日本円でダンジョン運営

sterl

久しぶりのナーダル

「はあ、もう獣王ライオスを撃退したんだな。いくらなんでも早すぎるだろ」

「思ってたより弱かったですよ。55階層の守護者が一撃で倒しました」

 一人で歩いているナーダルと街で遭遇し、前も使ったスラムの古民家に来ていた。今はちょうどダンジョンでの一部始終を報告したところである。

「55階層の守護者。獣王を一撃で倒せる程のモンスターか。それこそ邪神の眷属と同等だな。なんて名前のモンスターなんだ?」

 邪神の眷属と同等か。確かにあの見た目ではそう言われても納得できる。むしろ邪神そのもののように見える。

「確かクトゥルフという名前だったかと」

「なんだそれは?聞いたことないな。まあいいか。とりあえず危険度Zじゃ収まらなさそうなダンジョンだってことはわかった」

 危険度Z、確か放って置けば世界が滅びるレベルだったはずだ。それ以上とは、心外な。

「まあ、ダンジョン前に放置されてる獣王は俺がなんとかしておく。お前は自由にダンジョン経営でもしててくれ」

「自由にと言われてもできることは」

 ダンジョンの拡張しかない。

「まあそういうな。明日から忙しいぞ?人が来れば修正すべき点なんていくらでも見つかるからな」

「そういうものでしょうか」

「そういうもんだ。親から聞いた話だがな。それじゃ、俺はもう行くぜ。早くしないと仲間に怒られる」

 そう言うと、ナーダルは急いで古民家から出ていった。

「待ち合わせ場所に向かう途中だったのか?」

「ワン」

「日本円でダンジョン運営」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く