日本円でダンジョン運営

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side ライオス・アリア・ヴォルドー part 4

 本来の予定より2日早くアレオスの街に着いた我は、アレオスのギルドに来ていた。表口から入ったのでは受付を通すのが面倒であるため、予め教えてもらっていた裏口から入る。

 この裏口はギルドマスター室に直接繋がる隠された入口だ。本来そのような入口は作らないのだが、おじさんが勝手にやっておるだけだ。ならば我も勝手に使うだけである。

 裏口から隠し通路に入り通路の先のギルドマスター室を覗くと、おじさんが事務作業をしていた。なんと珍しい。おじさんが真面目に仕事をする姿など見たことが無かった。

「おじさん、来たぞ」

「うぉっと。なんだ、ライオスか。何の用だって、聞く必要もねぇか」

「うむ。獣神の混沌迷宮の場所を教えろ」

「伝書竜の通達は来てたが、それも昨日の深夜だ。どんだけ急いで来たんだよ。今早朝だぞ。まあ待ってろ。後で案内する」

「案内だと?獣神の混沌迷宮は近い場所にあるのか?」

 ならば朗報だ。ドルフが来るまでに全てを終わらせられる。

「ああ、近いも近い。鳥人の巣窟よりも近いぞ」

「それは本当か!?」

 鳥人の巣窟。ハーピーが多く生息するそのダンジョンは、この街から歩いて1時間の距離にある。我なら3分の距離だ。そこよりも近いというのか。

「ああ。だから待ってろ」

「うむ。了解した」

 ああ、楽しみだ。もうすぐ、もうすぐ我を越える獣神と殺り合える。そこにあるのは、生か死だ。

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