死神始めました

田中 凪

第89話 本集めのハズが・・・

本の量が多すぎて集めるのが大変だな。そう愚痴をこぼしながら俺は帝国のとある町にやってきていた。この町で探しているのは、『歴代皇帝の名言集』と『歴代皇帝の偉業』である。誰がこんなの読むんだか・・・お、ここが本屋か。
「すみませーん。誰かいますか?」
「バカやろう!どこに謝りながら店に入る客がいるんだ!んで、何の用だ?さっさといいな。」
そう怒鳴りながら奥から現れたのは小太りで50〜60といった風貌のオヤジだ。
「あ、はい。えーと『歴代皇帝の名言集』と『歴代皇帝の偉業』って本が欲しいんですけど。」
「あんた変わってんな。こんなの読むやつほとんどいねぇぞ。まあ、二冊で40Gだな。」
この国ですら変わり者扱いかよ。
「じゃあこれで。」
「はい。まいどどうも。あんた、冒険者か?」
「そうですが、何か?」
「いや、実はな俺そろそろこの国から出ようかと思ってるんだが、ななかなか出れなくて困ってんだよ。手伝ってくれないか?」
「なぜ出ようと思ってるんですか?」
「だってよう。ここだと税金が高いし規則も厳しいんだ。こんな、老ぼれが暮らしていくにはかなり大変なんだ。俺だけじゃねぇ他の奴らも機会をうかがってんだ。」
「わかりました。お引き受けいたしましょう。他の亡命志願者の方にも伝えてください。今日の夜12の刻の時にお迎えにあがります。と」
「い、いいのか?!しかも他のみんなもか?!どうやって逃げる気だ?」
「ただ、自分の家で寝ているだけで大丈夫ですよ。俺は移転魔法が使えるので。」
「そ、そうか心強いな。わかったみんなに伝えておこう。信じないやつもいるだろうが俺はあんたを信用するぜ。そして、これが信用の証だ。」
と、行ってオヤジさんは紙を投げた。
「これは?」
「亡命志願者のリストだ。一応な。」
「では、約束通りお迎えにあがります。」
「ああ、頼んだ。」
そして、俺は店を出た。
はぁ、大変な事に首を突っ込んでしまった。だが商人たちが増えるのはいいことだ。本屋のオヤジさんに、図書館の管理でも任せるか。本のことならその道のプロに任せるといい。と言うしな。別の本屋さんの人を雇わずに済んでよかった。
そう思いながら、今夜のための準備をする。

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