異世界で教師⁈やらされました

田中 凪

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魔術競技際は学年の垣根を超えたトーナメント形式で行われるらしい。
つまり、実践や、実践に近い訓練をあまり受けていない1年生は不利なんだそう。まあ、このクラス3年だし、なんの問題もないよね。ただ、バ、ゲフンゲフン変な貴族が賄賂とか渡しててそれで負けて難癖つけてこないかな?そこがちょっと心配なんだよなぁ。
と、どこか他人事に思っていると、司会をしている学長が
アサ「さて、本戦を始める前に、教師同士のエキシビションマッチを始めるわよ!!」
ファッ?!?!
んなもん聞いてないですけど?!
アナ「今年はエキシビションマッチですか。学長の無茶振り今年はどれが来るかと思っていたら・・・」
レー「あはっ、他の先生達かわいそう」
ラム「全くです。大輝の圧勝に決まっているではないですか!なぜやらないとならんのですか!」
一同「なんでラムラナン先生 (おまえ)がいるんですか(だよ)?!」
ラム「おやおや、全員でツッコミとは団結力が高いようで、大輝、行きますよ」
え?俺参加するの?
ラム「学長以外の教師全員が拒否権なしなんですよ。まあ、学園の先生方の認識ではもう、大輝が1番強いってことにはなってるんだ」
大「つまりアレか、これは学園外に向けてのアピールってことだな。」
ラム「そういうことなのです。さ、行きますよ」
はぁ、だるいなぁ、あのままなにもおこらずずっと観戦できてればよかったのにな・・・

闘技場に立つと、ほとんどの先生方が手加減よろ!というような目で見てきた。
アサ「全員、準備はいいわね?それでは、はじめ!!」

・・・誰も動かない。いや、動けないのだ。そして、俺以外が倒れた。
ラム「な、なんだ、これ、体が、重、い」
開始された直後に大輝は【グラビティ】を発動しかかっている重力を3倍にしていた。
さすがに5倍とかにしたら体が潰れちまうだろうしな。
観客達は激しい闘いを期待していただけに、教師達を激しく罵倒する。
アサ「罵倒するのもいい加減にしなさい。腕のいい魔術師なら、なにが起きているかわかるわよね?」
その言葉に、王や貴族のお抱え魔術師達は闘技場に異様な魔力を放つ張本人を見つけ、次々に「バカげてる!こ、こんな魔法があってたまるか!」「な、なんだよ、これ、夢でも見てるのか?」「ひいぃぃぃぃぃ!くるな!こないでくれ!」などと混乱し、中には気絶する者まで出てきた。学長は魔法ができない、一般観客に説明をしていた。
アサ「闘技場内で、今立っている男の教師が新しい魔法を1回使ったの。そのせいで、この状況になっているわ。」
その解説を、よくわからない、といった表情で聞いていた。
アサ「よって、勝者は斉藤  大輝よ!」
とりあえず、といった拍手を受け魔法を解除してからその場を離れて生徒席へ戻った。

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