殺人鬼の3怪人と不思議な少女

鬼怒川 ますず

そりゃそうなる

私が見張りを行なっていた現地の部隊の隊員に誘導されながら『ゆ〜ず喫茶堂』とやらの前まで連れられる。

「地点J-4h56sにシュガーを配置、これより作戦を開始する」

『了解、シュガー聞こえるか』

私の耳につけたインカムからここの指揮官であるスペースレンジャーの声が聞こえたので、私は短く「はい」と返事する。

返事の後にスペースレンジャーは

『速やかに対象を連れ出せ』

ただそれだけ、何の捻りもない命令を告げる。
私は頷く。

「了解」

ここまで誘導した隊員が下がり、私は1人覚悟を決めて入店する。
服装、姿や容姿は旅行中の外国人だ。
髪は派手だが生まれた時からの金髪ショート、それ以外は普通の外国人。

紙しか入ってない大きな肩下げバックをわざと重いと思わせるように演技しながらカウンターに向かう。

「ぃらっしゃいませ〜〜」

「い、いらっしゃいました…」

「お一人様っすか〜?」

「はい…」

やる気のない日本語を真正面から言われたのは初めてだ。
礼節の国…の筈だけれど…。

私の想像した受け答え方とは違った店員に驚く。
だが私は怯まない。


「あ、ここって泊まれますヨネ? ワタシスコシ泊まりタイ、3hoursデセブンまでイタイ。ダイジョウブデスか?」

「えぇ大丈っぶっスよ」


よし、いけた!
私は内心小躍りしつつ、この植え付けられた言語機能に感謝する。
それまでだった。






「んじゃ会員証とかは初めてっすよね」

「…んんんん????な、何それ?」

「うぇ?いや会員証がないとウチはご利用出来ないっす。お客さん海外からの旅行客ですけどこれは規則ですので」

「待って、それ聞いてないんだけど」

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