初心者がVRMMOをやります(仮)
カナリアとシュウの関係
首都につく頃には、カナリアはぜっそりとしていた。
入り口付近にはシュウとサイレン、「深窓の宴」のメンバーが数人いた。
「大丈夫……」
ジャッジがカナリアを心配する前に、シュウがカナリアを抱きかかえた。
「ふぇ?」
「酔ったな? 少し寝てろ」
ぶっきらぼうに言うシュウに、「深窓の宴」のメンバーたちもが驚いている。
「カナリア君、知り合いかい?」
ジャッジたち以外に知り合いが広がっていたことに、驚いた。
「……多分、父方の従兄、です」
なにぶんにも申告以外で証拠がないので、とのたまうカナリアに、シュウが苦虫を噛み潰したような顔になっていた。
カナリアの発した言葉は、その場にいた「深窓の宴」のメンバーにまで驚きをもたらしていた。
「似てない、のだな」
サイレンがぼそりと呟く。
「はい。私は母方の祖父に似ているそうですから」
それは現実でもシュウとカナリアが似ていないことを示す。
「叔父さんたちは知ってるのか?」
「知らない。私一人で勝手にやったから」
「何でこのゲームなんだ」
「あまり有名じゃないし、月額課金要らないし」
シュウとカナリアの会話は、確かに身内の会話だった。
「お前みたいなやつに勧めた店員の気持ちが分からん。ただでさえ、不器用……」
「訂正してもらおうか」
思わずジャッジは口を挟んだ。
「店員がこのゲームをカナリアに勧めたのは、正解だ。ゲームという範疇に囚われずに、カナリアは進めていく。俺たちよりも発想は豊かだ。それに、カナリアは不器用じゃない。不器用なら、あんな手の込んだものを、手作業で作ったりしない。
そこまでカナリアを侮辱するなら、シュウ、あんたがカナリアの作ったアクセサリーを買い求めないことだな」
「……そういう意味では……」
「だったら、どういう意味だ? お前がLV百を超えたゲーマーだからか? それとも『深窓の宴』設立からいる、サブマスだからか?」
「……ジャッジさん。いいんです。本当のことだから」
自信なさげにカナリアが呟いた。
「カナリア。俺はお前が作るものが好きだけどな」
「ありがとうございます」
弱々しげに微笑むカナリアをジャッジはひったくった。
「カナリア君! 俺も君の作るアクセサリーは好きだぞ」
そんな話をしていたら、ジャスティスたちとも合流できた。
「盆に会ったとき、それ以上体重が落ちてたら許さないからな」
シュウが悔しそうに言って、先導し始めた。
「悪い。シュウはここのところ機嫌が悪い」
「あんたが謝ることじゃない」
「そう言ってもらえると、助かる」
垂れてしまったウサミミが、カナリアの気持ちを現していた。
入り口付近にはシュウとサイレン、「深窓の宴」のメンバーが数人いた。
「大丈夫……」
ジャッジがカナリアを心配する前に、シュウがカナリアを抱きかかえた。
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そこまでカナリアを侮辱するなら、シュウ、あんたがカナリアの作ったアクセサリーを買い求めないことだな」
「……そういう意味では……」
「だったら、どういう意味だ? お前がLV百を超えたゲーマーだからか? それとも『深窓の宴』設立からいる、サブマスだからか?」
「……ジャッジさん。いいんです。本当のことだから」
自信なさげにカナリアが呟いた。
「カナリア。俺はお前が作るものが好きだけどな」
「ありがとうございます」
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