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光の縛鎖

 もはや目測では大きさを測れないオレイノスタナトスと、鋭い圧力を持った光を放つジョセフィーヌ。両者の睨み合いが続いていた。
 その均衡を先に破ったのはオレイノスタナトスだった。

「コオオォオォオ」

 澄み渡るような、涼しげな音が鳴り響く。オレイノスタナトスを見ると、口の周りの霧ごと空気を吸い込んでいるようだ。
 そして、オレイノスタナトスの目が光った次の瞬間、水色のレーザーがその口から放たれた。

 ズシャァアアァアッ!

 そのレーザーが当たるその寸前、薄い円錐型の光のバリアがジョセフィーヌを中心に表れた。その光のバリアは、水色のレーザーを全て弾き散らした。
 辺りに散らばったレーザーは、触れた物全てを真っ白に凍てつかせていた。これ、直撃したら死は免れないな。

 オレイノスタナトスがレーザーを吐き終わると、光のバリアが消えた。周囲は一面銀世界である。

 オレイノスタナトスが動きを止めてもジョセフィーヌは何もしない。ジョセフィーヌのことだからなにかあるんだろうけど、少し心配だな。

「コオオォオォォォォオオ」

 再びオレイノスタナトスが空気を吸い込み始めた。しかも今度はタメが長い。それでも、ジョセフィーヌはなにもしない。

 そして凍結レーザーが放たれた。しかし、その凍結レーザーがこちらに向かってくることはなかった。天に向かって放たれたのである。
 オレイノスタナトスは、顔を空に向けた状態で硬直していた。よく見ると、全身を光の茨が縛り上げている。言わずもがな、ジョセフィーヌのものだろう。

 レーザーを吐き終えても動かないことから、あの光の茨の拘束力はかなりのものだと思われる。流石ジョセフィーヌだな。

「ワン!」

「あとは任せたって、任されても困る」

 こんなに大きなやつをどうすればいいんだ?解放して暴れられても困るし。オレイノスタナトスに知性ってあるのか?唯一敵対してきたけど。

コメント

  • ノベルバユーザー346007

    自分を強化することの出来ない主人公でワロタ

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