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side ライオス・アリア・ヴォルドー part 13

「大丈夫か?」

「む、ぐうぅ」

 体の節々が痛む。ここは……。ダンジョンの入り口、か?

「服がボロボロだが、どうしたんだ?」

「貴様、は?」

 この男……只者ではないな。

「俺か?俺はナーダルだ。とりあえず、その傷じゃキツいだろう。街まで行くぞ。肩に掴まれ」

 ナーダルという男は、背を向けてしゃがんだ。

「いや、大丈夫だ。一人で歩ける」

 我は膝をつき立ち上がった。体中に痛みが走るが、問題はない。むしろ、不思議な力が湧き上がってくるようだ

「すごいな。そんな傷で動けるのかよ。まあ、心配だから街まではついていくぞ」

「ああ。感謝する」

 不思議と心が落ち着いている。本当は今すぐにでもあのタコの化物にリベンジしたい。筈なのに、心が落ち着き、街へ戻ることを促す。

「不思議なものだな」

「なんだ、いきなり?」

「なんでもない」

 そう、難でも無いのだ。然るときに挑めば、あのタコの化物も、難ではない。




 その後街へ戻り、ドルフと合流した。ドルフに持ってこさせていた能力の天版に、新たに獣神王の加護という文字が刻まれていた。

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