能力崩壊してんだけど、生首愛ですぎてぶっ壊れたか?なんで人質と遊ばなきゃなんねーんだよ」
ポカンとしていた3人…白緑はゲームセンター自体理解できていなかった…の中で先に意見したのは葛原だった。
確かに、葛原の言うことは正しくて至極当然その通りなのだが、お前も子供食う為に組織に喧嘩を売ったんだから同じ口だろ。
と私が葛原の評価でワロス曲線を描いていると葉隠がそんな彼に対して言う。
「俺たちは元々、白緑をあいつらに渡さないためだけにこのシュガーを人質に取っているだけだ。ならば待遇も良くしないといけないと思ってな」
「それとゲームセンターがどんな関係なの?」
黒田が不満げに言うのだが。
「論より証拠だ。実際にゲーセンで遊んでから実感しようぜ」
そう即答して、みんなに行こうと笑顔で上を指す。
頑なに言うものだから、他の2人も愚か私もそれに屈してしまう。
「それじゃ行こうか」
「だな。おい行くぞ」
「…はぁー」
2人が飲み干したジュースのカップを持って立ち上がり、そのまま葉隠に連れて行かれるように先に向かう。
と、黒田から伸びたチェーンを見て私は慌てる。
あれが限界まで行けば腹が裂かれる。
やばいと思って立ち上がる。
と、その時私の右手を誰かが握ってきた。
驚いてみると横で座っていた白緑だった。
私が不思議にその顔を見ていると、白緑は自分が私の手を握ったのに気づいたのかすぐに離した。
無意識だったのか、白緑は「しまった」と思う表情のまま私の顔を緑と白の両目で見ながら何も言わず。席を立って逃げるように葉隠達のところに向かう。
私はそんな子供を、ただ見ながら。
「…って先に行くんじゃないわよ!!」
ただ、焦り散らす。
『もしもこのお姉さんが変な事をしたらこれを引っ張るんだよ?』
そう言って渡された黒田に渡されたチェーンを握る白緑。
私はそれがある限り能力も逃げることもできない。
捕獲対象者の手に掛かっているわけだ。
「…にしても、あの3人遅いわね。飲み物買うとか言って行ってから10分は掛かっているわよ」
「……」
「あーアイスも食べきっちゃうし、こりゃ探しに行ったほうがいいかもね」
「……」
「ところでー…びゃくろく?ちゃん、組織には戻ろうとは思わな…」
「や!」
何に言っても反応しないのに、拒絶だけは語気と表情を変え、強く意思表示を示す。
白緑の顔を見てフーッと溜め息を吐きながら、アイスの上の部分を食べきってコーンだけになったアイスをバリバリと食べる。
上手くいかない。
「おーい、買ってきたけど炭酸系で良かったよな?」
と、悩んでいた私の耳にあのバカの声が聞こえた。
見ると3人の男が紙コップに入ったジュースを両手に持って戻ってきた。
「炭酸好きだから良いよ」
そう言って彼らからジュースを貰って私はストローに口をつける。
私が先に飲むのが気に入らなかったのか葛原という男が睨みをきかせてくる。
が、他の2人は気にせずにテーブル席に座る。
さて、ここで黙々とジュースを飲んでいる私だが、やはり落ち着かない。
さっきから、いや朝の珍事から私に対する扱いは人質というよりただの友人のような接し方だ。
それよりも驚くのは、私や組織についての質問は朝以降は何も無しで、お昼ですら適当に好きなものを黙々と食べておしまいということだ。
と、私が腑に落ちずに悩みながらジュースを飲んでいると図体のでかい男、葉隠が私に聞いてきた。
「お前さん、あんまり素っ気ない態度を取らないでくれ。誰か1人がそういった態度を取るとさっきみたいに飯が喉を通りにくくなる」
「…日本語を聞き間違えたのかしら。今のは腹に異物つけられた人質に言うセリフじゃないけど、あなた頭おかしいんじゃないの?」
「ほら、そういった態度はやめてもらえるか。子供もいるんだからもう少しテンションを上げて…」
むかつく。
このなんでもなさそうな顔で諭されるとか本当に腹がたつ。
だから私はジュースをテーブルに置いて葉隠に向けて言った。
「だったら早くこの子渡しなさいよ。そうすれば私も笑顔になって本隊に帰れるんだし」
「…はぁ、しょうがない」
と、椅子に座っていた葉隠が立ち上がる。
黒田も葛原も、白緑もその身に纏う威圧感に気づいて顔を向けた。
私は、座ってただ縮こまっていた。
怖い。
私は最強のはずなのに、怖くて仕方ない。
目を逸らすこともできず、ただゴクリと生唾を飲んで何をされるかわからない恐怖に怯える。
と、そんな私の怯える姿に気にすることもなく彼は人差し指を上に向けた。
は?と思いながら私はその指の方向に顔を動かす。
天井。
何もない、照明があるだけだ。
他の三人も同じように天井を見ていた。
あの黒田と葛原でも分からない。
何を意味した行為な…。
「ここの三階にはゲームセンターがある。しかもいろんなゲーム台が置いてあって場所に似合わずデカイ」
「「「…は?」」」
「人質とかそういった緊張感を解す為にこのショッピングセンターの三階にあるゲーセンでみんなで遊ぶぞ」
「…いや何言ってんのお前?対人会話能力崩壊してんだけど、生首愛ですぎてぶっ壊れたか?なんで人質と遊ばなきゃなんねーんだよ」
ポカンとしていた3人…白緑はゲームセンター自体理解できていなかった…の中で先に意見したのは葛原だった。
確かに、葛原の言うことは正しくて至極当然その通りなのだが、お前も子供食う為に組織に喧嘩を売ったんだから同じ口だろ。
と私が葛原の評価でワロス曲線を描いていると葉隠がそんな彼に対して言う。
「俺たちは元々、白緑をあいつらに渡さないためだけにこのシュガーを人質に取っているだけだ。ならば待遇も良くしないといけないと思ってな」
「それとゲームセンターがどんな関係なの?」
黒田が不満げに言うのだが。
「論より証拠だ。実際にゲーセンで遊んでから実感しようぜ」
そう即答して、みんなに行こうと笑顔で上を指す。
頑なに言うものだから、他の2人も愚か私もそれに屈してしまう。
「それじゃ行こうか」
「だな。おい行くぞ」
「…はぁー」
2人が飲み干したジュースのカップを持って立ち上がり、そのまま葉隠に連れて行かれるように先に向かう。
と、黒田から伸びたチェーンを見て私は慌てる。
あれが限界まで行けば腹が裂かれる。
やばいと思って立ち上がる。
と、その時私の右手を誰かが握ってきた。
驚いてみると横で座っていた白緑だった。
私が不思議にその顔を見ていると、白緑は自分が私の手を握ったのに気づいたのかすぐに離した。
無意識だったのか、白緑は「しまった」と思う表情のまま私の顔を緑と白の両目で見ながら何も言わず。席を立って逃げるように葉隠達のところに向かう。
私はそんな子供を、ただ見ながら。
「…って先に行くんじゃないわよ!!」
ただ、焦り散らす。
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