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初心者がVRMMOをやります(仮)

神無乃愛

現実世界とのギャップ


 ジャッジが待つ外へ行くと、もう一人の男性が立っていた。ジャッジもカナリアもヒューマン族にしているが、もう一人の男性は、羽の生えた妖精タイプだ。尖った耳に、眼鏡をかけ、神経質そうに見えた。
「お知り合い……ですか?」
 恐る恐る訊ねてしまうのは、仕方ないと思って欲しい。
「あ……あぁ。明日紹介するはずだった、ディッチさんだ」
「初めまして。カナリアと言います。いつもジャッジさんにはお世話になってます」
「うわぁ、嫁的発言だぁ」
 ディッチと紹介された男が呆れたように呟き、ジャッジがすぐさまどついていた。
「それから、俺は君と初めて会うわけじゃないんだけどなぁ?」
 意地悪な言い方に、カナリアはうろたえた。
「溝内先生だ。溝内だからディッチなんだよ」
「えぇぇぇ!?」
 あの厳つい感じからはそう見えない。
「んと、ここで本名呼んじゃっていいかな? カナリア、、、、ちゃん?」
「かかかかか……カナリアでおねがいしますぅぅぅ」
 この威圧感は間違いなく溝内学年主任だ。
「ディッチさん。そんな事すると、あなた用に頼んだアクセサリーをオークション行きにさせますよ?」
「何、その言い方!」
「だから、このアクセサリー製作者がカナリアなんです。今有名でしょ?」
「え!?」
 気さくに話すジャッジに、カナリアは既に固まっていた。
「ミ・レディ」
「は……はひっ」
 上ずった声に、ジャッジとディッチが腹を抱えて笑い出した。
「他のアクセサリーも持ってきましょうか?」
「お、お願いしますっ!」
 カナリアが言うなり、セバスチャンがその場を立ち去った。

 そして、この状況で色々尋問されなかったのは、ひとえにこれから予定があったからだ。

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