初心者がVRMMOをやります(仮)
死に戻り
ディッチとしては予定通り卵を手に入れることが出来た。
ここからが問題である。
何せドラゴン種は結束が固い。卵を盗られたとなれば異種族であろうが攻撃をして取り返そうとする。
「……というわけで、帰りが大変だ」
だからこそ、こればかりはソロでやるプレイヤーはいないし、フレンド限定クエストでもあるわけで。
「では予定通りに。ディスとカナリア君は手が空いたら雑魚蹴散らしに回ってくれ。俺らも危ない時はそちらの護衛に回るから」
その言葉に、全員が頷いた。
その時である。
「もう翼竜がきやがった! ユーリッ!」
すぐさまカナリアが全員に補助魔法をかけてきた。それを受けてユーリが翼竜に攻撃を仕掛ける。
それを見た三人が逆の方向から逃げる。
この翼竜は雌だ。
雌は己の産んだ卵が盗られるとすぐに分かるという。だから討伐してから卵を奪うプレイヤーもいるが、今回はあえてそれをしなかった。
ユーリとカナリア以外には「縛りプレイ」と言われたが、カナリアにも何故余計に狩るのかということを分からせる必要もあったのだ。
カナリアは優しすぎる。
いつも必要最低限で済ませるが、それでは難しいこともあるのだと教えなくてはいけない。
三人が見えなくなると、翼竜もいなくなった。おそらく卵を奪還しに回ったのだろう。
「ユーリ、合流するよ」
「えぇ。カナリアちゃんには辛いかもしれませんわね」
「それが目的だからね」
かわいそうという言葉だけで終わらせられないのだ。
ディッチの持つ特殊魔法「指定移転」でジャスティスの近くにすぐさま移動する。
「指定移転」はクエスト限定魔法で、クエスト開始時にプレイヤー一人を指定しておく。そして、クエスト中に移転魔法を使えば、その指定したプレイヤーの近くに移転できるというものだ。
これにはいくつか制限があり、一つ目はそのプレイヤーとあまり離れていないこと。もう一つは一緒に移転できる人数は己を含めてもう一人までだ。
だからこそ、こういうときには便利な魔法となる。
「お待たせ。翼竜はこっちに向かって……って今度は雄!?」
雄は卵を盗る前に眠らせたはずで、まだ起きないはずだった。
雌雄両方が揃うとは、ついていない。やはりどちらかだけでも狩っておくべきだった。
「アレはまだ寝てる! これは雌が援軍呼んだやつ!! ここに来るまでに数体翼竜の他、レッドドラゴン、地竜とかも見かけたぞ!!」
「マジか!? 早くないか!?」
ディスカスの報告に、ディッチは頭を悩ませた。
「俺らも焦ってる! 何とかやり過ごしていたが、最悪クエスト失敗は覚悟しておいたほうがいい!」
「ディスカスさん! ジャスティスさんにご飯をお願いします! 私は閃光弾を使います!」
カナリアが悲鳴をあげるように叫ぶ。
ジャスティスとディスカスはサングラスらしきものをかけていると思ったら、それが理由だったらしい。
「食わせた! ディッチたちにサングラス渡した!」
「いきます!!」
ぴかっとひかり、すぐさま全員が逃げた。
いつの間に閃光弾とか、このサングラスを用意していたのかあとで聞く必要はある。
「カナリアッ! あと何発残ってる!?」
「あと三発です!」
ジャスティスの問いにもカナリアはすぐに答える。
「ライジング!」
タブレットですぐさま作成した雷を雌翼竜に落とし、暫く麻痺させる。
そうやって何度も逃げている。
「フギャァァァァ!!」
気がついたら卵を持ったジャスティスと、それをサポートしていたカナリアが囲まれていた。そして背後は崖で、しかも翼竜が空にいる。
「卵、かえしても死に戻りだな」
ディッチは思わず呟いた。指定先はジャスティスだ。このクエスト主はジャスティス。そしてサブがディッチ。二人とも死に戻りをするわけにはいかない。
「ジャスティスさん!!」
ぐらりとジャスティスの身体がぐらつき、それを助けるためにカナリアが手を伸ばしていた。
そしてそのままカナリアとジャスティスは落下していった。
