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事後措置

「……やりすぎたな」

 いや、これはやりすぎたのではない。サンドガーディアンが強すぎただけだ。決して私は悪くない。
 ……現実逃避は止めるか。考えてみれば強いモンスター順に見て上位にいるモンスターだったしな、名前が安直でも強すぎるのは当たり前か。

 さて、今サンドガーディアンがおじさんをレーザーで吹き飛ばしたのだが、サンドガーディアンが飛んでったおじさんを追いかけて歩いている。ここであの強さのおじさんが帰ってこないなんてことになったら間違いなく問題になるだろうし、ダンジョンマスター権限でサンドガーディアンを持ち場に戻しておくか。

 さて、このサンドガーディアンの処遇をどうするか。1度購入したモンスターはボスモンスター以外自由にワープさせられないから深い階層に配置しなおすことはできない。かといって折角購入したのに殺処分してしまってはもったいない。
 よし、ここはピラミッドとしてこの階層の飾りになっていてもらおう。そして、このダンジョンが何か危機的状況に陥ったら起きてもらおう。そうしよう。

 そして肝心のおじさんだが、見事に気を失ってるな。出血もひどい。これは放っておけば死んでしまうだろう。おじさんには生きて帰ってもらわなければならないし、金を払ってでも死なないようにしておこう。
 なにかいいものは無いか?回復ができるモンスターを購入するのもいいが、このおじさんにはお詫びとしてなにかのスキルを与えるべきだろう。よし、延命を与えるか。このスキルは瀕死の重症の時にしぶとく生き永らえる能力だ。今のおじさんにはピッタリのスキルだろう。

 しかし今回のことでよくわかったことがある。このダンジョンはまだまだ成長ができるということだ。私はまだまだ未熟だった。

「よーし、明日からもっと頑張るか!」

「ワンワンッ!」

 今日はジョセフィーヌと遊ぶけどな。

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