初心者がVRMMOをやります(仮)
現実世界にて<美玖の治療開始>
「いやぁぁぁぁ!!」
医療VR用ヘッドギアを美玖に被せ、脳波測定を開始しようとした瞬間に、凄まじい拒絶反応を起こした。
研究者も医師も、ここまで酷いとは思いもしなかった。
固定してしまったため、取るまでにある一定のプロセスを踏まなくてはならないが、それすらも拒否して取ろうとする。
「もう少し待ってください!!」
一度測定しないと、ヘッドギアをはずすことなど出来ない。だが、この状態でははずすことすら難しいのも事実だ。
こんなことなら最初からカプセル型を使えばよかったと、皆が後悔していた。
耳と目のところだけを隠すヘッドギアであれば、どこでも出来るのがメリットだ。そして、その場で医師と会話し、必要とあらばすぐさまカウンセリングを受けれるし、食事代わりの点滴もしたままで出来る。だが、少しばかり衝撃に弱く、錯乱状態の患者には仕えない。脳波がまともに取れないのだ。そして、眠らせることが出来ない。
逆に、カプセル型であれば、麻酔を使い眠らせることで患者を大人しくさせることが出来る。そのあと起きてから会話、治療となっていく。カプセル型ということもありかなり大きく、場所をとるため必要機材のある専用室が必要であること、カウンセラーも最初から傍に置いておく必要もあり、点滴が出来ない。
どちらにもメリット、デメリットというものがあるのだ。
「転院させなさい。VR医療では最新設備のある病院へ、我名義で部屋を抑えてある」
和服姿の老女がいきなり入ってきて、言い出した。禰宜田から来たかなり年配の男が、その姿を見るなり硬直していた。ということは禰宜田の関係者か。
VR医療の最新設備があるところなど、限られている。一つは応仁会系列の病院だ。
だが、美玖に応仁会系列の病院はいかがかと思ってしまう。
「我用の診療所が北ヶ原にある。そこに禰宜田医療と研究所で開発した最新鋭のVR医療機器を、導入しておる」
「し……しかし……」
「さゆりには我が伝えておく。それから我のところに顧問弁護士の天原を呼んでおけ」
「?」
誰に言っているかと言いたくなってきたのは、主治医だけではないはずだ。
「お主がこの童子の主治医か? なればおぬしも来い」
「無理です! 彼女以外にも担当している患者は……」
北ヶ原はここから車で一時間ほどかかる海辺の町だ。そこまで通うだけでも大変である。
「何をしていらっしゃるの?」
丁度見舞いにやって来た悠里が呆れて問いただしていた。
「悠里、ちょうどよいところに来た。さゆりたちを北ヶ原につれて来い。それから顧問弁護士の天原だ」
「……天原は忙しいはずですわ」
「我の急用と伝えよ」
それだけ言って老女は出て行った。
すぐさま黒尽くめの男たちが来て、美玖を眠らせ連れて行った。
その光景を悠里は呆れてみていた。
だが、その老女のおかげで美玖の治療は順調にいくことになる。
医療VR用ヘッドギアを美玖に被せ、脳波測定を開始しようとした瞬間に、凄まじい拒絶反応を起こした。
研究者も医師も、ここまで酷いとは思いもしなかった。
固定してしまったため、取るまでにある一定のプロセスを踏まなくてはならないが、それすらも拒否して取ろうとする。
「もう少し待ってください!!」
一度測定しないと、ヘッドギアをはずすことなど出来ない。だが、この状態でははずすことすら難しいのも事実だ。
こんなことなら最初からカプセル型を使えばよかったと、皆が後悔していた。
耳と目のところだけを隠すヘッドギアであれば、どこでも出来るのがメリットだ。そして、その場で医師と会話し、必要とあらばすぐさまカウンセリングを受けれるし、食事代わりの点滴もしたままで出来る。だが、少しばかり衝撃に弱く、錯乱状態の患者には仕えない。脳波がまともに取れないのだ。そして、眠らせることが出来ない。
逆に、カプセル型であれば、麻酔を使い眠らせることで患者を大人しくさせることが出来る。そのあと起きてから会話、治療となっていく。カプセル型ということもありかなり大きく、場所をとるため必要機材のある専用室が必要であること、カウンセラーも最初から傍に置いておく必要もあり、点滴が出来ない。
どちらにもメリット、デメリットというものがあるのだ。
「転院させなさい。VR医療では最新設備のある病院へ、我名義で部屋を抑えてある」
和服姿の老女がいきなり入ってきて、言い出した。禰宜田から来たかなり年配の男が、その姿を見るなり硬直していた。ということは禰宜田の関係者か。
VR医療の最新設備があるところなど、限られている。一つは応仁会系列の病院だ。
だが、美玖に応仁会系列の病院はいかがかと思ってしまう。
「我用の診療所が北ヶ原にある。そこに禰宜田医療と研究所で開発した最新鋭のVR医療機器を、導入しておる」
「し……しかし……」
「さゆりには我が伝えておく。それから我のところに顧問弁護士の天原を呼んでおけ」
「?」
誰に言っているかと言いたくなってきたのは、主治医だけではないはずだ。
「お主がこの童子の主治医か? なればおぬしも来い」
「無理です! 彼女以外にも担当している患者は……」
北ヶ原はここから車で一時間ほどかかる海辺の町だ。そこまで通うだけでも大変である。
「何をしていらっしゃるの?」
丁度見舞いにやって来た悠里が呆れて問いただしていた。
「悠里、ちょうどよいところに来た。さゆりたちを北ヶ原につれて来い。それから顧問弁護士の天原だ」
「……天原は忙しいはずですわ」
「我の急用と伝えよ」
それだけ言って老女は出て行った。
すぐさま黒尽くめの男たちが来て、美玖を眠らせ連れて行った。
その光景を悠里は呆れてみていた。
だが、その老女のおかげで美玖の治療は順調にいくことになる。
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