初心者がVRMMOをやります(仮)
隠しクエストへ
ディッチたちはすぐさま休息場へと逃げる。とりあえずはここで二人を待つしかないだろう。
先ほど向かった翼竜の巣はこの休息場から見て北側。次は南側を狙うか東西どちらを狙うか、作戦を練り直していた。
――とりあえず死に戻り。経験値とカナリアの鞄の中から剥ぎ取りした肉と用意していた食料、それから飲み物ロスト。卵は手中にあり。問題発生のため至急休息場へ戻る――
ジャスティスからのメールを読む全員が、怪訝そうな顔になっていく。
あそこから落ちたら、卵は駄目になっているはずだ。しかも問題発生とは。
カナリアも死に戻りと聞いて、ジャッジがいなくてよかったと心から思った。
「お待たせしました。隠しクエスト発生しました」
「……マジか」
戻るなり伝えてきたジャスティスに、ディッチは頭を抱えた。
「キュゥ」
「……もしかして」
鳴き声をあげたモノを見たディッチは嫌な予感がした。
「そのもしかしてです。卵は落下中、俺の腕の中で羽化。カナリアの持っていたミートパイを一つ食べて、現在ご機嫌です。まずはこいつを親元に返しがてら、落下途中で見つけた洞穴を探索したいと思います」
「どうやって卵をもう一回持ってくるつもりだよ」
「はい。なので、俺はこの休息場に残って、こいつと戯れています。こいつがある程度楽に進める道を教えてくれるようなので。卵をここまで持ってきたら、カナリアが卵を持って俺らで洞穴を探索したいと思います」
これ以上カナリアを隠しクエスト、もしくは限定クエストに関わらせるつもりはない。
「分かった。ここから北の巣穴に行って卵……」
「キュキューー」
「却下みたいですね。どっちの方角が楽だ?」
ジャスティスが翼竜の子供に訊ねていた。
「キュッ」
方角は再度南だった。
「もう一つ巣穴があるのか?」
「キュッ」
「お前がいた巣穴よりも遠いか?」
「キュキューー」
「近いのか」
「キュッ」
どうやらジャスティスには翼竜の子供の言葉が分かるらしい。
「というわけで、南側のもう少し手前に巣がもう一つあるそうですので、そちらに。ディッチさんのスマホにマッピングを送っておきましたので、よろしく」
「……おうよ。俺にメールで常に報告入れてくれ」
隠しクエストがこのタイミングで起きるとは。ある意味カナリアが起爆剤ともいえる。
その後、ジャスティスからのメールのおかげで楽に卵を休息場まで持ち帰れた。
隠しクエスト、限定クエストにカナリアを関わらせない。それはジャッジを暴走させないための暗黙の了解でもある。
「……カナリア君」
とりあえず、カナリアにこれからの予定を伝えようと思ったが……。
だから何度も言わせてもらうが、すぐに茶や菓子の用意をするのを止めて欲しい。
「はい。コドラちゃん」
またしても勝手に名前をつけていたようだ。
「キュ」
「……カナリア。マカロンじゃなくミートパイが欲しいそうだ」
「ミートパイはユーリさんとジャスティスさんに全部渡しました。私が今持ってるのはマカロンだけです」
「キュゥゥ」
ジャスティスまで混ざって、ほのぼのとするのは勘弁して欲しいところだ。
「とりあえず、話を戻すよ? カナリア君は、クエスト失敗の文字が出ない限り、卵をここで抱えていること。時間になったら、それを持って町に行ってクエスト終了させて。俺らはこの先、隠しクエストに行く」
その言葉にこくりと頷いたあと、カナリアは少しばかり言いづらそうにしていた。
「カナリア君、どうした?」
「えっと、私の代わりにアルテミス連れて行きますか?」
「何故に?」
「アルテミスは私とシンクロできるらしいんです。ジャスティスさんとも話していたのですが、その方がいいだろうって」
確かに。カナリアのゲームらしからぬ発想に助けられることは多い。
「分かった。借りる」
隠しクエスト、限定クエストにカナリア自身は行くつもりはないらしい。あっさりと話がまとまった。