ここからが問題である。
何せドラゴン種は結束が固い。卵を盗られたとなれば異種族であろうが攻撃をして取り返そうとする。
「……というわけで、帰りが大変だ」
だからこそ、こればかりはソロでやるプレイヤーはいないし、フレンド限定クエストでもあるわけで。
「では予定通りに。ディスとカナリア君は手が空いたら雑魚蹴散らしに回ってくれ。俺らも危ない時はそちらの護衛に回るから」
その言葉に、全員が頷いた。
その時である。
「もう翼竜がきやがった! ユーリッ!」
すぐさまカナリアが全員に補助魔法をかけてきた。それを受けてユーリが翼竜に攻撃を仕掛ける。
それを見た三人が逆の方向から逃げる。
この翼竜は雌だ。
雌は己の産んだ卵が盗られるとすぐに分かるという。だから討伐してから卵を奪うプレイヤーもいるが、今回はあえてそれをしなかった。
ユーリとカナリア以外には「縛りプレイ」と言われたが、カナリアにも何故余計に狩るのかということを分からせる必要もあったのだ。
カナリアは優しすぎる。
いつも必要最低限で済ませるが、それでは難しいこともあるのだと教えなくてはいけない。
三人が見えなくなると、翼竜もいなくなった。おそらく卵を奪還しに回ったのだろう。
「ユーリ、合流するよ」
「えぇ。カナリアちゃんには辛いかもしれませんわね」
「それが目的だからね」
かわいそうという言葉だけで終わらせられないのだ。
ディッチの持つ特殊魔法「指定移転」でジャスティスの近くにすぐさま移動する。
「指定移転」はクエスト限定魔法で、クエスト開始時にプレイヤー一人を指定しておく。そして、クエスト中に移転魔法を使えば、その指定したプレイヤーの近くに移転できるというものだ。
これにはいくつか制限があり、一つ目はそのプレイヤーとあまり離れていないこと。もう一つは一緒に移転できる人数は己を含めてもう一人までだ。
だからこそ、こういうときには便利な魔法となる。
「お待たせ。翼竜はこっちに向かって……って今度は雄!?」
雄は卵を盗る前に眠らせたはずで、まだ起きないはずだった。
雌雄両方が揃うとは、ついていない。やはりどちらかだけでも狩っておくべきだった。
「アレはまだ寝てる! これは雌が援軍呼んだやつ!! ここに来るまでに数体翼竜の他、レッドドラゴン、地竜とかも見かけたぞ!!」
「マジか!? 早くないか!?」
ディスカスの報告に、ディッチは頭を悩ませた。
「俺らも焦ってる! 何とかやり過ごしていたが、最悪クエスト失敗は覚悟しておいたほうがいい!」
「ディスカスさん! ジャスティスさんにご飯をお願いします! 私は閃光弾を使います!」
カナリアが悲鳴をあげるように叫ぶ。
ジャスティスとディスカスはサングラスらしきものをかけていると思ったら、それが理由だったらしい。
「食わせた! ディッチたちにサングラス渡した!」
「いきます!!」
ぴかっとひかり、すぐさま全員が逃げた。
いつの間に閃光弾とか、このサングラスを用意していたのかあとで聞く必要はある。
「カナリアッ! あと何発残ってる!?」
「あと三発です!」
ジャスティスの問いにもカナリアはすぐに答える。
「ライジング!」
タブレットですぐさま作成した雷を雌翼竜に落とし、暫く麻痺させる。
そうやって何度も逃げている。
「フギャァァァァ!!」
気がついたら卵を持ったジャスティスと、それをサポートしていたカナリアが囲まれていた。そして背後は崖で、しかも翼竜が空にいる。
「卵、かえしても死に戻りだな」
ディッチは思わず呟いた。指定先はジャスティスだ。このクエスト主はジャスティス。そしてサブがディッチ。二人とも死に戻りをするわけにはいかない。
「ジャスティスさん!!」
ぐらりとジャスティスの身体がぐらつき、それを助けるためにカナリアが手を伸ばしていた。
そしてそのままカナリアとジャスティスは落下していった。
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