初心者がVRMMOをやります(仮)
現実世界にて<女帝、レイモンドを罰する>
「深窓の宴」と美玖の関係性を話していくうちに、隆二がかなり驚いた顔になっていた。
「あの、シュウと従兄妹? 冗談だろ?」
「冗談ではないわ。正真正銘の従兄妹同士じゃ」
「……なんつうか、世の中の理不尽さを思い知らされた」
昌代の答えに、隆二が納得いかないといった顔で、呟いていた。
「周一郎さんは、とても優秀な方ですから。……私のような出来損ない……」
「いんや、途中までしか聞いてないけど、あえて言わせてもらう。逆。あの極悪な性格をしたやつの従妹が、こぉんなに性格よし、顔よしの子だとは思えないだけだよ」
「え?」
「シュウはトールと一緒で力が全てだ。限定クエストも全て自分たちでクリアしたい、それがあのギルドに入った理由。最初は違ったし、他のやつがギルマスとサブマスだった。レイがギルマスになったあたりから、変わっていって横暴になってきたから辞めた」
そこまで聞いた昌代がため息をついた。
「まったく。マーカスも厄介なことをしたものじゃ。きつく灸を据えておるが、また似たようなことをされるのも癪じゃな」
そしてにたりと昌代が笑った。
「狭山、三浦」
「ご用意は出来ております。三日後には出立出来るかと」
「角田殿、それから保。三日後にはここを出立するゆえ、適当に別れを惜しんで来い。美玖はその間リハビリじゃな。あのレイモンドという坊とマーカスには似合いの罰を用意するかの」
「お養母様……」
嫌な予感がする、とばかりにさゆりが呟いた。
「マーカスにはここの診療所で医師をやってもらうかの。我らは他の保養所へとトンズラする」
「それはそれで、ばれるだろうが」
保も容赦なく突っ込みを入れる。VR機器を美玖が行く保養所に入れてしまえば、そこが美玖の居場所だとばれる結果になるだろう。
「たわけ。そこまで短慮なことはせん。禰宜田の個人、グループで持つ全ての保養所並びに診療所へカプセル型のVR機器を数台ずつ入れる。どこからでも医療用、ゲーム用に使えるものとして、ヘッドギアも入れればよい。
金は三分の一を義孝から、残りをマーカスに負担させる。レイモンドは警察へ引渡しの上、二月ほど全てのゲームをイエローカードでログイン出来なくするかの。まぁ、美玖の件が関わるからの、『TabTapS!』だけはトールとやらの関係者がおったとしても、ログインは出来ぬであろうよ」
どんなに頑張ったとしても、レイモンドは周一郎と顔を合わせる。だったら、レイモンドにもっとも嫌だと思う罰を下すというのが昌代のやり方だ。
「あの小童も大人しくしておればあっという間に二月など過ぎるから、甘いといえば甘いの」
VRは脳波測定が存在するが、MMORPGなどであればアカウントを作り直すということも可能だろう。そこまでしないのは、逆に「一からやってみる気概があるなら、やってみろ」という昌代なりの嫌がらせだ。そして、もし作ってやっていたとしたら、以前使っていたアカウントは永久停止になるうえに、現在使っているアカウントもLVの伸び率とアイテム取得の制限をかけるつもりだ。
その辺りまで、昌代は説明などしない。
そのあたりを読み取ったさゆりたちがため息をついていた。
「あの、シュウと従兄妹? 冗談だろ?」
「冗談ではないわ。正真正銘の従兄妹同士じゃ」
「……なんつうか、世の中の理不尽さを思い知らされた」
昌代の答えに、隆二が納得いかないといった顔で、呟いていた。
「周一郎さんは、とても優秀な方ですから。……私のような出来損ない……」
「いんや、途中までしか聞いてないけど、あえて言わせてもらう。逆。あの極悪な性格をしたやつの従妹が、こぉんなに性格よし、顔よしの子だとは思えないだけだよ」
「え?」
「シュウはトールと一緒で力が全てだ。限定クエストも全て自分たちでクリアしたい、それがあのギルドに入った理由。最初は違ったし、他のやつがギルマスとサブマスだった。レイがギルマスになったあたりから、変わっていって横暴になってきたから辞めた」
そこまで聞いた昌代がため息をついた。
「まったく。マーカスも厄介なことをしたものじゃ。きつく灸を据えておるが、また似たようなことをされるのも癪じゃな」
そしてにたりと昌代が笑った。
「狭山、三浦」
「ご用意は出来ております。三日後には出立出来るかと」
「角田殿、それから保。三日後にはここを出立するゆえ、適当に別れを惜しんで来い。美玖はその間リハビリじゃな。あのレイモンドという坊とマーカスには似合いの罰を用意するかの」
「お養母様……」
嫌な予感がする、とばかりにさゆりが呟いた。
「マーカスにはここの診療所で医師をやってもらうかの。我らは他の保養所へとトンズラする」
「それはそれで、ばれるだろうが」
保も容赦なく突っ込みを入れる。VR機器を美玖が行く保養所に入れてしまえば、そこが美玖の居場所だとばれる結果になるだろう。
「たわけ。そこまで短慮なことはせん。禰宜田の個人、グループで持つ全ての保養所並びに診療所へカプセル型のVR機器を数台ずつ入れる。どこからでも医療用、ゲーム用に使えるものとして、ヘッドギアも入れればよい。
金は三分の一を義孝から、残りをマーカスに負担させる。レイモンドは警察へ引渡しの上、二月ほど全てのゲームをイエローカードでログイン出来なくするかの。まぁ、美玖の件が関わるからの、『TabTapS!』だけはトールとやらの関係者がおったとしても、ログインは出来ぬであろうよ」
どんなに頑張ったとしても、レイモンドは周一郎と顔を合わせる。だったら、レイモンドにもっとも嫌だと思う罰を下すというのが昌代のやり方だ。
「あの小童も大人しくしておればあっという間に二月など過ぎるから、甘いといえば甘いの」
VRは脳波測定が存在するが、MMORPGなどであればアカウントを作り直すということも可能だろう。そこまでしないのは、逆に「一からやってみる気概があるなら、やってみろ」という昌代なりの嫌がらせだ。そして、もし作ってやっていたとしたら、以前使っていたアカウントは永久停止になるうえに、現在使っているアカウントもLVの伸び率とアイテム取得の制限をかけるつもりだ。
その辺りまで、昌代は説明などしない。
そのあたりを読み取ったさゆりたちがため息をついていた。
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