死神始めました

田中 凪

第157話 キメラ

「そっちいったぞ!アレミト!」
「わかってる!炎よ敵を囲え、【ファイアウォール】!」
現在進行形で俺らはキメラと戦っている。腕が8本、獅子のような下半身人間の上半身、まるで阿修羅とケンタウロスを合体させたかのような魔物。ただ、違うのは何体もの魔物、人が合わさりグロテスクな見た目となっている。という事だろう。
「ゴガァァァアア!」
「グギャアァアアァ!」
様々な魔物の鳴き声が混ざった。
「っ!くるぞ!俺が受けるから全力を叩き込め!ただし、相手が死なない程度にな!」
「「「わかってる!」」」 
俺はキメラの真正面に立ちしばらく溜めた後の16回連続攻撃を受ける。ある腕は魔法で、またある腕は剣で、槍で、斧で、素手で。こいつに高い知能がなくてよかった。一応、【思考加速】のスキルはあるようだがそれは使っていない。つまりは、ただ前に立ちふさがる者を排除せよ。それしか言われてないのだろう。それが、決定的な弱点である。ってか、このスキル付けたやつ誰だよ。
「イッケエェエエ!【ライジングストーム】!」
「ハァアァア!【バーニング】!」
左側面に回り込んだアレミト、右側面に回り込んだ飛鳥は魔法を放つ。
「格の違いを教えましょう。【神弓の一撃】!」
後方に回り込んだマルトは神器と化した愛用の弓を放つ。
「ぎゅアァァァァァァァァアア!!」
「ガァァアァァア゛!」
「キャァァァァア!」
・・・最後に人の叫び声が聞こえた気がするがまあ、大丈夫だろう。近づいていくと俺らに対し頭を下げそのまま動かなかった。
「俺らに服従する気はあるか?」
「はい。」
っ!?なんだ!?今喋ったよな!?
周りを見るとアレミトたちもぽかんとしていた。そういえば、【人語理解】ってスキルがあったな。もしかしてそれか?いやいやいやいや、それだとしてもおかしいだろ!
とか思っていたら、次の瞬間キメラが光の粒となり一人の人間の形になっていく。そこに居たのは見た目は俺たちと変わらない綺麗な顔立ちの少女だった。そしてなぜか服を着ていた。うん、まあ、そっちのほうがいいんだけども。聞いてないよ!?俺、ステータスで【人化】とかみてないよ!?
「えっと、失礼ですがお名前と年齢を伺っても?」
つい取り乱して、そんなことを聞いてしまう。だが、少女の言った名前に俺たちは驚くこととなる。

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