初心者がVRMMOをやります(仮)
変更後クエスト 6
その後、食材アイテムを採取して戻ってきたカナリアは、みっちりとディッチに怒られる羽目になった。
「そりゃ、食材アイテムも枯渇してたけど、これ、食材アイテムじゃないよね?」
そう言って指し示したのは、鉱石。
「……いいのがあったので……」
「それはあとでっ! とりあえずこの状況を打破するほうが先!! それから次の砦に行って支給アイテムを鞄に入れて。リリアーヌ君の鞄からすぐに分配するから。
セバスは残って。炊き出しよろしく。砦に行くのはカナリア君とジャスで」
「俺は?」
しれっとジャッジが言ってくる。
「お前は駄目! ってか、大砲係が抜けるな! そしてお前だとカナリア君を甘やかす!」
それ以前の問題で、壁役として最適なジャスティス。一緒にいればカナリアも死に戻りする確率は減るはずである。
その辺りまで頭を回して欲しいところではある。しかし、それ以上に独占欲の強いジャッジだ。一緒に行くのがジャスティスであったとしても、いい気分ではないのだろう。
「ジャッジさん。一緒に大砲の弾も鞄に入れます。だから、私が戻るまで砦死守してください。
先生、ついでですから、他の砦も回れたら回ってアイテム回収してきます」
「その心がけは殊勝だけどね、採取はしてこないようにね」
その言葉にカナリアが視線を逸らすあたり、そういうことにして時間稼ぎをしようとしていたのかもしれない。
「ここの砦が破られたら、おそらくゲームオーバー。他の砦から備蓄持ってきてるしね。そうなってしまうと、今まで解体したり、採取したものも駄目になるけどいいの?」
「いやです」
「なら真っ直ぐ帰って来なさい。ジャス、頼んだ」
「了解」
にやりとジャスティスが笑って、カナリア用の翼竜に乗り込んだ。ちなみに、カナリアはユニに乗っている。
「行ってきます」
そう言って、カナリアは元気よく砦をあとにした。
そのあとに続く翼竜の一部と、アンデット系飛行モンスターに一抹の不安を感じたのはディッチだけではないはずだ。
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