「無事に終わらせてください」
「おうよ」
さすがにこの先には何も情報がない。失敗してもおかしくない。
先ほど向かった翼竜の巣はこの休息場から見て北側。次は南側を狙うか東西どちらを狙うか、作戦を練り直していた。
――とりあえず死に戻り。経験値とカナリアの鞄の中から剥ぎ取りした肉と用意していた食料、それから飲み物ロスト。卵は手中にあり。問題発生のため至急休息場へ戻る――
ジャスティスからのメールを読む全員が、怪訝そうな顔になっていく。
あそこから落ちたら、卵は駄目になっているはずだ。しかも問題発生とは。
カナリアも死に戻りと聞いて、ジャッジがいなくてよかったと心から思った。
「お待たせしました。隠しクエスト発生しました」
「……マジか」
戻るなり伝えてきたジャスティスに、ディッチは頭を抱えた。
「キュゥ」
「……もしかして」
鳴き声をあげたモノを見たディッチは嫌な予感がした。
「そのもしかしてです。卵は落下中、俺の腕の中で羽化。カナリアの持っていたミートパイを一つ食べて、現在ご機嫌です。まずはこいつを親元に返しがてら、落下途中で見つけた洞穴を探索したいと思います」
「どうやって卵をもう一回持ってくるつもりだよ」
「はい。なので、俺はこの休息場に残って、こいつと戯れています。こいつがある程度楽に進める道を教えてくれるようなので。卵をここまで持ってきたら、カナリアが卵を持って俺らで洞穴を探索したいと思います」
これ以上カナリアを隠しクエスト、もしくは限定クエストに関わらせるつもりはない。
「分かった。ここから北の巣穴に行って卵……」
「キュキューー」
「却下みたいですね。どっちの方角が楽だ?」
ジャスティスが翼竜の子供に訊ねていた。
「キュッ」
方角は再度南だった。
「もう一つ巣穴があるのか?」
「キュッ」
「お前がいた巣穴よりも遠いか?」
「キュキューー」
「近いのか」
「キュッ」
どうやらジャスティスには翼竜の子供の言葉が分かるらしい。
「というわけで、南側のもう少し手前に巣がもう一つあるそうですので、そちらに。ディッチさんのスマホにマッピングを送っておきましたので、よろしく」
「……おうよ。俺にメールで常に報告入れてくれ」
隠しクエストがこのタイミングで起きるとは。ある意味カナリアが起爆剤ともいえる。
その後、ジャスティスからのメールのおかげで楽に卵を休息場まで持ち帰れた。
隠しクエスト、限定クエストにカナリアを関わらせない。それはジャッジを暴走させないための暗黙の了解でもある。
「……カナリア君」
とりあえず、カナリアにこれからの予定を伝えようと思ったが……。
だから何度も言わせてもらうが、すぐに茶や菓子の用意をするのを止めて欲しい。
「はい。コドラちゃん」
またしても勝手に名前をつけていたようだ。
「キュ」
「……カナリア。マカロンじゃなくミートパイが欲しいそうだ」
「ミートパイはユーリさんとジャスティスさんに全部渡しました。私が今持ってるのはマカロンだけです」
「キュゥゥ」
ジャスティスまで混ざって、ほのぼのとするのは勘弁して欲しいところだ。
「とりあえず、話を戻すよ? カナリア君は、クエスト失敗の文字が出ない限り、卵をここで抱えていること。時間になったら、それを持って町に行ってクエスト終了させて。俺らはこの先、隠しクエストに行く」
その言葉にこくりと頷いたあと、カナリアは少しばかり言いづらそうにしていた。
「カナリア君、どうした?」
「えっと、私の代わりにアルテミス連れて行きますか?」
「何故に?」
「アルテミスは私とシンクロできるらしいんです。ジャスティスさんとも話していたのですが、その方がいいだろうって」
確かに。カナリアのゲームらしからぬ発想に助けられることは多い。
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