日本円でダンジョン運営

sterl

大き差

 今、巨大な家の入口の下で立っていた。入口と言ってもドアは無く、中が丸見えだ。だが、巨大な廊下の先に部屋があることしかしかわからない。それだけ巨大すぎる家だ。目測で高さを測れない程の家だ。横幅は言うまでもない。あまりに大きすぎて近くに来るまでただの壁だと思っていた。いや、確かに壁だったが。

 ちなみに先程の巨人は、ワールドイーターに私が来たことを知らせに行った。流石に無断で客を入れるのは忍びないそうだ。

 街を歩く巨人は、私に気付いた様子もなく普通に過ごしている。恐らく下なんて見ないんだろうな。

「待たせたべって、どこにいるべ?」

 巨人たちを眺めていると、家の中から先程の巨人が出てきた。そういえば名前聞いてなかったな。まあいいか。

「ダンジョンマスターさーん、どこにいるべー!」

 って、下を見なかったら私を見つけられないだろ。巨人の感覚で探されても困る。周りの巨人も何事かとお前を見てるぞ。

「ここにいまーす!」

「あれ、いまダンジョンマスターさんの声が聞こえた気がするべ。って、ダンジョンマスターは巨人じゃなかったべ。下だべか」

「ここでーす!」

「お、ダンジョンマスターさん見つけたべ。さ、おらの肩に乗るべ。父ちゃんか早くって言ってたべ」

 巨人の手から腕をよじ登り肩に乗った。さて、この巨人と性格が似ていないことを願うぞ。

「日本円でダンジョン運営」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く