俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~

なぁ~やん♡

第二回 大都市「ニュドセア」

「あぁあっぁぁあぁ!!!」

身体ごとぐるぐる回りながら俺は落ちていく。

「こんなの聞いてなーい!」

俺、「現実」世界で悪いことしたっけ?原因不明に殺されていきついた先でも振り回されて……俺誰かの恨み買ったかな?
で、オレの姿が平凡な黒い髪の少年に変わっていくんだけどどうして?(元金髪)

『運営システムの希望で、平凡な少年に変えさせていただきましたー!』

あんだって?
……決まったな。これは異世界転移と異世界転生のミックスだ!こんなん初めて聞いたぞ?けど女じゃなくてよかった……。決まったな、彩。俺の勝ちだ。必ずしも中二病が勝てるわけではないのだ!わっはっは!
……あれ?
俺の視界が狭くなる。そして周りが暗い。どうしたんだろうと思いながら、俺の意識はなくなった。
それからどれくらいたったのだろう。

「……はて、ここは何処なんだ?」

目が覚めたら、草むらの向こうにいた。そして何やら事務員っぽい服を着ていた。……なんだ?俺今から面接いくのか?疑問を持ちながらも草をよけて歩いてみると目の前には大都市がひろがった。
がやがやとして、きらきらした世界。俺は昔の俺を、少しだけ思い出した。俺は不良で、母を泣かせてばかりいた。そして記憶喪失したんだ。きっとこれは、俺自身が、そして俺の家族たちが望んだ姿だったのだろう……。

『ここは大都市、ニュドセアでーす!』
「うわああ。」

脳内機械少女サテラのことを忘れていた。突然頭の中に響いてきた大きな声に俺は転んでしまった。幸いまだ完全に草むらから出ていないため、気づかれずに済んだ。

『ここは魔法が希少な大都市です。まぁ弱いので、魔物に狙われることもありますが、安心してください!ここの国王様はさいきょーですので!』
「……それ安全なのか?」

魔物無理だわ。なんか溶けてるスライムが出たら俺真っ先に死ぬわ。俺一応魔法ないし最初からだし五歳だぞ?

『ちなみに準人……いや、今はこの名前を使ってはいけませんでした。いいですか?私はもう一人召喚しました。だから人数はぴったりだと認識されます。今あなたのことがばれると、一応魔法を持っていないあなたはすぐに殺されてしまいますから。』
「たしか…リーゼルト・ルース、だったっけ?」

たしかあの小屋みたいなやつで説明されたような……。そこは曖昧だが名前だけはしっかり記憶の中に焼き付いている。たぶんサテラの魔法だろう。

『ではリーゼルト君!君のことを説明してあげよう!まず、君は魔法の「素質」はないが「才能」がないわけではない』
「は?」

初耳なんだけど…。できれば魔法がほしいな~。俺の脳内に勇者やら魔王やらをやっている自分がほんわりと出てくる。これはいわゆる「妄想」か。

『君は成長次第で盛大な能力を発揮することができる。私はあえて君を「天才」にも「劣等」にも「魔王に仕える」にもしなかった。「天才」にして育て上げれば世界に危機が及ぶ可能性がある。「劣等」にすれば我慢が悪い「元ヤン」のあなたの怒りが爆発すると同時に何かされると困りますし、「魔王に仕える」にするとうっかり魔王を倒しちゃってたくさんの悪魔を敵にまわしちゃったりしたら大変ですので』
「ホー」

それは大変だ……ってか俺、魔法つかえるようになる可能性があるってことなのか!?ってことはあの妄想が現実に……。
と俺はまた妄想を始める。

『妄想はよして。成長次第だと言ったでしょう。まず私はあなたに「初回ログインボーナス」を渡します。これから一か月、解放し続けてください。そうしてすべて開放するとそれは合体され「ギフト」になります。そしてそのギフトが解放されるときは、君の魔法能力が上がり、基本魔法は使えるようになりますが……簡単ではありませんし、第一、ギフトの能力じゃ魔王にも勇者にもなれません!あとなぜ良い人と悪い人両方になろうとするんですか♪』
「ナンダッテ……?」

めんどくさっ……!てかゲームの中じゃないんだから「ギフト」やら「ログインボーナス」やら言わないでくれ。ゲーム内転生と異世界転生と異世界転移のスリーミックスみたいになるじゃないかよ……てか妄想ばれてたし!!!まさか口に出しちゃったかな…?
話が長くなりそうで立っているのも嫌だったから芝生にドスンとすわった。

『では、まずあなたにログインボーナスをお渡ししますね。「初回ログインボーナス受け渡し!」』

光がまぶしい。手で目を覆ってからもう片方の手を出すと、小さな箱が手に乗っていた。

「おぉ~」

それと同時に光も収まった。俺が両手で箱を持って感心した。その箱はいかにもギフトって感じだった。形容がしにくいようなきれいな形。

『うん!では、私の「収納魔法」を貸してあげましょう。「ボックス!」と叫んでください。』
「ボックス!」

と叫ぶとオレのまわりに壁ができ、その壁には丸い模様が描かれていた。

『うん、良い出来栄え。まずその箱を一行目の丸にかざしてみて』
「それ!」

ふん!151cmの身長の俺じゃ160センチくらいの壁に届くのに苦労したなんて死んでも言わないからな!!!
俺が箱を丸にかざすと、箱が小さくなり丸の中にはいっていった。

「すっげぇ……」
『丸はちゃんと45日分あるよ♪それは私の魔法を貸してあげたものだから45日後には返してもらうよ』

あの…。待って。俺は固まった。恐る恐る聞いてみる。

「あの……45日って……?」
『あぁ、そこから説明しないとダメ?この都市は、平均で毎月が43~45日までになるよ♪』

……は?

――――――――――――なんだよその謎の世界!!!!そっか……ここ異世界か……。。。



――――――とある二つに分かれたひとつのトンネルだった。そこには……

彩:「準人、うまくやっているか?」
落下中でーす。
藍:「……どうして落下がこんなに長いのかしら」
こちらも落下中でーす……

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