初心者がVRMMOをやります(仮)
現実世界にて<美玖と良平>
お盆に入るまでの間、美玖はひたすら補習と講習を受けていた。成績は入学時よりも格段に上がった。「TabTapS!」内において、溝内ことディッチの課外勉強をしながら、舞踏会クエストのためにアクセサリーを作りまくっていた。
一番力をいれたアクセサリーはスカーレットのものだ。竜鱗と竜鱗の粉を球状にまとめたもの、そしてそれに絵を入れたもの、鉱石。使えるものを出し惜しみせず使い、そして派手で下品にならないよう細心の注意を払って作り上げた。
そしてAIや他のギルドメンバーのも作っていく。それと同時進行でジャスティスと布地についてああだこうだと言い合ったり、銀細工を作ってみたりしていた。
そんなことをして、全てが出来上がったら燃え尽きてしまった。
「ふひゅう」
机に突っ伏していると、ウサミミもぺたんと垂れる。普段は気にならないが、時々邪魔である。ナースキャップと別々になり、ウサミミだけが頭から離れないのだ。
疲れたこともあり、そのままログアウトした。
「古瀬さん、ちょっといいかな?」
溝内が学校内で声をかけるときはかなり気をつかっているはずなのに、今日はかなり堂々としていた。
「なんでしょうか?」
うん。「TabTapS!」内でのあの言動と、今が一致しない。
「進路指導のことだよ。指導室に来るように」
「……はい」
もうすぐ補習も終わるから、こうやって話が出来るのは二学期になる。その前に色々と段取りを取りたいというのもあるのだろう。
「悪いね」
「……いえ」
「進路希望、まだだよね?」
親に渡したものの、まだ手元に来ていないのだ。美玖の家とのやり取りは担任だけでは無理なため、学年主任の溝内が口を出す羽目になっているのだ。
「親御さんには見せたんだよね?」
「はい」
「それだけ聞いておけば今日は問題ないかな。親御さんに直接連絡取るからさ」
「いいんですか?」
「いいも何も、それしかないでしょ? ついでに古瀬さんの希望通りの進路書いてって」
「え?」
「……学校とVRで表情違いすぎ。最悪俺が矢面に立つから、好きなように書きなよ」
「出来ません」
それだけはやってはいけないこと。そして、現実世界でジャッジと会ってはいけない。これは美玖が己に課したものだ。
「了解。じゃあ、ご両親から書類が来るのを待つよ。……それはそうと、自分のアクセサリーをどうして作らない?」
何のことやらと美玖は思った。
「あのね、舞踏会クエはギルド単位で出るの。勿論『カナリア君』も強制参加」
ナンデスカソレハ。美玖は言葉を失った。
「ジャッジが『カナリア君』をエスコートするために張り切ってるからね。アクセサリーがありませんでしたは、かわいそうだよ?」
いきなりの温度差にただでさえ美玖はついていけないのに。
「今日ログインしたら作ります」
「そうしてくれ。『カナリア君』のアクセサリーのお披露目なんだから」
「はい」
その言葉に溝内がにっこりと笑った。
「失礼します」
そのまま美玖は学校をあとにした。
一番力をいれたアクセサリーはスカーレットのものだ。竜鱗と竜鱗の粉を球状にまとめたもの、そしてそれに絵を入れたもの、鉱石。使えるものを出し惜しみせず使い、そして派手で下品にならないよう細心の注意を払って作り上げた。
そしてAIや他のギルドメンバーのも作っていく。それと同時進行でジャスティスと布地についてああだこうだと言い合ったり、銀細工を作ってみたりしていた。
そんなことをして、全てが出来上がったら燃え尽きてしまった。
「ふひゅう」
机に突っ伏していると、ウサミミもぺたんと垂れる。普段は気にならないが、時々邪魔である。ナースキャップと別々になり、ウサミミだけが頭から離れないのだ。
疲れたこともあり、そのままログアウトした。
「古瀬さん、ちょっといいかな?」
溝内が学校内で声をかけるときはかなり気をつかっているはずなのに、今日はかなり堂々としていた。
「なんでしょうか?」
うん。「TabTapS!」内でのあの言動と、今が一致しない。
「進路指導のことだよ。指導室に来るように」
「……はい」
もうすぐ補習も終わるから、こうやって話が出来るのは二学期になる。その前に色々と段取りを取りたいというのもあるのだろう。
「悪いね」
「……いえ」
「進路希望、まだだよね?」
親に渡したものの、まだ手元に来ていないのだ。美玖の家とのやり取りは担任だけでは無理なため、学年主任の溝内が口を出す羽目になっているのだ。
「親御さんには見せたんだよね?」
「はい」
「それだけ聞いておけば今日は問題ないかな。親御さんに直接連絡取るからさ」
「いいんですか?」
「いいも何も、それしかないでしょ? ついでに古瀬さんの希望通りの進路書いてって」
「え?」
「……学校とVRで表情違いすぎ。最悪俺が矢面に立つから、好きなように書きなよ」
「出来ません」
それだけはやってはいけないこと。そして、現実世界でジャッジと会ってはいけない。これは美玖が己に課したものだ。
「了解。じゃあ、ご両親から書類が来るのを待つよ。……それはそうと、自分のアクセサリーをどうして作らない?」
何のことやらと美玖は思った。
「あのね、舞踏会クエはギルド単位で出るの。勿論『カナリア君』も強制参加」
ナンデスカソレハ。美玖は言葉を失った。
「ジャッジが『カナリア君』をエスコートするために張り切ってるからね。アクセサリーがありませんでしたは、かわいそうだよ?」
いきなりの温度差にただでさえ美玖はついていけないのに。
「今日ログインしたら作ります」
「そうしてくれ。『カナリア君』のアクセサリーのお披露目なんだから」
「はい」
その言葉に溝内がにっこりと笑った。
「失礼します」
そのまま美玖は学校をあとにした。
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