殺人鬼の3怪人と不思議な少女

鬼怒川 ますず

策謀

「緊急事態、第三者が『シュガー』を人質に対象と共に逃走。現在店内では警察へ通報する判断に出ましたがジャミングしますか?」

「すぐしろや馬鹿野郎、回線をこっちに繋いで5分以内に警察に模した別働隊を行かせろ。取り敢えず修復業者もダミー送って施工、すぐに痕跡を無くせ」

「了解、こちら本隊より下部へ。エラーコード032が発動した。現場に急行し速やかに対処せよ」

『スペースレンジャー』の言う通りに動く隊員。
それを横目に、彼はつまらなそうに車の天井を仰ぐ。
最高傑作の異常脳力者に酷似した女。
そう聞いていたのに、こんなヘマを起こした。
心の中で舌打ちをしてから、彼は違う人間にに通信を飛ばした。

「こちら本隊、本部お抱えの第1支援隊の隊長が人質に取られました。こっちとしてはあんたの指示がなきゃこれ以降の作戦に支障が出ます。作戦の指示を

『まったく、お前は本当にダメだな。私の考え無しでは動けないとは』

「お言葉ですけど、日本にいる最強よりも格落ちした雑魚を隊長にして寄越した本部が悪いんじゃねえのか?あんまり偉そうに言えねぇからなお前、もしアレも死んだりしたらお前だってタダじゃすまねぇぞ」

ドスが効いた声で話しかけたのを聞いて周囲にいる隊員が少しだが動揺する。
しかし、通信相手の『ストップ』は低く笑うとこう答える。

『いやはや、君は全く愚かだ。我々は世界を遍く『PDMT』だぞ、そんな初歩的な失敗などこの後続く利益の為だとは考えないのかね?』

「なんだと?」

『…ではこれから指示を出す、CEOからも承認されたお墨付きの今後の方針を』

そう言って説明し始めた。
聞いているうちに『スペースレンジャー』はみるみる顔が青ざめる。

「……マジで言ってんのか?」

ふと口からこぼした声に、『ストップ』は返す。

『もちろん、これも世界の混乱の為だ』

 

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