(ドラゴン)メイド喫茶にようこそ! ~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~
こころとからだの栄養補給・承
それを見たサラリーマンはビールをグラスに注いで、一口。
そしてそのままグラスに入ったビールを飲みほしてしまった。
「ああ、美味い。最高だな、このビール」
ちなみに、このビール瓶だがシールははがしてある。理由は単純明快、異世界のものを知られてはならないためだ。本来、このビールは異世界産のものであるため、このサラリーマンが飲むことはない。しかしながら、それを異世界産であると知られなければいいため、このようにシールをはがして対処しているというわけだ。
再びグラスにビールを注いで、今度はきんぴらごぼうを一口。
ニンジンがゴボウ以上に大きく切られているところがポイントであり、なおかつニンジン独特の匂いもそのまま残されている。普通ならばニンジンが嫌いな人間にとってはさっさと外してもらいたいポイントかもしれないが、メリューさんにとっては素材の味をそのまま楽しんでいただきたい、ということからそういう風に作られている。
とはいえ、メリューさんのお通しは毎日変わるし、メニューが明確にローテーションで決定しているわけではない。メリューさんが食べたいものがお通しになるので、火によっては一口大のハンバーグがお通しで出ることもある。その時はたいていのお客さんは大喜びするものだ。
そのきんぴらごぼうがメリューさんの提供するお通しの中ではかなり人を選ぶ――もちろんそれは味という意味ではなく使われている食材がかなり人を選ぶという意味であるのだが――つまりそのサラリーマンの反応も俺にとっては少々気がかりだったのだ。
しかし、サラリーマンはそのままニンジンを食べてそして噛み砕きながらそれをビールで流し込んだ。
「いやあ、美味いきんぴらだ。何というか、昔懐かしい、という感じがするよ。……ところでさっき言っていた、『食べたいものを出してくれる』というやつだっけ? 出来れば品数増やしてほしいなあ。何というか、一品で出すんじゃなくて、居酒屋のメニューみたく出してほしいってこと。解るかな?」
「かしこまりました。少々お待ちください」
そう言って俺が裏方に行こうとした、ちょうどその時だった。
「お待たせしました、一品目です」
メリューさんが皿を二つとソースの小瓶を手に持ってきた。
皿の上には揚げ物が幾つかと付け合わせの定番であるキャベツが乗っかっていた。もう一つの深皿には何も乗っていないところを見ると、どうやらそこにソースを入れる感じだろうか。
そしてテーブルに置いたそれを見て、俺はその揚げ物の正体が解った。
玉ねぎと豚肉、つくねを紫蘇で巻いたもの、レンコン、小さい卵にウインナー。
それには衣がついていて、すべて串に刺さっている。
そう、メリューさんが持ってきたものは串カツだったのだ。
そしてそのままグラスに入ったビールを飲みほしてしまった。
「ああ、美味い。最高だな、このビール」
ちなみに、このビール瓶だがシールははがしてある。理由は単純明快、異世界のものを知られてはならないためだ。本来、このビールは異世界産のものであるため、このサラリーマンが飲むことはない。しかしながら、それを異世界産であると知られなければいいため、このようにシールをはがして対処しているというわけだ。
再びグラスにビールを注いで、今度はきんぴらごぼうを一口。
ニンジンがゴボウ以上に大きく切られているところがポイントであり、なおかつニンジン独特の匂いもそのまま残されている。普通ならばニンジンが嫌いな人間にとってはさっさと外してもらいたいポイントかもしれないが、メリューさんにとっては素材の味をそのまま楽しんでいただきたい、ということからそういう風に作られている。
とはいえ、メリューさんのお通しは毎日変わるし、メニューが明確にローテーションで決定しているわけではない。メリューさんが食べたいものがお通しになるので、火によっては一口大のハンバーグがお通しで出ることもある。その時はたいていのお客さんは大喜びするものだ。
そのきんぴらごぼうがメリューさんの提供するお通しの中ではかなり人を選ぶ――もちろんそれは味という意味ではなく使われている食材がかなり人を選ぶという意味であるのだが――つまりそのサラリーマンの反応も俺にとっては少々気がかりだったのだ。
しかし、サラリーマンはそのままニンジンを食べてそして噛み砕きながらそれをビールで流し込んだ。
「いやあ、美味いきんぴらだ。何というか、昔懐かしい、という感じがするよ。……ところでさっき言っていた、『食べたいものを出してくれる』というやつだっけ? 出来れば品数増やしてほしいなあ。何というか、一品で出すんじゃなくて、居酒屋のメニューみたく出してほしいってこと。解るかな?」
「かしこまりました。少々お待ちください」
そう言って俺が裏方に行こうとした、ちょうどその時だった。
「お待たせしました、一品目です」
メリューさんが皿を二つとソースの小瓶を手に持ってきた。
皿の上には揚げ物が幾つかと付け合わせの定番であるキャベツが乗っかっていた。もう一つの深皿には何も乗っていないところを見ると、どうやらそこにソースを入れる感じだろうか。
そしてテーブルに置いたそれを見て、俺はその揚げ物の正体が解った。
玉ねぎと豚肉、つくねを紫蘇で巻いたもの、レンコン、小さい卵にウインナー。
それには衣がついていて、すべて串に刺さっている。
そう、メリューさんが持ってきたものは串カツだったのだ。
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