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初心者がVRMMOをやります(仮)

神無乃愛

変更後クエスト 7


 重い大砲の弾などはジャスティスがカナリアの鞄にいれ、他は二人でカナリアの鞄に入れる。
「ジャスティスさん」
「カナリア。採取は認めないぞ」
 一つ目の砦で支給アイテムをしまい終わったカナリアに声をかけられたジャスティスは、すぐさまそう返した。

 ただでさえ砦が開いたことにより、モンスターが跋扈し始めている。それを駆逐しているのは、ユニと翼竜……だけではなく、アンデット系飛行モンスターがしている。なるべく早めにここを閉じなくてはならない。

 何故こうなった。ジャスティスはその言葉を何度飲み込んだことか。
「いえ、ここにある大砲って持ち帰れないのかなって」
「……なんでお前はそういう突拍子もないこと考えるかな」
 人竜化してしまえばやって出来なくないが、壊れてしまう可能性もある。
「だって、ディスカスさんがメンテナンスしている時にだいぶ分解してますよね。だから持って行くことも出来るのかなって」
「ディスに聞いてみるから、ここにいろ」
 というか、目の届く範囲で大人しくしていて欲しい。

 ディスカスに電話をかければ、狂喜していた。
『是非っ! ってか、外側もだいぶやばい。今あるやつで何とかメンテナンスしてるが、正直な話、素材が足りん。それ、カナリアに言うなよ』
 言われなくても。カナリアが不信がると悪いので。あえて何も言わない。
『リリアーヌの鞄に今ボルトを外すスパナ入れるから、まず固定台から外して。そのあと……』
 軽くレクチャーを受け、ジャスティスは電話を切った。

 カナリアの方に目をやると嬉々として壁と向き合っている。見ているのが分かったのだろう、嬉しそうにジャスティスに振り向いた。
「ジャスティスさんっ! 砦の壁からも採取出来……」
「採取、止めろって言ったろ?」
 ディッチの苦労がしのばれる。

 二人がかりで大砲を軽く分解し、鞄に入れる。固定台から外してそのまま入れることも可能なようだが、それだと向こうで取りだせる面子がいないだろう。
 四台分解が終わったところで、再度砦の扉を封印する。すると、モンスターが湧いてこなくなった。
「砦上空からって入ること……」
「やってみるか」
 モンスターが湧いてこないなら万々歳である。
 再度翼竜に乗り、次の砦へと向かう。

 勿論、砦の壁から採取できるものがある、という報告は忘れずに。

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