異世界で教師⁈やらされました

田中 凪

41

アナ「まさか先生が神器持ちだったなんて・・・」
私は、さっき見た鑑定結果を思い返しため息をつく。すると、モーガンが
モー「さっきの先生怖かったよね。」
アナ「しかたないわよ。神器なんて国が喉から手が出るほど欲しがる超兵器なのよ?」
そう、先生が神器を持っていて、それを誰にも話さないで欲しいと頼まれた(脅された)のだ。
大「いいか、このことは誰にも言うなよ?もし喋ったらお前らはとある川を渡る羽目になるからな。」
と、先生は普段、のほほんとした感じがあるのであんなに怖い顔をするなんて思いもしなかった。みんなもやはり、そのことを話していた。
ファ「でも〜、あれが神器って言われても特殊な力を持っているとは思えないよねぇ。」
クラスメイトのファリスはそう言った。
ファリスの言葉に男子たちは「そうだよ。」とか、「あの先生でもさすがにそこまででは・・・」と言っていたが、
アナ「あれはまずいなんてものじゃないわ。成長したら今ある神器の中で最も強くなるわ。」
私がそのことについて話そうとした瞬間、先生が教室に入ってきたので黙った。
大「〜というわけだから明日までに頼む。あ、アナはこのあと少し残っててくれ。」
・・・なぜだろう、ものすごく嫌な予感がする。
みんなが帰ったあと、私と先生は教室に残っていた。
大「さっき、俺の刀が成長とか言ってたよな?」
アナ「は、はい。そうですけど。」
大「詳しく聞かせてくれる?」
ふう、そのことかぁ、ビックリした。でも、なんで神器の所持者が知らないの?
アナ「それはいいんですけど、なんで神器の所持者が知らないんですか?」
大「いや、ね?鑑定したんだけどそんなの一切表示されなかったからさ。よくわからなかったんだよね。」
アナ「それは、きっと、って、え?作った?え?そんな訳ない、よね?」
大「それよりも・・・なんでみんなは帰ってないのかな?」
先生が扉を開けるとクラスのみんなが倒れこんできた。
モー「なんでばれたの?」
ラム「え、先生告白とかじゃ・・・」
大「なんでお前がいるんだ!」
その中に、なぜかラムラナン先生も混ざっていた。そして、大輝先生は思いっきり頭を叩いた・・・どこからか持ち出してきたハリセンで。
スパーン!
綺麗な音だった。って、そんなことよりも!
アナ「先生!どういうことですか!神器の特性がわからないことなんて、作りたてのタイミングしかないんですよ!」
大「そうだったのか。まあ、別に誰が作ったかは言わな・・・」
先生がみんなから睨まれたので渋々、といった感じで説明を始めた。
レー「先生が、じ、神器を?」
アナ「そ、そんな訳ないよね、ははっ、何かの間違いよね。」
誰か否定してください。誰か、そんなことはないと否定してください。
その時、学長が入ってきた。
アサ「大輝、全部話したのかしら?」
大「いえ、神器についてだけですよ。さすがに全部は話しませんよ。」
どうやら、先生は私達にまだ隠し事があるらしい。
アナ「が、学長、さすがに大輝先生が神器を作ったなんて嘘ですよね?」
アサ「いいえ、事実よ。」
学長のその言葉にみんなは倒れそうになった。
大「話を戻すとして、武器が成長するってどういうことだ?」
アナ「それがですね、モンスターって魔石があるじゃないですか。」
先生は知らなかったのか首をかしげる。
アナ「それで、その神器はどうやら魔石を吸収してそのモンスターのスキルまたはステータスを奪っているみたいなんです。」
全「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ??!!」
大輝以外の全ての人が驚愕の声を上げた。大輝はというと、
(知らない間にとんでもないものが作れてたなぁ。)
ぐらいにしか思っていなかった。
その後、学長からこのことは絶対に誰にも言わないように言われ(脅され)た。
学長は頭を抱えながら自分の部屋へ戻って行った。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品