死神始めました

田中 凪

第201話 出発

護衛依頼を受けた翌日、その依頼を出した商会に顔を出していた。
浩「2日後の商隊の護衛依頼を受けた浩太です。商隊長さんはいますか?」
店員さんは「少々お待ちください。」と言って奥に入っていった。しばらくしてでてきたのは・・・
レン「あら〜、どんな厳つい冒険者かと思えば、カワイイこじゃない。」
口調だけで言えば、女だと思うだろう。しかし、見た目や声の低さはまるっきり男のものだ。しかも、それなりに鍛えているのか、ガタイがいいし。つまるところ、ゴリマッチョなオネエだ。
浩「こ、今回の商隊のご、護衛依頼を受けた浩太です。よろしくお願いします。」
飛「お、おなじく、飛鳥です。」
レン「そんなに、緊張しなくてもいいのに。」
俺と飛鳥は心の中で、
(いや、緊張してるんじゃなくて怖いんだよ)
とツッコミを入れた。
レン「あ、アタシの名前はレンメル=フラッダートよ。よろしくね。」
浩「は、はい。よろしくお願いします。」
・・・それにしても、さっきから妙にムズムズするな。まあ、ムズムズするだけで害はないしいいや。
浩「他に護衛を受けた方はいないのですか?」
レン「いいえ、アタシの商会って、見ての通り小さいでしょ?だから、あの金額で2人雇うのでやっとなのよ。」
事情はわかったのだがな、クネクネしながら言うのやめようか。精神衛生上よろしくないし。
飛「え、じゃあ、もう少し下げればいいんじゃないですか?」
レン「それができればいいんだけど、護衛依頼の相場、というよりも通る場所が場所だから、どうしても高くなるのよ。それに、冒険者も魔物が多すぎて滅多なことでは通らないから。」
飛「じゃあ、ルートを変えればいいんじゃない?」
レン「あれが1番の近道なのよ。でも、魔物が多いから、高ランク冒険者を雇わないといけなくなっちゃうから、儲けはあまり変わらないのよねぇ。」
まぁ、それでもそのルートにこだわっているのは、時間を無駄にしないためと少しは多く儲かるからなのだろう。
浩「そういえば、俺たちを試さなくてもいいのか?」
レン「やーねえ、
こう見えても人を見る目だけは自信があるの。あなた達、それなりに実力はあるんでしょう?」
人を見る目、ねえ。
浩「レンメルさん、鑑定してたでしょ?」
だからと言ってどうもしないが。
レン「そんなわけないでしょ?そもそも、鑑定スキルは持ってないわ。」
え、まじか。
浩「そうでしたか。失礼しました。では、2日後に。」
レン「ええ、そうね。」

2日後、俺たちはギルドの前で集合し街の門を抜け、森の中へ入っていった。

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