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初心者がVRMMOをやります(仮)

神無乃愛

イッセンとリリアーヌの思い


 そのあと気が付けばイッセンとリリアーヌも戦闘に加わっていた。
「何で!?」
「LP管理忘れた俺らの落ち度だと思う」
 これではカナリアのLV上げにはならない。気が付くと採取に行っている。
「美玖ちゃん! 採取はあと! じゃないとご飯がゆっくり食べれないの!」
 さすがリリアーヌ。すでにカナリアの操縦(?)ができ始めている。
 ゆっくりご飯が食べれないならと、カナリアも必死になり魔法を使い始めた。
「優先順位は素材、ご飯、動物っと。あとでディッチさんにも教えておかないと」
 おそらく一番苦労しているであろうディッチには教えておくか。そんなことを考えながら、イッセンは壁役をこなしていた。

 というかすでに、イッセンのLVは八十を超えている。ブラック企業に勤めてブランクがあるにも関わらず、だ。そしてリリアーヌは八十五。二人は慣れもあるので、LV上げは簡単にできる。
 最初の頃は「一緒に回りたいがために、LV上げしていないのかな?」などと都合よく考えていたが、ただ単にカナリアが討伐系をしたがらないだけだと知って、そういうクエスト好きのイッセンは呆れたものである。
 ゲームで引きこもりとは、これいかに? などと思ってしまった。よくよく聞くと、現実リアルでも引きこもりだというから驚きである。
「引きこもりが悪いわけじゃないんだけどさ」
 イッセンは思わず呟く。ただ、カナリアの偏った常識では特定の人物としかコミュニケーションをとれない。
 それでは当初のリハビリの意味はなくなってしまうのではないかと思うのだ。

 最初はフォローする人物が一緒にいて経験して。次は少しずつ一人で動けるように。

 大切な従妹妹分の先を願うイッセンだった。

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