初心者がVRMMOをやります(仮)
変更後クエスト 2
どんなに倒しても湧いて出てくるモンスター。
どんなに戦闘慣れしているとはいえ、全員に疲れが出ていた。
最小限の人数のため、休むことすら出来ない。
カナリアですら、採取は諦め支援に回っている。それでも手が足りない。
「メル! お前は下がれ!!」
「なんで!? メルはお荷物じゃないもん!」
ジャスティスの叫びに、メルはすぐさま拒否を示した。
「阿呆! お前は死に戻り出来ないだろうが!! いいか? 俺らが『守る』と決めた連中の中にお前も入ってんだよ! 俺ら守って死んだなんて目覚めが悪い! ジャッジが転移石持ってるから、それで戦線離脱しろ!」
「やだっ!! メルだって戦えるもん! 子供じゃないもん!!」
「ガキじゃねぇなら尚更逃げろ! 目覚め悪いって言ってるだろうが!」
これ以上、メルに構っている暇すら惜しい。
人竜化してかなり時間も経過している。いつ解除され戻るのか、それとも二度と戻れなくなるのかすら分からない。それでも、少しでも勝率を上げるためにはこの姿でパーティの盾をやるしかないのだ。
「くそっ!」
ディッチに目配せして、無理矢理メルを砦へ送る。
そしてそのまま、このクエストで何度目になるか分からない「ディフェンス・アタック」を使った。
「ここは越えさすな!」
ウドムが全員を鼓舞していた。
そして、一人、また一人と欠けていく。
何度死に戻りをしているか分からないメンバーもいる。
それでも、と戦い続けている。
ジャッジがいなくてよかったと思うのは、カナリアとて何度も死に戻りをしているからだ。
「そろそろ移転石もなくなりそうですっ! ポーション類全部なくなりましたっ!」
カナリアの悲痛な叫び声。
「飯は!?」
「そちらももうありません!」
万事休す。全員が思ってしまった。
アイテム枯渇という、最悪のパターンに陥ったのだ。
そして、今まで晴れていた空が急に曇った。
おびただしい飛行モンスターの数。
全員が全滅を決意したその時だった。
「ジャスティス! 助けに来たぞ!!」
先刻無理矢理返したばかりのメルの声が聞こえた。
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