日本円でダンジョン運営

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音無し鬼畜モード

 一晩経って次の朝。今日は1日だらだらするつもりだったのだが、侵入者が来ているので監視をすることにした。
 ちなみにジョセフィーヌは100階層の広大な土地を使ってスキルを使う練習をしているようだ。先程少し見てみたのだが、巨大な影の竜を生み出し、それを灼熱の焔で撃ち抜いたりしていた。もうジョセフィーヌさえいればこのダンジョンは突破されないのではないだろうか?

 それはそうと、今回の侵入者はかなりの大所帯だ。
 騎士の鎧に身を包んだ兵士たちが30人ほど入口前で整列していた。先頭には隊長と思われる男がいて、いかにも賢者と言った服装の男とこの前のおじさんを交えてなにやら話している。これ映像で見れても音声は聞けないんだよな。そこが不便だ。

 しばらく話した後、賢者のような男が入口付近の壁に触れ、何かを唱え初めた。数秒後、賢者のような男が驚いた様子で尻もちを付いている。どうしたんだ?
 隊長とおじさんが賢者に駆け寄り、落ち着かせているようだ。そして、隊長も驚いた様子で尻もちを付いた。おじさんは仁王立ちをしたまま唖然としている。
 どうやらその言葉は兵士たちにも聞こえたらしく、どよめきが走っているのが解る。何人かの兵士は同じように尻もちを付いているし、半数以上が遠くに見える街に向かって走り出している。
 やがて兵士は1人を残していなくなり、その残った兵士も、おじさんとなにかに怯えた顔の隊長と真っ青な顔をした賢者と一緒に帰っていった。

 ……声が聞こえないとなにをしているのか全く解らないな。本当になにがあった。

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