初心者がVRMMOをやります(仮)

神無乃愛

変更後クエスト 12

 カーティスのログアウト、続いてディッチのログアウトと続き、それが終わる頃には、戦いも終盤を迎えていた。
「本当に砦死守で済みそうだな」
 最悪再度封印した砦に避難も考えてはいたが。
「カーティスさん」
「お断りですよ」
「俺、まだ言ってませんよね?」
「次回から、『カエルム』メンバーが抜けるのは駄目です。おそらく今までのようになりますから」
 見事に言いたいことはばれていたらしい。
「カナリア君とジャッジを貸しますので」
「あの二人を私たちが制御しろと?」
 真顔で返してくる辺り、ディッチがいない間にも何かありすぎたのだろう。
「というよりも、『カエルム』メンバーはあなたでないと制御できませんよ」
「もしかして、ギルメン全員揃って迷惑かけました?」
「迷惑といいますか、あの状態で、、、、、制御できるのはあなただけです」
「カナリア君は俺でも無理だけど」
 思わずぼそりと呟く。

 しれっと聞こえない振りをしたカーティスは、次の指示を出していた。
「ほんっとうに、呆れますよ。あの面子を御して成功率が八割以上ですよ? 『カエルム』を創設してからは、今のところ十割成功してます。私だったら、失敗十割ですよ」
 以前は何をして「臆病者の軍師」などとつけられるようなことをしたというのか。
「ははは。あいつらの癖は十年以上の付き合いですから。こうやって馬鹿騒ぎを始めたころには、既に俺は前衛を退いていましたし」
「……そうですか」
 そういった会話をしながらも、ウドムも含めて協議を重ねる。

 どこに誰を置くのか。それによる効果はどう出るのか。
「カナリア君っ!! もう少しの間素材集めに回るのめなさい! もう少しでクエスト終わるんだからね! 敵さんの前衛が撤退し始めるまで待ちなさい!!」
 今重要な話を振るために、カナリアに繋いだはずである。またしても素材暴走を起こしていたか。
 ディッチの肩に手を置くが、それだウドムと被った。
「……もう、ヤダ。あのバカップル」

 どうやら問題はジャッジも起こしていたらしい。

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