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side 羅勇士 三太 part 9
学者は洞窟の入口の壁に触れてなにやら呟いている。風を操って声を拾ってみると、
「――魔の物を生みだせし邪なりし力よ、我の呼び掛けに応えよ。かつて天地を創造し、大悪を生みだせし其の力を、今此処に讃えよう――」
全く意味が解らなかった。しかもこれで詠唱のほんの一部とか、やっぱり高位魔術は意味わかんねぇ。俺には風の使い手が似合ってるな。
考えるだけで腹立つ屑隊長はというと、
「なんで僕がこんな退屈な仕事なんだよ。王の考えは本当にわからない」
「隊長、言い過ぎると不敬罪で訴えられますよ」
「ここには僕たちしかいないだろ。あ、そういえば瘴気のこともわからない馬鹿なおじさんがいたな」
「聞こえてるぞ」
わざと聞こえるように大きな声で言ってやがる。
「おっと、失敬。これは失礼したね。ところで瘴気のことは教えてもらえたかい?」
「んなこたぁどうでもいいだろ」
「ふっ、それもそうですね」
……そういえばこいつのせいで有耶無耶になってたな。ちくしょう、してやられたか。
「うわぁああぁあ!」
「っ、どうした!」
学者を見ると、尻もちを付いて倒れているのが見えた。慌てて駆け寄ると、何かに怯えた様子の学者の表情が目に写る。
「どうかしましたか!」
「大変だ、もう終わりだ……。混沌迷宮が、混沌迷宮が復活してしまった!」
「こ、混沌迷宮だと……!?それは本当なのか!眉唾物だろ!?もし、本当なら、近い内に邪神が復活してしまうんだぞ!?」
学者の言葉を聞き、屑隊長が学者に詰め寄っている。
「混沌迷宮なんてっ、俺はこんなところにはいられんぞ!」
「おい待て!1人で行くな!俺も行く!」
騎士どもが騒ぎ始めたかと思うと、次々に街へ向かって一目散に走り出している。
……混沌迷宮って、一体なんだ……?
「――魔の物を生みだせし邪なりし力よ、我の呼び掛けに応えよ。かつて天地を創造し、大悪を生みだせし其の力を、今此処に讃えよう――」
全く意味が解らなかった。しかもこれで詠唱のほんの一部とか、やっぱり高位魔術は意味わかんねぇ。俺には風の使い手が似合ってるな。
考えるだけで腹立つ屑隊長はというと、
「なんで僕がこんな退屈な仕事なんだよ。王の考えは本当にわからない」
「隊長、言い過ぎると不敬罪で訴えられますよ」
「ここには僕たちしかいないだろ。あ、そういえば瘴気のこともわからない馬鹿なおじさんがいたな」
「聞こえてるぞ」
わざと聞こえるように大きな声で言ってやがる。
「おっと、失敬。これは失礼したね。ところで瘴気のことは教えてもらえたかい?」
「んなこたぁどうでもいいだろ」
「ふっ、それもそうですね」
……そういえばこいつのせいで有耶無耶になってたな。ちくしょう、してやられたか。
「うわぁああぁあ!」
「っ、どうした!」
学者を見ると、尻もちを付いて倒れているのが見えた。慌てて駆け寄ると、何かに怯えた様子の学者の表情が目に写る。
「どうかしましたか!」
「大変だ、もう終わりだ……。混沌迷宮が、混沌迷宮が復活してしまった!」
「こ、混沌迷宮だと……!?それは本当なのか!眉唾物だろ!?もし、本当なら、近い内に邪神が復活してしまうんだぞ!?」
学者の言葉を聞き、屑隊長が学者に詰め寄っている。
「混沌迷宮なんてっ、俺はこんなところにはいられんぞ!」
「おい待て!1人で行くな!俺も行く!」
騎士どもが騒ぎ始めたかと思うと、次々に街へ向かって一目散に走り出している。
……混沌迷宮って、一体なんだ……?
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