初心者がVRMMOをやります(仮)
皆で晩御飯
なかなかカナリアが戻ってこないと、ジャッジたちが思っていると、外から肉を焼くいい匂いがしてきた。
ゲーム時間で丁度夕飯の時間だ。
「……キャンプ予定か?」
ジャスティスが呆れたように呟いていた。
「また美味そうな匂いが! 行くぞ!!」
全員を引率するように言ったのはディッチだった。
「ミ・レディ。そちらの塩を取ってください」
「はい。こちらの野菜はどうします?」
「ラタトゥイユにします。そのつもりでミ・レディの鞄に入れておきました」
「じゃあ適当に切っておきますね」
「お願いします。それから人参と大蒜はこちらにも」
「はい。あ、フォッカチオが出来上がったみたいです」
カナリアとセバスチャンが会話をしながら料理をしている光景がこそにはあった。
その頃他のAI、というかリースとディッチのAIであるミントは薪を持ってきたりしかしていないという。
「ディッさん。あの二人に邪魔しないのが精一杯の手伝い。あとキャンプ用品を使えるようにするくらい」
ミントがすぐさまディッチに報告してきた。リースは勝手知ったるもので、ジャッジたちが出てきたのを見るなり、椅子とテーブルを用意し始めた。
「リース嬢。それが終わりましたら、フォッカチオとワインを出してください」
「ミントさんに頼んでください。わたくしは手が回りません」
「ミントさん。これをテーブルに」
「えぇぇ!? 俺そんな仕事した事ない!!」
「あ、私ラタトゥイユの仕込が終わったから、持って行きま……」
「ミ・レディはもう一枚のフォッカチオを焼いてください」
「こっちに置ける場所がないんです」
セバスチャンとカナリアで八人分の食べ物を作るのだ。それは大変だろう。
「で、どこに置くといい?」
ジャッジが手伝いを始めた。
「フォッカチオはそれぞれ一枚ずつは行き渡るように焼いています。そちらの肉とサラダは持って行って大丈夫です。真ん中あたりに置いていただけると助かります。ワインはミ・レディの鞄の中に冷やして入っております」
「カナリアの鞄を漁るのは無理だぞ」
というか、一気に言いすぎだ。気がついたら欠食児童と化したディッチたちまでもが、手伝い始めていた。
セバスチャンは味付けしながら肉を焼いている。丸ごと焼く焼き方で、焼けたところからそぎ落としているのだ。この焼き方、初期から出来るが、実は美味しく焼くためにはかなりの熟練度を要する。セバスチャンもいつの間にか料理スキルはかなりUPしているのだ。
「ラタトゥイユ、出来上がりました」
「では、わたくしが盛り分けてテーブルまでお持ちします」
リースも料理の手伝いにまわっていた。
晩御飯のメニューはフォッカチオとラタトゥイユ、それからフォッカチオに挟むための肉と野菜サラダだった。そして、成人男性には白ワイン。カナリアはジュースだ。
ちなみに、このジュースもセバスチャンの手作りなのだが、セバスチャンとカナリア以外は知らなかったりする。
カナリアは元々小食だ。それに美味しそうに食べる他の人たちを見ているのが好きなのだ。
「カナリア君。もう少し食べなさい」
「おなか一杯なんです。それにLPも満タンになりましたし」
「LPのためだけに食べるだなんて、ナンセンスだ! こんな美味しいご飯、そうお目にかかれないのだよ!」
ディッチが力強く言うが、カナリアにはいまいち分からない。美味しいのは認めるが。
「しかもこれ、エンチャントがついてんのな。このまま一狩り行きたい気分になる」
そういったのはディスカスだった。
エンチャントって? と思っていると、ジャッジが「付加価値」のことだと教えてくれた。
「ってかさ、俺にエンチャントのこと聞きに来たんだよね? 説明の必要なくないか?」
アクセサリーだってエンチャントが凄いし、とジャスティスが言う。
カナリアが聞きたいのは、どうやったら思ったものを付けれるのか、ということだ。今までは気がついたらついていたのだ。何とか狙って出来るようになったのはMNDとか、そういった方向ばかりだ。物理防御にはあまり優れていないし、状態異常にも弱すぎる。
「カナリア。あとででいいから、自分の口でジャスに伝えろ。今じゃなくていい」
こっそりとジャッジが言ってくれたのが、カナリアには嬉しかった。
ジャッジのフォローでジャスティス以外が狩りに行くことになり、初めてジャスティスと二人きりになった。
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