(ドラゴン)メイド喫茶にようこそ! ~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~
鬼の少女と悪の組織・5
「何だ!」
シュテンは驚いて、ウラのほうを見るべく立ち上がる。そしてそのとき、うまい具合に俺の拘束が解けた。
ウラの背中を蹴り上げる誰か。ウラはもう動けなくなっていた。さっきのショックで気を失っているのだろうか……? まあ、そんなことはどうだっていいだろう。とにかく、今は俺の拘束が解けたことで、逃げることができるということだ。シュテンが離れていく、その隙にステージを後にする。
対して、ウラは漸く起き上がる。
「おう。起きたか。それにしても、まさか……テロリストは二人だけだったのか? だとしたら失望だな。まったくもってむかつく。私の作った食事をこんなテロリストに滅茶苦茶にされたのだからね」
そう言ったのは、まあ、何となく予想はついていたけれど、メリューさんだった。
それだけを見ると、メリューさんのほうがテロリストっぽいよ……。うん、言わないでおこう。あとで給料カットとか言われかねないし。
メリューさんの背後にはリーサが立っていた。成る程、あの爆発はリーサの魔法だったのか。それにしても威力がとんでもなかったが……。あとで修理費を請求とかされないだろうか。ちょいとそういうことばかり不安になってしまうのは、あの二人が登場した時点で蚊帳の外に追い出された感じが大きいからかもしれない。
メリューさんの独壇場はまだ続く。
「さてと……これはどう落とし前をつけてもらえるのかな?」
メリューさんが登場したことと、テロリストの片方を行動不能にさせたのを見て徐々に人質たちにも笑顔が戻ってくる。そりゃそうなるよな、笑顔が戻ってきてもおかしくはないと思う。だって、やっと希望がやってきた、って感じになるのだから。
シュテンはメリューさんをずっと見つめていた。
メリューさんは様子がおかしいことに気付いて、首を傾げる。
そして、メリューさんは静かに告げた。
「……何か言いたそうだな。もし言いたいことがあるのならば、話だけは聞いてあげましょうか。まあ、その後どうするかはもう知っているとは思うけれど」
メリューさん、ここでまさかの情状酌量?
いや、まあ、別にメリューさんがそういったのだから、そこにいる亜人全員は誰もかもそれに従うしかないのだけれど。
それを聞いたシュテンは小さく頷いて、そしてぽつぽつと話を始めた。
それは彼女とウラの物語。
けれど、決して楽しい物語ではない。物語というよりも追憶といったほうがいいかもしれない。
だけれど、その話を始めることに――誰も否定の声を上げることはなかった。
シュテンは驚いて、ウラのほうを見るべく立ち上がる。そしてそのとき、うまい具合に俺の拘束が解けた。
ウラの背中を蹴り上げる誰か。ウラはもう動けなくなっていた。さっきのショックで気を失っているのだろうか……? まあ、そんなことはどうだっていいだろう。とにかく、今は俺の拘束が解けたことで、逃げることができるということだ。シュテンが離れていく、その隙にステージを後にする。
対して、ウラは漸く起き上がる。
「おう。起きたか。それにしても、まさか……テロリストは二人だけだったのか? だとしたら失望だな。まったくもってむかつく。私の作った食事をこんなテロリストに滅茶苦茶にされたのだからね」
そう言ったのは、まあ、何となく予想はついていたけれど、メリューさんだった。
それだけを見ると、メリューさんのほうがテロリストっぽいよ……。うん、言わないでおこう。あとで給料カットとか言われかねないし。
メリューさんの背後にはリーサが立っていた。成る程、あの爆発はリーサの魔法だったのか。それにしても威力がとんでもなかったが……。あとで修理費を請求とかされないだろうか。ちょいとそういうことばかり不安になってしまうのは、あの二人が登場した時点で蚊帳の外に追い出された感じが大きいからかもしれない。
メリューさんの独壇場はまだ続く。
「さてと……これはどう落とし前をつけてもらえるのかな?」
メリューさんが登場したことと、テロリストの片方を行動不能にさせたのを見て徐々に人質たちにも笑顔が戻ってくる。そりゃそうなるよな、笑顔が戻ってきてもおかしくはないと思う。だって、やっと希望がやってきた、って感じになるのだから。
シュテンはメリューさんをずっと見つめていた。
メリューさんは様子がおかしいことに気付いて、首を傾げる。
そして、メリューさんは静かに告げた。
「……何か言いたそうだな。もし言いたいことがあるのならば、話だけは聞いてあげましょうか。まあ、その後どうするかはもう知っているとは思うけれど」
メリューさん、ここでまさかの情状酌量?
いや、まあ、別にメリューさんがそういったのだから、そこにいる亜人全員は誰もかもそれに従うしかないのだけれど。
それを聞いたシュテンは小さく頷いて、そしてぽつぽつと話を始めた。
それは彼女とウラの物語。
けれど、決して楽しい物語ではない。物語というよりも追憶といったほうがいいかもしれない。
だけれど、その話を始めることに――誰も否定の声を上げることはなかった。
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