(ドラゴン)メイド喫茶にようこそ! ~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~
名状しがたい邪神・中編
「……ところで、話をしてもかまわないだろうか?」
「話?」
唐突にそんなことを言い出したのだけれど、まあ、別にそれくらいしても構わないと思う。どうせまだ料理は出来ないだろうし。
「そう、昔話のようなものだよ。……あまりにも長くなってしまうから、少々簡単な話にはなってしまうだろうけれどね」
そういって、黄衣の王は話を始めた。
◇◇◇
確かに長い話だった。
いろいろあったのだけれど、簡単に説明をすると、この人は王様だったらしい。それもめちゃくちゃ大きい国の王様だった。けれど、結局のところ、その王国は滅んでしまった。まあ、滅ぶとか何か甚大なことが起きるとか、そういうことがない限り王様が旅をすることなんてできやしないから、大方そういうことかな、とは思っていたけれど、まさかそんなことだとは思いもしなかった。とはいえ、王様の話で気になったのは――正確に言えばその話の転換点となったのは、瑪瑙のアクセサリーを拾ったところだった。それを拾って装着したことによって国や王様自身の周りで不幸がやってきたのだという。しかしながら、それが原因ではないか、なんてことは解らなかった。まあ、当然といえば当然かもしれない。何で自分の周りに起きている事象がそのアクセサリーに一因があるなんて、思いもしないだろう。
そして、そのまま逃げるように旅をしていたところで――ここを見つけたのだという。
「……だから、君たちには大変助かっている。まさかこのような場所に……砂漠の中心に家があるなんて。しかもその家は中に入れば立派な喫茶店。もしかして、空間が歪んでいるのか……? うん、まあ、それはあまり考えないほうがいいだろうね」
「ここは憩いの場所ではありません。けれど、あなたはお客さんです。ですからあなたには私たちが持て成すことができますし、それを一生懸命させていただくつもりです。なぜなら……私たちは喫茶店の店員なのですから」
「ほい。ケイタ。お客さんに出してくれ」
ちょうどメリューさんがやってきたタイミングはその時だった。会話も切れかけていたので、ちょうどよかった。
俺はそれを受け取って、黄衣の王の前に置いた。
それはチャーハンの上に旗が刺さっている、とても変わった料理だった。それ以外にもハンバーグ、オムレツ、エビフライなど子供に大人気な料理が盛りだくさん。デザートにプリンまで用意されている。
俺はその料理を知っている。どのお店にもあるだろう、子供が大好きな料理。
そう、お子様ランチだ。お子様ランチが黄衣の王の前に置かれていた。
「話?」
唐突にそんなことを言い出したのだけれど、まあ、別にそれくらいしても構わないと思う。どうせまだ料理は出来ないだろうし。
「そう、昔話のようなものだよ。……あまりにも長くなってしまうから、少々簡単な話にはなってしまうだろうけれどね」
そういって、黄衣の王は話を始めた。
◇◇◇
確かに長い話だった。
いろいろあったのだけれど、簡単に説明をすると、この人は王様だったらしい。それもめちゃくちゃ大きい国の王様だった。けれど、結局のところ、その王国は滅んでしまった。まあ、滅ぶとか何か甚大なことが起きるとか、そういうことがない限り王様が旅をすることなんてできやしないから、大方そういうことかな、とは思っていたけれど、まさかそんなことだとは思いもしなかった。とはいえ、王様の話で気になったのは――正確に言えばその話の転換点となったのは、瑪瑙のアクセサリーを拾ったところだった。それを拾って装着したことによって国や王様自身の周りで不幸がやってきたのだという。しかしながら、それが原因ではないか、なんてことは解らなかった。まあ、当然といえば当然かもしれない。何で自分の周りに起きている事象がそのアクセサリーに一因があるなんて、思いもしないだろう。
そして、そのまま逃げるように旅をしていたところで――ここを見つけたのだという。
「……だから、君たちには大変助かっている。まさかこのような場所に……砂漠の中心に家があるなんて。しかもその家は中に入れば立派な喫茶店。もしかして、空間が歪んでいるのか……? うん、まあ、それはあまり考えないほうがいいだろうね」
「ここは憩いの場所ではありません。けれど、あなたはお客さんです。ですからあなたには私たちが持て成すことができますし、それを一生懸命させていただくつもりです。なぜなら……私たちは喫茶店の店員なのですから」
「ほい。ケイタ。お客さんに出してくれ」
ちょうどメリューさんがやってきたタイミングはその時だった。会話も切れかけていたので、ちょうどよかった。
俺はそれを受け取って、黄衣の王の前に置いた。
それはチャーハンの上に旗が刺さっている、とても変わった料理だった。それ以外にもハンバーグ、オムレツ、エビフライなど子供に大人気な料理が盛りだくさん。デザートにプリンまで用意されている。
俺はその料理を知っている。どのお店にもあるだろう、子供が大好きな料理。
そう、お子様ランチだ。お子様ランチが黄衣の王の前に置かれていた。
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