魔法陣を描いたら転生~龍の森出身の規格外魔術師~

黒眼鏡 洸

13 セレーナちゃん

 今日は、お母さんと一緒にラルージュさんの家にお邪魔している。

 ラルージュさんの家は、我が家の2~3倍はあると思われる。

 わぁー、ひろーい。ぼくも、こんな家にすんでみたいなぁー。っはい! 切り替えまして……。

「アーテルちゃん、ユーリくん、来てくれたのねぇー。さぁさぁ、はいって」

「はい。今日は、お招きありがとうございます」

「いいのよぉ、わたしからお願いしたんだもの。ユーリくん、今日はセレーナをよろしくねぇ」

「あーい!」

「ふふふ、ユーリくんはお利口さんねぇ」

 そ、そうかなぁー? もっとお利口さんになちゃおっかなぁー、なんて……。

「そうなんです。ユーリはいい子なんです!」

 お母さん、恥ずかしいから。最近、お母さんの親バカ化が進行している気がする……。





 ***





「キュウ、キュー!」 (ゆーりくん、あそぼ!)

「いいおー」

 俺は今、セレーナちゃんと一緒にいる。セレーナちゃんは青みを含んだ白、白縹しろはなだ色をした可愛らしい子龍だ。もちろん女の子である。

 俺と同じ1才で大きさは、さほど変わらない。眼は透き通った青、キラキラとした無垢な目をしている。思わず見つめてしまう。

「キューウ?」 (どうちたの?)

 セレーナちゃんは首をかしげる。そのしぐさからは小動物のような愛らしさを思わせ、保護欲を掻き立てる。

 俺は己の欲望に負け我慢できず、セレーナちゃんの頭を撫でてしまう。

「キュウゥー」 (わぁーい)

 セレーナちゃんは目を細め、気持ちよさそうにしている。翼をだらりとのばし、完全に俺に気を許しているらしい。

 か、かわいい。うちの子にならないかなぁー。そしたら俺の妹? ありだな。

「あらあら、セレーナったらすっかりユーリくんに懐いちゃって。うふふ」

「子供どうし、何か通じるところがあるのかもしれませんね」

「そうねぇ。わたしはユーリくんがセレーナと仲良くしてくれてうれしいわぁ。ありがとうねぇ」

「せえーなちゃん、いいこだおー」

「キュウ、キューウ!」 (ゆーりくん、しゅきー!)

 ……ぐふっ!? 何という破壊力! 決めた。セレーナちゃんは何があっても、俺が守る!

「まぁー、ふふふ」 「せ、セレーナちゃん!?」

 そういえば、俺は何でセレーナちゃんの言っていることがわかるんだろう? 完全に龍の鳴き声だよなぁ。これも『龍神の加護』の力なのか? 万能すぎる『龍神の加護』!

 ありがたやー、ありがたやー。

 こんなすごい力を与えてくださる龍神様とはいったい……じっ様の家の書物に書いてあるかなぁー。今度、詳しく調べてみよ。

「キュー、キュウキュウ」 (ゆーりくん、あそぼ、あそぼ)

「うん、あそぼー!」

 今はセレーナちゃんと思う存分、遊ぶとしよう!

「キューウ!」 (わぁーい!)





 セレーナちゃんと俺の遊びは、疲れて寝るまで続いたのであった。『セレーナの好感度が20上昇しました』……なんちゃってね。





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