初心者がVRMMOをやります(仮)
現実世界にて<女帝の怒り>
美玖はまだ、知らない人といるということが怖いのだ。それを昌代は気付き、そっと退出させてくれたのだろう。
今日は茶室が使えないし、保もいない。そして、昌代にも頼れないというのがかなり心細かった。
そんな時に、にゅっと手が伸びてきた。
「ひっ!」
ゲーム内では克服してきているが、美玖は恐怖と直面すると声があげれなくなる。
「俺だよ。ミク」
「! レイ……モンド……さん?」
どうやってここに入ったというのか。
「マーカスに頼んだ。こうでもしないとミクに会えないと思ったから。ごめんね。騒がないで」
<レイモンド、本当にお前は彼女と知り合いなのか?>
<はい。俺の友人の従妹です>
<……そうは見えないが。私も女帝に怒られたくないのだがね>
<大丈夫です。俺はミクと少し話をしたいだけです。マーカス、ありがとう>
なにやら英語で話しているようだったが、美玖には全く分からなかった。
「本当に、ごめん。たくさん謝りたかった。でも、ゲーム内じゃあまり会えないし。強硬手段を取らせてもらったよ。マーカスは俺の知り合いなんだ」
嫌だ怖い。悲鳴もあげれなくなるほどに怖い。
「ミク!!」
レイモンドがどこかで叫んでいたような気がした。
「たわけが!!」
気がついたときには、美玖はベッドの上で休んでいた。そして、点滴を打たれていた。
「えっと?」
「大丈夫ですか? 過呼吸を起こされたんですよ。慌てたマーカスさんに連れられてきたときには意識を失っていらっしゃったので」
「……はい」
狭山の言葉が遠くで聞こえていた。
「すこし、お休みください。マーカスもその連れも昌代さまが説教されていらっしゃいますから」
その言葉を聞きながら、美玖は再度意識を失った。
<マーカス! お主は何を考えておる!? 我の許可なくこの保養所に入るとは何たることじゃ!!>
昌代の怒りはかなり激しく、おそらく一緒に来たであろう、義道たちまでもが怒鳴られていた。
<しかし! 彼はミクと知り合いだと言っていたのです! そして事件のせいで中々会えないと……>
<だからと言って我の許可を求めぬとはどういうことじゃ!? ほんに会う必要があり、疚しいことがなくば内密に会いたいなどとは言わぬだろうが!!>
言い訳無用。そして、今まで昌代がここまで怒るというところを誰も見たことがない。
<マーカス、安心せい。お主に美玖は預けぬ。義道、お主のところにもじゃ。そう心得よ>
「姉さん!!」
<どんな言葉も、お主らは台無しにしおった。美玖の背負った傷は大きすぎるのじゃ。これで尚更あ奴に依存されたら、リハビリにすら影響を与える>
そして、昌代は遠山に視線をうつした。
「少しばかり錯乱しております。昌代様、顔をお出しいただけないでしょうか」
その言葉を受け、昌代は美玖の部屋へと急いだ。
先程少し意識が戻ったそうだが、今度は眠っているらしい。起きたらすぐに教えるよう狭山に伝え、再度昌代は茶室に戻った。
とりあえず、レイモンドは保にでもみっちりと絞ってもらおうか。
その前に昌代も保に謝罪せねばなるまい。保は「昌代のところならば安心」と預けて行ったのだ。
依存させようとする心意気は面白くなくとも、守ろうとするものまで否定するわけにはいかない。
今日は茶室が使えないし、保もいない。そして、昌代にも頼れないというのがかなり心細かった。
そんな時に、にゅっと手が伸びてきた。
「ひっ!」
ゲーム内では克服してきているが、美玖は恐怖と直面すると声があげれなくなる。
「俺だよ。ミク」
「! レイ……モンド……さん?」
どうやってここに入ったというのか。
「マーカスに頼んだ。こうでもしないとミクに会えないと思ったから。ごめんね。騒がないで」
<レイモンド、本当にお前は彼女と知り合いなのか?>
<はい。俺の友人の従妹です>
<……そうは見えないが。私も女帝に怒られたくないのだがね>
<大丈夫です。俺はミクと少し話をしたいだけです。マーカス、ありがとう>
なにやら英語で話しているようだったが、美玖には全く分からなかった。
「本当に、ごめん。たくさん謝りたかった。でも、ゲーム内じゃあまり会えないし。強硬手段を取らせてもらったよ。マーカスは俺の知り合いなんだ」
嫌だ怖い。悲鳴もあげれなくなるほどに怖い。
「ミク!!」
レイモンドがどこかで叫んでいたような気がした。
「たわけが!!」
気がついたときには、美玖はベッドの上で休んでいた。そして、点滴を打たれていた。
「えっと?」
「大丈夫ですか? 過呼吸を起こされたんですよ。慌てたマーカスさんに連れられてきたときには意識を失っていらっしゃったので」
「……はい」
狭山の言葉が遠くで聞こえていた。
「すこし、お休みください。マーカスもその連れも昌代さまが説教されていらっしゃいますから」
その言葉を聞きながら、美玖は再度意識を失った。
<マーカス! お主は何を考えておる!? 我の許可なくこの保養所に入るとは何たることじゃ!!>
昌代の怒りはかなり激しく、おそらく一緒に来たであろう、義道たちまでもが怒鳴られていた。
<しかし! 彼はミクと知り合いだと言っていたのです! そして事件のせいで中々会えないと……>
<だからと言って我の許可を求めぬとはどういうことじゃ!? ほんに会う必要があり、疚しいことがなくば内密に会いたいなどとは言わぬだろうが!!>
言い訳無用。そして、今まで昌代がここまで怒るというところを誰も見たことがない。
<マーカス、安心せい。お主に美玖は預けぬ。義道、お主のところにもじゃ。そう心得よ>
「姉さん!!」
<どんな言葉も、お主らは台無しにしおった。美玖の背負った傷は大きすぎるのじゃ。これで尚更あ奴に依存されたら、リハビリにすら影響を与える>
そして、昌代は遠山に視線をうつした。
「少しばかり錯乱しております。昌代様、顔をお出しいただけないでしょうか」
その言葉を受け、昌代は美玖の部屋へと急いだ。
先程少し意識が戻ったそうだが、今度は眠っているらしい。起きたらすぐに教えるよう狭山に伝え、再度昌代は茶室に戻った。
とりあえず、レイモンドは保にでもみっちりと絞ってもらおうか。
その前に昌代も保に謝罪せねばなるまい。保は「昌代のところならば安心」と預けて行ったのだ。
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