初心者がVRMMOをやります(仮)
レンの悩み
「こんちゃーーっす」
レンが「安楽椅子」に納品に来た。
「いやーー。こんなクエストで一万Pも貰っちっていいんですか?」
「構いませんよ。ミ・レディが決めた値段ですし」
そんなレンの相手をしているのはセバスチャン。
「あれ? ウサミミ嬢は?」
「ミ・レディはただ今ログアウト中です。おそらく現実世界でも説教されているかと」
「なんで!?」
「クィーン様がお怒りでしたので」
「……あの人が怒ったら、うちの幹部が束になってかかっても負けるっす。LVどこいったって感じ」
「あの方ご自身が規格外ですからね」
「セバスさんに言われたら、立つ瀬無いっすね。それはそうと、その話だとクィーンさんは今日ログインしないんすか」
「……どうかしましたか?」
急にそわそわし始めたレンに、セバスチャンは不思議そうに問いかけた。
「ん。クィーンさんって、見た目どおりの人なのかな?」
「……は?」
意味が分からず、セバスチャンはまじまじとレンを見つめた。
「あの人に罵られると、俺興奮しちゃう」
その言葉に「安楽椅子」内に激震が走った。
「……あんたはドMか」
呆れたように言ったのはスカーレットだった。
「そんな性癖はなかったと思ったんっすけど、あの人だけは別みたいっすね。ゾクゾクしちゃって。で、あの人限定なのか、俺が気付かなかっただけでそうなのか分からなかったんで、そういう店に行ったんっす。でも萎えるばっかりで」
あまりにもリアルすぎる話に、何度もディッチは待ったをかけた。待ったをかけてもここまで言うのだ。
別にレンがレッドカードを食らおうが気にしない。だが、ディッチの隣には可愛らしいユーリがいるのだ。……出来ることなら聞かせたくない。
「次点で、スカーレットの姐御にこき使われるのにも喜びを感じるんすけど」
「……ユーリ」
ため息をついて、ディッチは妻を呼んだ。
「はい?」
「帰っていなさい。これ以上ユーリに聞かせては穢れる。それから事の次第を伝えといて」
「分かりました」
その言葉を残してユーリがログアウトすると、ディッチはまたでかいため息をついた。
「スカーレットなら嫁にくれてやるが、さすがにクィーン様は無理だろうな」
未亡人だったか、離婚したんだったかまでは忘れたが。
「姐御はいいんすか!?」
「俺の義弟になってもいいんだったらな」
「喜んでっ……いやぁぁぁ! 姐御! そんな目で見ないでください! ……やべ、興奮してきた」
こんな愉快な男だったとは。本当に「深窓の宴」にいるのがもったいない。
「頑張って俺らの住まいを探し出せ。んでもってレットにしっかりアプローチかけろ。うちの親もじゃじゃ馬に引き取り手が出るとなったら、万歳三唱もんだぞ」
「……兄貴、表でよっか? PvPといかない?」
「今日は止めとく。どうせならレンとPvPやればいいんじゃないか? 手加減無しで、お前に勝てたらご褒美有りってなったら喜ぶぞ?」
「あたしをそんなに片付けたいか!」
「ユーリに変な知識さえ教えなければ、俺は今のままでも構わんが。
一つ言っとくと、この間の俺とディスの会話だけで盛り上がってる人たちもいるんだぞ?」
「……げ」
誰のことを言っているか分かったスカーレットが、嫌そうな声をあげていた。
「お二人とも、話がそれていますよ」
セバスチャンが料理を手にしながら、兄妹を止めた。
「そういや、そうだな。クィーン様がお前らを思って怒ったのが嬉しいっつうんだったら、ただのマザコンだぞ?」
「それはとっくに通り越してるっす。うちのメンバーにはそういうやつも少なからずいる見たいっすけど」
いるんだ!? やっぱりユーリ帰して正解だった。兄妹二人が心の中でハモった。
「俺は違うっす! あの人に肩をぴしゃりとやられると、別場所を想像してこうふ……」
「それ以上言うなっ! んなことがあの人に伝わったら、抹殺されるぞ!」
「あの人になら抹殺されてもいいっす!」
別の意味で重症なレンに、どうしていいか頭を悩ませる羽目になる。
レンが「安楽椅子」に納品に来た。
「いやーー。こんなクエストで一万Pも貰っちっていいんですか?」
「構いませんよ。ミ・レディが決めた値段ですし」
そんなレンの相手をしているのはセバスチャン。
「あれ? ウサミミ嬢は?」
「ミ・レディはただ今ログアウト中です。おそらく現実世界でも説教されているかと」
「なんで!?」
「クィーン様がお怒りでしたので」
「……あの人が怒ったら、うちの幹部が束になってかかっても負けるっす。LVどこいったって感じ」
「あの方ご自身が規格外ですからね」
「セバスさんに言われたら、立つ瀬無いっすね。それはそうと、その話だとクィーンさんは今日ログインしないんすか」
「……どうかしましたか?」
急にそわそわし始めたレンに、セバスチャンは不思議そうに問いかけた。
「ん。クィーンさんって、見た目どおりの人なのかな?」
「……は?」
意味が分からず、セバスチャンはまじまじとレンを見つめた。
「あの人に罵られると、俺興奮しちゃう」
その言葉に「安楽椅子」内に激震が走った。
「……あんたはドMか」
呆れたように言ったのはスカーレットだった。
「そんな性癖はなかったと思ったんっすけど、あの人だけは別みたいっすね。ゾクゾクしちゃって。で、あの人限定なのか、俺が気付かなかっただけでそうなのか分からなかったんで、そういう店に行ったんっす。でも萎えるばっかりで」
あまりにもリアルすぎる話に、何度もディッチは待ったをかけた。待ったをかけてもここまで言うのだ。
別にレンがレッドカードを食らおうが気にしない。だが、ディッチの隣には可愛らしいユーリがいるのだ。……出来ることなら聞かせたくない。
「次点で、スカーレットの姐御にこき使われるのにも喜びを感じるんすけど」
「……ユーリ」
ため息をついて、ディッチは妻を呼んだ。
「はい?」
「帰っていなさい。これ以上ユーリに聞かせては穢れる。それから事の次第を伝えといて」
「分かりました」
その言葉を残してユーリがログアウトすると、ディッチはまたでかいため息をついた。
「スカーレットなら嫁にくれてやるが、さすがにクィーン様は無理だろうな」
未亡人だったか、離婚したんだったかまでは忘れたが。
「姐御はいいんすか!?」
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「喜んでっ……いやぁぁぁ! 姐御! そんな目で見ないでください! ……やべ、興奮してきた」
こんな愉快な男だったとは。本当に「深窓の宴」にいるのがもったいない。
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「……兄貴、表でよっか? PvPといかない?」
「今日は止めとく。どうせならレンとPvPやればいいんじゃないか? 手加減無しで、お前に勝てたらご褒美有りってなったら喜ぶぞ?」
「あたしをそんなに片付けたいか!」
「ユーリに変な知識さえ教えなければ、俺は今のままでも構わんが。
一つ言っとくと、この間の俺とディスの会話だけで盛り上がってる人たちもいるんだぞ?」
「……げ」
誰のことを言っているか分かったスカーレットが、嫌そうな声をあげていた。
「お二人とも、話がそれていますよ」
セバスチャンが料理を手にしながら、兄妹を止めた。
「そういや、そうだな。クィーン様がお前らを思って怒ったのが嬉しいっつうんだったら、ただのマザコンだぞ?」
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いるんだ!? やっぱりユーリ帰して正解だった。兄妹二人が心の中でハモった。
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