初心者がVRMMOをやります(仮)
ジャッジの呟きと、現実世界
カナリアとジャッジがプレイするようになって、早数日。
「ここに拠点購入しておくか」
宿屋の階下にある食堂でカナリアと別れ、部屋に戻るなりジャッジが呟いた。
「マスターにしては珍しく、親切ですね」
「カナリアは手を抜くってことが分かってない。あのままじゃ、張り詰めちまう」
「……そうですね」
「初心者の町」にある売り物件を数個タブレットで確認していく。「初心者の町」で物件購入をするプレイヤーは少ないが、いないわけではない。
目星をつけ、カナリアが了承次第買えるようにしておくのがいいだろう。
「さて、俺も落ちる」
あそこまで純粋なプレイヤーはここ数年見たことがない。それがジャッジには心地よかったのだ。
「マスター、お疲れ様です」
リースを残して、ジャッジは消えた。
ゲームから現実に戻るこの瞬間が、美玖は嫌いだ。
それがここ数日尚更顕著なのは、ジャッジという男性に会ったからだろう。
根つめてゲームはするな、楽しむためだけにやれ。そう最後に言ってくれたことが嬉しかった。「TabTapS!」は美玖にとって現実逃避の場所だ。根つめて嫌になってしまえば、どうしようもない。
明日にでも祖母の家にお礼に行こうと美玖は思った。
「ここに拠点購入しておくか」
宿屋の階下にある食堂でカナリアと別れ、部屋に戻るなりジャッジが呟いた。
「マスターにしては珍しく、親切ですね」
「カナリアは手を抜くってことが分かってない。あのままじゃ、張り詰めちまう」
「……そうですね」
「初心者の町」にある売り物件を数個タブレットで確認していく。「初心者の町」で物件購入をするプレイヤーは少ないが、いないわけではない。
目星をつけ、カナリアが了承次第買えるようにしておくのがいいだろう。
「さて、俺も落ちる」
あそこまで純粋なプレイヤーはここ数年見たことがない。それがジャッジには心地よかったのだ。
「マスター、お疲れ様です」
リースを残して、ジャッジは消えた。
ゲームから現実に戻るこの瞬間が、美玖は嫌いだ。
それがここ数日尚更顕著なのは、ジャッジという男性に会ったからだろう。
根つめてゲームはするな、楽しむためだけにやれ。そう最後に言ってくれたことが嬉しかった。「TabTapS!」は美玖にとって現実逃避の場所だ。根つめて嫌になってしまえば、どうしようもない。
明日にでも祖母の家にお礼に行こうと美玖は思った。
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