日本円でダンジョン運営

sterl

我ら蚊帳の外組

「はあ。相変わらず汚いやり方なのじゃ」

「多少汚いのは認めるさ。これがボクの力だからね」

 サンがあきれた様子で無傷のマルを出迎えた。

「あっしの創った要塞が……」

「親父!落ち込まないでほしいべ。元はと言えばおらたちが精神を乗っ取られちまったのが悪いんべ」

「徹夜で創ったのに……。使ったら負けても良かったんや……」

「負けたのがそんなに悔しかったんならみんなで励ますべ!さ、親父。おらたちの村に帰るべ」

 地面に崩れ落ちたワルドに、名は知らぬよく見知った巨人が的が外れた励ましをしている。

「そういえば、次はお前だろう?勝ち上がって貰わなければ、ちゃんと力を比べられない。大丈夫だろうな?」

「問題ないのじゃ!むしろ、負ける気がしないのじゃ!」

「ふん。まあ、負けてもお前がその程度だったということだから、別にいいけどね」

 ――シュゥゥ

 イヴを気にせずにマルとサンが話を進めている。ちなみにイヴはイヴィルゴッドスライムのことだ。イゴスでも良かったが、流石にそれはダサい。

「イヴ、お菓子食べるか?」

 ――シュァア

 この頃イヴが知性を持ち始めたような気がする。なんてことを考えながらイヴとお菓子を食べ、喧嘩へと発展した口論を眺めていた。

「日本円でダンジョン運営」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く