初心者がVRMMOをやります(仮)
カナリアの少しばかり悪い癖
「あ、言い忘れてた。こいつ、火属性の攻撃特化型だから、採取に向かないぞ」
「おいっ! いくら元ネタがあるからってそれはないだろうが!!」
ユウの発言にジャスティスがすさまじい勢いで突っ込みをいれていた。
「え~~? ヒョーゴだったらそれくらいしないと。さすがに命令無視はいくらなんでも辛いし。次に得意なのは一応風。ただLV的にかなり隔たりがあるから、カナリア注意してくれ」
「はいっ」
拾うだけならそんなものは関係ないはずだ。そうカナリアが言えば、ユウとジャスティスは笑っていた。
そのままジャスティスとユウが前衛でメンモドキの注意をひきつける。そして爆発させ、ヒョーゴとミラージが拾っていく。そして、セバスチャンは補助魔法を、カナリアは回復魔法を後方から唱えていた。
「回復いると楽だな」
「あれ? お前の親父さんのAIは?」
「親父のAIも攻撃型。幸也が回復メインだったし、武尊も補助系だったから必要性を感じたことなかったんだよ」
「……なるほど。親父さんとは別行動だったか」
「そいういうこった。初だぞ、親父がギルド入るの」
「だと、幸也が早く戻ってきてくれることを祈るしかない。現状メイン回復はディッチさんだけなんだ。カナリアは総合的な魔法職を目指してるし」
「なるほど。レイド向きじゃないんだな」
そうしている間にも、あっという間に綿が手に入る。ここまでさくさくと集めたのは初めてだった。
「ジャスティスさん、ユウさん。LPが減ってきてますから軽くつまんでください」
「サンキュ。今日はサンドイッチが多いな」
「ユウさんが甘いもの苦手だと言っていたので」
一緒に渡すお茶も、今日は砂糖抜きである。カナリアはシェークを飲んでいるが。
「このパーティ、何?」
呆れたようにユウが呟く。
「カナリアが俺らのHP、MP、LP全て見てくれてるんだよ。動きが遅くなってからとか、休息場で大量に搾取しなくて済む分、効率がいい」
「効率のため?」
「いや? 俺らの腹具合のため」
「……そうかい」
その間にも、駱駝はそのあたりの草を食んでいる。餌以外もこうやって騎乗モンスターは食べるのだと思っていたが、本日通常ではありえないということに気がついた。
「コブちゃん。それだけじゃなく、これも食べて」
そう言って餌を手渡しで与える。ついでなのでジャスティスとユウにも、それぞれの騎乗モンスター用の餌を渡す。
「ある意味至れり尽くせりなパーティになるんだな」
「カナリアのおかげだな」
採取量を見て、鉱脈へと向かっていく。その間にも染料が取れる場所があるらしく、ジャスティスがここぞとばかりに取っていた。
「やっぱり採取スキルもう少しあげないと駄目ですね」
そのあたりにあることも知らなかった。
「まぁ、ある程度のスキルレベルがないと難しいからな、あそこは」
ユウはかなりマイナーなポイントも知っており、別の発見がある採取道中だった。
全ての予定が終わる頃、大量の素材を集められカナリアはかなりホクホクだった。
ギルド本拠地へ戻り、ジャスティスとカナリアはそれぞれ依頼のために動く。
幸いにも、「神社仏閣を愛する会」のメンバーであるマモルはこちらにまだ残っている。あと少しでギルド本拠地の改築も終了する。
他のメンバーはそれぞれマリル諸島の依頼を優先して片付けている状態だ。アントニーの拠点すら後回しだという。それをアントニーが了承したというのが驚きだったが、アントニー自身が、「『深窓の宴』への修行が一月以上経つけど終わらないんだよね」と苦笑していた。
「なるほど。これが桜の試作品でしたか。……確かにエリが一目ぼれしただけあります。我々のギルド本拠地に飾って新年を迎えたいものです」
以前作った花を見せるだけで、そんな回答が返ってきた。
ジャスティスもカナリアも、今回はエンチャントなしためタブレットだけでの作成だ。
写真を確認して、啓翁桜に似せて枝を作り、茶色の布を貼り付けていく。そこに少しばかり後付で濃淡を入れ、仕上げていく。
一本の啓翁桜が出来上がれば、依頼主である「神社仏閣を愛する会」のカーティス、エリ、マモルに見てもらう。そこで了承が得られれば、タブレットでの大量作成へと切り替える。
あとで同じ桜ばかりにならないように、花芽や花の数や枝の向きなどを調整していく。
ある程度の本数になったところで再度確認を取り、了承を貰えれば、桜の完成である。
「……ふしゅぅ」
エリたちに確認を取る以外で、休みを入れていないカナリアがやっと一息ついたのは、ログアウト時間を過ぎていた。
「……まずいです」
「まずいだろうな。俺らも声をかけたが、一切気付かなかったからな」
楽しそうにジャスティスが言う。時間厳守はクィーンに言われていたことだ。作ることに集中しすぎて、時間を忘れていた。
「とりあえず帰るぞ。カナリア」
ジャッジが少しばかり面白くなさそうに言ってきた。
戻るとVRカプセルの隣に昌代が仁王立ちして待ち構えていた。
「おばばさん、済みませんでした」
そう言って理由はきっちりと述べる。
「お主の悪い癖じゃ。集中すると寝食も忘れて作成する。気をつけよ。明日は、時間を短くすぞ」
「……はい」
翌日、前日のログイン状況に関わらず短くし、現実世界でのサプライズが待っていたことを知ることになる。
