初心者がVRMMOをやります(仮)
現実世界にて<保の流儀>
「ジャッジ君?」
どうやら向こうも驚いたらしい。初めて会ったのは十年以上前のオフ会だった。
そこから、電話やメールなどで頻繁に連絡を取り合っていた。
「美玖ちゃんと……知り合いなの?」
「ばあさんが春に言ってた孫って……」
「そう、今眠っている美玖ちゃんのことよ」
弱々しく、マープルが言う。
「いつもゲームでの名前しか名乗ってなかったわね。あたしは磯辺 千沙。この子は古瀬 美玖。あたしの孫娘よ」
「俺は野々宮 保。で……」
「ディッチこと、溝内 良平です」
「妹のスカーレットこと晴香です」
「まぁ、ディッチ君とレットちゃんだったのね」
こんなところで知己に出会うとは思わないだろう。
「ってことは、『TabTapS!』を勧めたのは……」
「あたしよ。娘に凄く怒られたわ」
「いんや。こいつには凄く合ったゲームだよ」
保が静かに放った言葉に、千沙は驚いていた。
「ばあさんに言われる前に、カナリア……こいつがゲームでやってる時の名前だ。カナリアに会ったんだ。最初はどうしていいかわからず動いていたけど、今じゃ『TabTapS!』内じゃ有名なアクセサリー職人だよ」
「そう。……一度あたしの家から繋いだことがあったけど、楽しそうだったわね」
しみじみと千沙が言う。
「カナリアはゲームの中で、いきなり歪んで消えたんだ」
そして、全てを千沙に話していく。
「……そう。そうだったの。美玖ちゃんを心配してくれる人たちがたくさんいたのね」
そして、千沙は美玖の頭を撫でた。
「ねぇ、美玖ちゃん。たくさんお話してくれる? 大切な人のこと、美玖ちゃんを心配してくれる人のこと。あたしは、美玖ちゃんの口から全部聞きたいの」
やっと会えたのに。こんな形で会いたくなかった。それが保の正直な気持ちだった。
「なぁ、ばあさん。ばあさんとしちゃ、身内から犯罪者が出るのは嫌だろうが、協力してくれるか?」
美玖が起きた後、笑顔でいられるように。
「……そうね。それがあたしの償いかしら」
まずは、どうしてこうなったのかを実証する必要があるのだ。そのための準備を保は仕事の合間にこなしていた。
その方法を告げれば、三人が反対してきた。
「仕方ないですよ。このプログラム、一回しか使えない仕様ですから。プログラムした俺が使うのが筋ってもんでしょ? ついでに警察とゲーム運営会社の人たち、それから記録をしっかり正芳が取ってくれるそうですから、何とかなるでしょ」
事も無げに保が言えば、すぐさま良平が頭を叩いた。
「阿呆か、お前は。それで古瀬さんが目を覚まして、お前が覚まさなかったら絶対に落ち込むぞ!」
「そうそう。美玖ちゃんのことも考えてよ!」
「だからやるんです。どれくらい危険なことをしたのか、美玖の両親に伝えます。あの調子じゃ無理でしょうけど。せいぜい、悪あがきしてもらいます」
「うわっ。お前さり気なく古瀬さんを呼び捨てにしたな?」
良平の言葉を無視して、千沙から美玖が使っていたヘッドギアを聞く。まずはそれを用意するのだ。
理論上可能で、そして何よりも今回は医療チームも後ろに控えているのだ。失敗しても怖くない。
どうやら向こうも驚いたらしい。初めて会ったのは十年以上前のオフ会だった。
そこから、電話やメールなどで頻繁に連絡を取り合っていた。
「美玖ちゃんと……知り合いなの?」
「ばあさんが春に言ってた孫って……」
「そう、今眠っている美玖ちゃんのことよ」
弱々しく、マープルが言う。
「いつもゲームでの名前しか名乗ってなかったわね。あたしは磯辺 千沙。この子は古瀬 美玖。あたしの孫娘よ」
「俺は野々宮 保。で……」
「ディッチこと、溝内 良平です」
「妹のスカーレットこと晴香です」
「まぁ、ディッチ君とレットちゃんだったのね」
こんなところで知己に出会うとは思わないだろう。
「ってことは、『TabTapS!』を勧めたのは……」
「あたしよ。娘に凄く怒られたわ」
「いんや。こいつには凄く合ったゲームだよ」
保が静かに放った言葉に、千沙は驚いていた。
「ばあさんに言われる前に、カナリア……こいつがゲームでやってる時の名前だ。カナリアに会ったんだ。最初はどうしていいかわからず動いていたけど、今じゃ『TabTapS!』内じゃ有名なアクセサリー職人だよ」
「そう。……一度あたしの家から繋いだことがあったけど、楽しそうだったわね」
しみじみと千沙が言う。
「カナリアはゲームの中で、いきなり歪んで消えたんだ」
そして、全てを千沙に話していく。
「……そう。そうだったの。美玖ちゃんを心配してくれる人たちがたくさんいたのね」
そして、千沙は美玖の頭を撫でた。
「ねぇ、美玖ちゃん。たくさんお話してくれる? 大切な人のこと、美玖ちゃんを心配してくれる人のこと。あたしは、美玖ちゃんの口から全部聞きたいの」
やっと会えたのに。こんな形で会いたくなかった。それが保の正直な気持ちだった。
「なぁ、ばあさん。ばあさんとしちゃ、身内から犯罪者が出るのは嫌だろうが、協力してくれるか?」
美玖が起きた後、笑顔でいられるように。
「……そうね。それがあたしの償いかしら」
まずは、どうしてこうなったのかを実証する必要があるのだ。そのための準備を保は仕事の合間にこなしていた。
その方法を告げれば、三人が反対してきた。
「仕方ないですよ。このプログラム、一回しか使えない仕様ですから。プログラムした俺が使うのが筋ってもんでしょ? ついでに警察とゲーム運営会社の人たち、それから記録をしっかり正芳が取ってくれるそうですから、何とかなるでしょ」
事も無げに保が言えば、すぐさま良平が頭を叩いた。
「阿呆か、お前は。それで古瀬さんが目を覚まして、お前が覚まさなかったら絶対に落ち込むぞ!」
「そうそう。美玖ちゃんのことも考えてよ!」
「だからやるんです。どれくらい危険なことをしたのか、美玖の両親に伝えます。あの調子じゃ無理でしょうけど。せいぜい、悪あがきしてもらいます」
「うわっ。お前さり気なく古瀬さんを呼び捨てにしたな?」
良平の言葉を無視して、千沙から美玖が使っていたヘッドギアを聞く。まずはそれを用意するのだ。
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