「おいっ! いくら元ネタがあるからってそれはないだろうが!!」
ユウの発言にジャスティスがすさまじい勢いで突っ込みをいれていた。
「え~~? ヒョーゴだったらそれくらいしないと。さすがに命令無視はいくらなんでも辛いし。次に得意なのは一応風。ただLV的にかなり隔たりがあるから、カナリア注意してくれ」
「はいっ」
拾うだけならそんなものは関係ないはずだ。そうカナリアが言えば、ユウとジャスティスは笑っていた。
そのままジャスティスとユウが前衛でメンモドキの注意をひきつける。そして爆発させ、ヒョーゴとミラージが拾っていく。そして、セバスチャンは補助魔法を、カナリアは回復魔法を後方から唱えていた。
「回復いると楽だな」
「あれ? お前の親父さんのAIは?」
「親父のAIも攻撃型。幸也が回復メインだったし、武尊も補助系だったから必要性を感じたことなかったんだよ」
「……なるほど。親父さんとは別行動だったか」
「そいういうこった。初だぞ、親父がギルド入るの」
「だと、幸也が早く戻ってきてくれることを祈るしかない。現状メイン回復はディッチさんだけなんだ。カナリアは総合的な魔法職を目指してるし」
「なるほど。レイド向きじゃないんだな」
そうしている間にも、あっという間に綿が手に入る。ここまでさくさくと集めたのは初めてだった。
「ジャスティスさん、ユウさん。LPが減ってきてますから軽くつまんでください」
「サンキュ。今日はサンドイッチが多いな」
「ユウさんが甘いもの苦手だと言っていたので」
一緒に渡すお茶も、今日は砂糖抜きである。カナリアはシェークを飲んでいるが。
「このパーティ、何?」
呆れたようにユウが呟く。
「カナリアが俺らのHP、MP、LP全て見てくれてるんだよ。動きが遅くなってからとか、休息場で大量に搾取しなくて済む分、効率がいい」
「効率のため?」
「いや? 俺らの腹具合のため」
「……そうかい」
その間にも、駱駝はそのあたりの草を食んでいる。餌以外もこうやって騎乗モンスターは食べるのだと思っていたが、本日通常ではありえないということに気がついた。
「コブちゃん。それだけじゃなく、これも食べて」
そう言って餌を手渡しで与える。ついでなのでジャスティスとユウにも、それぞれの騎乗モンスター用の餌を渡す。
「ある意味至れり尽くせりなパーティになるんだな」
「カナリアのおかげだな」
採取量を見て、鉱脈へと向かっていく。その間にも染料が取れる場所があるらしく、ジャスティスがここぞとばかりに取っていた。
「やっぱり採取スキルもう少しあげないと駄目ですね」
そのあたりにあることも知らなかった。
「まぁ、ある程度のスキルレベルがないと難しいからな、あそこは」
ユウはかなりマイナーなポイントも知っており、別の発見がある採取道中だった。
全ての予定が終わる頃、大量の素材を集められカナリアはかなりホクホクだった。
ギルド本拠地へ戻り、ジャスティスとカナリアはそれぞれ依頼のために動く。
幸いにも、「神社仏閣を愛する会」のメンバーであるマモルはこちらにまだ残っている。あと少しでギルド本拠地の改築も終了する。
他のメンバーはそれぞれマリル諸島の依頼を優先して片付けている状態だ。アントニーの拠点すら後回しだという。それをアントニーが了承したというのが驚きだったが、アントニー自身が、「『深窓の宴』への修行が一月以上経つけど終わらないんだよね」と苦笑していた。
「なるほど。これが桜の試作品でしたか。……確かにエリが一目ぼれしただけあります。我々のギルド本拠地に飾って新年を迎えたいものです」
以前作った花を見せるだけで、そんな回答が返ってきた。
ジャスティスもカナリアも、今回はエンチャントなしためタブレットだけでの作成だ。
写真を確認して、啓翁桜に似せて枝を作り、茶色の布を貼り付けていく。そこに少しばかり後付で濃淡を入れ、仕上げていく。
一本の啓翁桜が出来上がれば、依頼主である「神社仏閣を愛する会」のカーティス、エリ、マモルに見てもらう。そこで了承が得られれば、タブレットでの大量作成へと切り替える。
あとで同じ桜ばかりにならないように、花芽や花の数や枝の向きなどを調整していく。
ある程度の本数になったところで再度確認を取り、了承を貰えれば、桜の完成である。
「……ふしゅぅ」
エリたちに確認を取る以外で、休みを入れていないカナリアがやっと一息ついたのは、ログアウト時間を過ぎていた。
「……まずいです」
「まずいだろうな。俺らも声をかけたが、一切気付かなかったからな」
楽しそうにジャスティスが言う。時間厳守はクィーンに言われていたことだ。作ることに集中しすぎて、時間を忘れていた。
「とりあえず帰るぞ。カナリア」
ジャッジが少しばかり面白くなさそうに言ってきた。
戻るとVRカプセルの隣に昌代が仁王立ちして待ち構えていた。
「おばばさん、済みませんでした」
そう言って理由はきっちりと述べる。
「お主の悪い癖じゃ。集中すると寝食も忘れて作成する。気をつけよ。明日は、時間を短くすぞ」
「……はい」
翌日、前日のログイン状況に関わらず短くし、現実世界でのサプライズが待っていたことを知ることになる。
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